「国語はセンスだから成績は上がらない」と勘違いして受験勉強から避ける高校生は多くいらっしゃいます。この記事では国語のおすすめの参考書、参考書の特徴、 自習や独学の際におすすめの国語の勉強法といった高校生が知りたい情報について紹介していきます。
<現代文編>
国語が苦手な高校生必見!現代文の特徴・勉強法
消去法が使えない
記述式試験では、答えとなる文を自分で生み出さなければなりません。マーク式試験のように答えとなりうる文が予め用意されているわけではないのです。
なので、センター試験などで猛威を奮う「消去法」が記述式では全く使えません。国語の問題を解く際に、消去法だけに頼って自分の頭で答えを考えてみたことのない人は非常に苦労するでしょう。
センター直前期にセンター向け対策として消去法の訓練をしておくのはいいですが、国公立二次を受ける人は普段の勉強では自分で解答を書く練習をしておくことが大事だということが分かります。
読解力だけでなく表現力も必要
自分で解答文を書かなければならないという特性上、記述式試験では読解力の他にも表現力がとても重要になってきます。
「表現力」とは、例えば本文中の難解な言葉や表現を、自分なりの言葉でわかりやすく噛み砕いて説明する力、本文の論理構成を解答の形に合うように組み替えて論理的な解答を作る力など、自分で解答文を作成する際に必要な様々な力のことです。これは、ひたすら訓練をこなすことによってしか身につきません。
一朝一夕で身につく力ではないので、早め早めのうちから解答文作成の練習に取り掛かっておく必要があります。それも、ただ数をこなすのではなく一回一回質の高い勉強をしないと、一向に表現力はついてきません。解答を自分で作るのが苦手だと思っている人は、できれば毎日、集中して国語の記述問題を解いていきましょう。
現代文で差はつかない
記述式試験で国語の点数を安定させるには、古文漢文での高得点が必要になります。現代文でいい点を取ろうと頑張っている時間があったら、古文漢文の勉強に時間を回したほうが効率がいいです。現代文は「合格最低ラインよりちょっと上をキープする」くらいの意識で留めておくのが、効率的に受験で勝つためのテクニックです。
記述問題の書き方
記述の解答は一文で書かなくてはいけないのか、文中の言葉をそのまま使っていいのかなど、細かいところまで気になってしまうものです。ここではそういった書き方を挙げていきます。
書き始めについて
- 書き始めの一字は開けない
- 句読点は1字として数える
- 句読点は行の始まりにあっても構わない
解答用紙にマス目があるのは字数を数えるためで、原稿用紙の書き方を知っているかを聞いているわけではないです。そのため、書き始めに一字空けたり、行の最後のマスに最後の一字と句読点をまとめて書いたりしてはいけません。
字数制限について
- 字数制限は守る
- 字数制限の8割は書く
- マス目がない場合も枠をはみ出さない
字数制限を守っていないとそもそも採点の対象にならない恐れがあります。
また、マス目がなく枠だけが与えられている場合でも、枠の外に文字を書いてしまうと採点官に何かサインを送っているのではないかと思われ、カンニング扱いになってしまいます。
逆に字数制限に明らかに足りていなかったり、枠の余白が大きすぎたりという場合も採点対象にならないかもしれません。字数制限のある問題の場合には、8割以上書けば安全です。枠の形式の問題では大学ごとに違うので過去問や先生に聞くなどして調べておきましょう。
行数について
- 解答は2文以上になっても構わない
- 改行はしない
解答を1文で書くことにこだわる必要はないです。2文以上の方がうまくかける場合それで問題ありません。またその場合でも、上記の通り原稿用紙とは違いますので、本来なら改行するところでも改行しないで続けて書いてください。
ですます調で書かない
解答はですます調ではなく、「だ、である」で書いてください。ですます調にしても採点官の印象が良くなるということはなく、字数が増えるだけでメリットはありません。
国語・記述式問題の「要約問題」の勉強法・解き方
記述式問題の「要約問題」はよく聞かれることなのでしっかり押さえておきましょう。「要約せよ」は現代文設問の集大成。時間もかかる上なかなか満点の答案が書けない難問です。
ポイントは三つ。
①メインアイディア→展開部の関係を考えて大枠をまとめる
まずは文章を意味段落に分けます。この意味段落ごとにトピックセンテンスを読み取り、そこから文全体の展開を理解しましょう。
話題提起→筆者の主張→理由や根拠
だいたいの文がこの展開です。
メインアイディア→展開部の関係を崩さないように短い文で大枠をまとめましょう。
②原則具体例は削除
原則、具体例は削除です。読者の理解を助けるための具体例は要約において必要ないです。
具体例のみの段落などはそのままカットしてしまってOK。
③字数による微調整作業
