「英語の文法を教えるのに、なぜリンゴ、バナナ、オレンジなのか?」——。一見、奇異に感じるその名前の裏には、30年以上の英語指導経験から編み出された緻密な教育メソッドが隠されています。
文の構造を色で可視化し、段階的な学習で着実に英語力を伸ばしていく「バナナ英語」。
その独自の教授法と可能性について、開発者のスコット氏(以下敬称略)に話を聞きました。
バナナ英語とは?
ー英語教育の新しい取り組みとして「バナナ英語」を考案されたそうですが、その特徴を教えていただけますか?
スコット:バナナ英語は、英会話の予備校のような位置づけで、通常の英会話教室で習う英語とは異なるアプローチを取っています。
私たちの方法は、本当の英語ができるための基礎を築くことに重点を置いている点が最大の特徴です。
独自の教授法:古武術からヒントを得た段階的学習
ー教授法を考案する際に、どのようなことからヒントを得たのでしょうか?
スコット:バナナ英語の考え方は、実は日本の古武術から着想を得ています。例えば合気道は、理論的にはとても強い武術のはずですが、実際の格闘では弱いことがあります。これは、基礎となる体づくりの過程を省略して、いきなり高度な技を習得しようとするからです。
古武術では「基本の型」と「真の型」があり、「真の型」は基礎的な体づくりを重ねた上で習得する本質的な技です。これと同じように、バナナ英語では基礎的な文法構造から段階的に学んでいきます。
文法の仕組みを可視化する工夫
ー具体的な指導方法について例を挙げて教えていただけますか?
スコット:例えば、三単現のsについて考えてみましょう。通常の英語教育では、「主語が三人称単数の場合は動詞にsをつける」と教えます。しかし、これだけでは学習者は混乱してしまいます。
バナナ英語では、”He does eat”のような形を基本に教えます。”does”の”s”が”eat”の中に入り込み、”eats”になるという説明の仕方をします。これにより、疑問文を作る際になぜ”Does he eat?”となるのかも自然に理解できるようになるのです。
教材の特徴と実践方法
ー実際の教材はどのような形式なのでしょうか?
スコット:120個ほどのプレゼンテーション形式の教材を用意しています。各レッスンには先生のセリフと生徒のセリフが全て組み込まれており、プレゼンテーションの使い方さえ分かれば、どの先生でも効果的に教えることが可能です。
教材では、文の要素を色分けして視覚的に理解できるよう工夫しています。例えば、動詞は黄緑、助動詞は黄色、主語は赤、目的語はオレンジと、文の構造が一目で分かるようになっています。
今後の展開と可能性
ー今後、バナナ英語をどのように展開していきたいとお考えですか?
スコット:現在、私立小学校や英会話教室、学童保育などで採用されていますが、より多くの教育機関での活用を目指しています。特に小学校での英語教育導入に伴い、学校現場では新しい教授法を必要としています。
バナナ英語を小学生の段階で導入することで、英語の基本的な仕組みを理解させ、中学校でのより高度な学習にスムーズに移行できると考えています。
また、企業での英語研修や、英会話が苦手な社会人の方々への支援としても活用できると考えています。
バナナ英語を検討されている方へ
ー最後に、バナナ英語の利用を検討されている方へメッセージをお願いします。
スコット:小学校での英語教育必修化に伴い、多くの教育機関が新しい教授法を模索されていると思います。バナナ英語は、英語の基本的な仕組みを理解することから始め、段階的に本質的な英語力を身につけていく方法です。
特に、従来の英語教育についていけなかった方や、英語に苦手意識をお持ちの方にこそ、ぜひ体験していただきたいと思います。
バナナ英語のメソッドを通じて英語の構造を理解することで、通常の英会話学習にもスムーズに移行できるようになります。まずは、お気軽にお問い合わせいただければと思います。