要約問題の規定の字数になるよう微調整を繰り返す。具体的にはメインアイディアの取捨選択や具体例の取り込みのこと。意味段落のメインアイディアの中には要約にわざわざ書かなくて良いものもあります。
(例:問題提起は筆者の主張より重要性に欠ける)
また規定の字数が多いときは使えそうな具体例を取り込むことも考えましょう。長い文章を分けたり、言葉を言い換えたりしながら規定の字数ギリギリになるよう調整しましょう。国語という科目においても、基本的にインプット→アウトプットという形式は変わりません。
国語のおすすめの参考書
ことばはちからダ!現代文キーワード
<特徴>1つのキーワードに対する、解説・例文が豊富に掲載されている点が大きな特徴で難易度の高いキーワードでも、例文・解説で詳しく学ぶことができます。
現代文キーワード読解
<特徴>
現代文読解に頻出されるキーワードを哲学・科学といったジャンル毎に体系的に収録されています。また例文に対する要約もあるのでインプットした読解法をアウトプットする練習としても活用できます。
入試現代文へのアクセス 基本編
<特徴>
比較的簡単な問題が多いので基礎を定着させるのにぴったりの参考書です。本文解説が詳しいので、ただ答えあわせをするのではなく、自分の読み方とのズレを確認して下さい。
入試現代文へのアクセス 発展編
<特徴>
比較的簡単な問題が多いので基礎を定着させるのにぴったりの参考書です。本文解説が詳しいので、ただ答えあわせをするのではなく、自分の読み方とのズレを確認して下さい。問題難易度が標準私大レベルに向上しています。
<古文>
国語が苦手な高校生必見!古文で大切なこと、重要なポイント
古文の誰もがぶつかる壁とは?
古文は確かに日本語ではありますが、現代語とは単語や文法が異なっているのます。
そのためフィーリングで解くような解き方をいつまでも行っているとそのうち対応できない問題にぶつかってきます。
それではそのような古文の壁にぶつかったとき、どのように対処していけばいいのでしょうか。
古文は、文系の人はもちろん理系の人でも、特に国公立大学に合格したいという受験生であれば、古文の勉強はしっかりと点数が取れるところまで、進めておく必要があります。
古文は覚えなくてはいけない要素が多い科目ではありますが、正しい勉強をしっかりとすれば、誰でも確実に点数を取ることができるようになる科目でもあります。
この記事で紹介する勉強法を実践することで、感覚的な解法から卒業し論理的に古文を解けるようになることで、ぜひ古文を得点源にしていきましょう。
国語が苦手な高校生必見!古文のおすすめの勉強法、勉強方法
古文の大学受験で絶対に成績を上げるための効果的な勉強法(単語編)
まず始めに古文において取り掛かるべきなのは、古文単語です。現代語とは全く意味が異なるものも多く、注意が必要です。
この古文単語を軽視している人が多いのですが、英語でいう英単語と同じなので早めに基礎を固めておきましょう。
古文単語は多義語が多いものの必要な数が、約300〜500語と英単語に比べれば大した数ではありません。
古文単語帳を一冊用意し、頻出単語をおさえましょう。
オススメの覚え方としては、一つの意味をまずは覚えて、その意味と関連付けて他の意味も覚えていく方法です。
あとは語呂をつくってみたり、声に出して読んでみたり、自分に合った覚え方で基礎を固めましょう。
古文の大学受験で絶対に成績を上げるための効果的な勉強法(助詞、助動詞編)
次に覚えるべきは助動詞です。
古文の特徴としてあげられるのが、助動詞の多さ、そしてその意味の多さです。しかし、動詞や形容詞、形容動詞に比べて覚えることは多いですが、まとめて覚えてしまえば効率よく暗記することができます。
また合わせて助詞にも触れておきましょう。
古文の助詞には呼応の副詞という二つセットで意味をなす表現があったりと、なかなか癖のあるものが多いです。
知らなければ答えられない問題も多く出題されるので、気を抜かずにしっかりと覚えましょう。
古文の大学受験で絶対に成績を上げるための効果的な勉強法(演習編)
普段古文の問題演習をする際は何に気をつけて解いていますか?
ただ漫然と解いているのでは、わからない問題が多い時などは時間が間に合わないこともあるでしょう。
そんな人に演習中に活用してもらいたいのが「敬語」です。
実は古文の読解において主語の把握こそが1番大切なポイントになるのです。
そしてその主語の把握は敬語を理解することでより容易になります。
例えば、尊敬語が付いていれば身分が高い人、謙譲語しかついていなければその主語は身分が低い人、そして目的語は身分が高い人ということがわかります。
このように敬語を使えば、主語を特定するができ、敬語を読解に活かすことができます。
入試の問題にはどこかで主語がわかるように、必ず出題者がヒントを与えてくれます。
とにかく古文が難しいのは主語が分からない点ですのですが、 一箇所でも主語が把握できれば周りがわかってくるので、敬語をヒントに話の流れを掴みましょう。
国語が苦手な高校生必見!古文のおすすめの参考書
単語編
①古文単語ゴロゴ

最初に紹介する古文単語集は、『古文単語ゴロゴ』です。
タイトルからも想像がつく通り、古文の単語を語呂合わせで覚えるというコンセプトで作られた単語集です。また、収録されている単語数もゴロゴにちなんで565語になっています。
市販の古文単語集の中では単語量が多い方で、この1冊に出てくる古文単語を一通り覚えておけば入試の古文単語で悩むことはなくなるでしょう。
古文単語を覚えるのがどうしても苦手という人でも、『古文単語ゴロゴ』に書かれている語呂合わせを使うと印象に残りやすいので、今までよりも効率よく暗記できるようになります。
古文の教科書や問題集に出てくる単語を自力で覚えようとしてもなかなか記憶に定着しなかったという人は、『古文単語ゴロゴ』を使った語呂合わせによる暗記法を試してみることをおすすめします。
②読んで見て覚える重要古文単語 315

各単語、語源やイラストが載っているため初学者であってもなんでこの意味になるのか?を理解しながら暗記ができます。
これまでの古文単語帳よりもイラストが重視されているので、初学者であっても違和感なく取り組むことができるかと思います。
単語収録数はゴロゴと比べると少ないですが、十分に受験範囲の古文単語を抑えているので、おすすめできる一冊となっています。
文法編
①富井の古典文法をはじめからていねいに

古文に苦手意識のある人、古文をどのように勉強したらよいのかイマイチわからない人向けの参考書です。
古典とはどんな科目か?、動詞形容詞などの用言の使い方といった基本的な項目から、助動詞をどのように見極めたらよいのか?敬語の見極め方といった、古文の勉強の核の部分に至るまで基礎から受験の最後まで使用することができます。
まず迷ったらこの参考書から入ってみましょう。
②古文解釈 はじめの一歩 -文法から解釈へ-

古文解釈に必要な着眼点細かくわけて解説しています。
かなり内容は濃いのですが、駿台文庫なので初学者にわかりやすくカラフルというわけではありません。ですからある程度古文の文法を勉強して、品詞分解は完璧だけど読解となるとよくわからない・・・という方におすすめです。
また、量はそこまで多くないので、文法を一度行った人であればすぐに通読&反復学習ができます。
③古文上達 基礎編 読解と演習

古典文法を長文の中で抑えられるのである程度古典文法を抑えた学生で長文内で読んでいきたい受験生にはオススメです。
45項あり全て終えるのはなかなか大変ですが、この一冊で大抵の私大はクリアすることができます。
ただし、センターや難関大学となると主語の取り方や目的語の取り方などストーリーをいかに取っていくかという部分が大事になってきます。
この一冊だけで乗り切るのは難しいかもしれないので、その場合は難関大にフォーカスした参考書にシフトしていきましょう。
問題集編
①ステップアップノート30古典文法基礎ドリル

これから古文の勉強を始める高校1年生の人におすすめな参考書が『ステップアップノート30古典文法基礎ドリル』です。
古文の基礎力をつけるに最適な1冊です。
「古典文法を短期的に覚えてしまう」ことをコンセプトとしているので、この参考書を終わらせるだけである程度は古文が読めるようになります。
1つ1つの文法を詳しく解説するというよりは問題演習を通じて慣れていく形式となっています。
また、この参考書は予備校講師6人で作成されており、添削の際に気づいた受験生が陥りがちなミスを解説してくれいるのもメリットの1つです。
②古文入試精選問題集

この参考書は、基礎的な知識のインプットが終わった受験生がアウトプット用に使うことが多いです。
収録されている問題はMARCHや早慶、難関国公立が中心であるため、取り組むにはセンター試験8割程度の実力は必要です。
解説もかなり豊富なので、間違った部分をしっかり復習することで本番でも得点できる解答力をつけることができるでしょう。
ただ、基礎的な知識を身につけていないと途中で挫折してしまうことになるので自分の知識を見極めた上で導入しましょう。
<漢文>
漢文は暗記事項もそれほど多くなく、入試の問題量もそれほど多くないことが多いため、軽視している受験生が多いです。しかしそれゆえに対策不足で、漢文のせいであと一歩、第一志望校に届かなかったという人も毎年数多く存在します。
後悔のない受験をするためにも、隙のない学習を進めていきましょう。
しかし、漢文に時間をかけすぎるのもまた受験においては不利になってしまうので、まずそのために正しい参考書選びをして万全の対策をしましょう。
国語が苦手な高校生必見!漢文のおすすめの参考書
漢文は暗記量は比較的少ないとはいえ、句形を覚えなければ太刀打ちできない問題が数多く存在します。
まずは短期集中で、句形を覚えていき、素早く演習に移行していきましょう。
単語帳編
①漢文句形ドリルと演習 ステップアップノート

漢文が苦手な人や、易しい問題から句形に慣れていきたい人のための問題集です。
各句形ごとに項目が分かれており、覚えた句形を次のページの問題ですぐにアウトプットすることで、身につきやすい構造になっています。
これを2周もすれば基礎的な漢文の知識は磐石と言っていいでしょう。
②漢文早覚え速答法 パワーアップ版

ステップアップノートに合わないという人はこれがおすすめです!
この参考書も各句形が項目ごとに、詳しく解説されていてこれ一冊で漢文の基礎知識をつけきることができます。
また辞書敵意に使うこともできるので、問題演習でわからないことがあってもこの参考書に戻ればすぐに疑問を解消することができます。
また理系の受験生でセンター試験の問題練習をしたい人にもこの問題集はピッタリです。本番前に目を通し、漏れがないか確認するのが良いでしょう。
演習編
漢文は国語の他の教科と比べて、なかなか問題尾を解く機会が学校でない分、いざ過去問をやるときに解き方がわからない人や、どこから手をつければいいかわからない人が数多く存在します。そのように、漢文の路頭に迷わないための道標となる演習用参考書を以下で紹介します。
①マーク式基礎問題集 漢文

この問題集は、センターでしか漢文を使わない人や、マーク式の演習をしたい人におすすめです。難易度的にはそこまで難しくないので、演習を重ねたい人にとても役に立ちます。
また、この問題集はマーク模試の過去問から精選されており、悪問が少ないため納得しやすく、自分の知識にできる構造になっています。マーク式の演習を始めたい人はまずこの問題集から始めてみましょう。
②決定版 センター試験
国語【漢文】の点数が面白いほどとれる本

上記の問題集が少し簡単だった人はこの問題集に飛んでみましょう。
この問題集は上記問題集より比較的、問題レベルが高くなっているものの、漢文の句形や書き下し文などの解説も丁寧に載っているので、センター試験対策の勉強はこの問題集から始めても大丈夫です。
本番前に触れ、腕試しに解いてみるのにも有効な1冊となっています。
③得点奪取漢文―記述対策

過去問で記述問題に入る前にまず取り掛かりたいのがこの参考書です。
文章自体は難しくありませんが、記述の形式に慣れるには最適な参考書になっています。
記述で一番難しい採点基準も詳しく載っているので過去問を実施するときに、何に気をつけて解答すればいいかわかるようになります。
記述問題に免疫がない人や、過去問をやってみてどうも書き方がわからないという人におすすめの1冊です。