英語学習書籍を多数執筆している石井辰哉氏が自ら運営し、レッスンを行う教室では、1対1のプライベートレッスンに特化した英語教育が提供されています。今回は、その独自のアプローチについて詳しくお話を伺いました。
単なる点数アップではなく、実践で使える英語力を身につける独自のアプローチとは?オンライン学習の可能性も含め、英語学習の未来を探ります。
略歴
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石井辰哉
半年間の語学留学でTOEIC 500点強から900点まで伸ばした経験を活かし、TOEIC・TOEFL・英検専門校TIPS English Qualificationsを設立。
30年にわたるティーチングキャリアのほとんどを1対1のプライベートレッスンに費やし、独自のレッスンと教材で、驚異的なスピードで受講生のスコアをアップさせている。
計2年近いイギリス語学留学中、現地の生活や英語に触れたことから、単なる知識の習得ではなく「使える」英語の習得を信条としている。日本各地から新幹線やマンスリーマンションを利用して通学するなど、熱心な受講生が多い。近年はオンラインレッスンに力を入れ、独自の方式で効果的な授業を提供している。
著書は『TOEICRL&R TEST 文法完全攻略』(明日香出版)、『イラストだから覚えられる 会話で必ず使う英単語1100』(クロスメディア・ランゲージ)など40冊近くに達し、うち数冊は翻訳され韓国、台湾、香港、マカオなど海外でも出版されている。
URL https://x.gd/ldk0M
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目標達成に向けた個別指導の特徴
ー御社の概要について教えていただけますか?
石井:TIPS English Qualificationsという名前で、1対1のプライベートレッスンに特化した学校を運営しています。
受講生の多くは、単に「英語が上手くなりたい」というような漠然とした希望ではなく、明確な目標を持っている方々です。しかも、その目標が達成できないと困るような切実な状況にある方が多いですね。
例えば、社会人の方であれば昇進試験に必要だったり、海外出張の基準として一定のスコアが求められたりします。学生さんの場合は、大学や高校の卒業要件、就職活動の際の武器にしたいという方もいます。
また、他の英語学校で思うように伸びなかった方が「最後の駆け込み寺」的に来られることも多いんです。
ー幅広い年齢層の方が受講されているんですね。
石井:そうですね。小学生から年配の社会人まで、本当に幅広い年齢層の方々が来られます。ただ、共通しているのは、それぞれに何らかの具体的な目標があるということです。
独自の教育手法が生まれた背景
ーこのようなユニークなサービスを始められたきっかけや経緯について教えていただけますか?
石井:きっかけは私自身の留学経験にさかのぼります。大学時代にイギリスに語学留学をし、その後英会話学校に2年ほど勤めました。元々教えることが好きだったんです。
ただ、英会話学校には英会話学校なりのやり方があって、自分のやりたいこととは少し違うと感じていました。
留学中に、TOEIC®のスコアが500点強から900点に上がった経験も大きかったですね。短期間で急激に英語力を伸ばすために、いろいろな勉強法を試しました。
その経験を活かして、伸び悩んでいる人を助けたいと思ったんです。そこで英会話学校を辞めて独立し、今の仕事を始めました。もう30年ほど前のことになりますね。
他社との差別化ポイント
ー他の英語教育サービスと比べて、特に御社のアピールポイントはどこにありますか?
石井:まず、1対1という形態を活かして、受講生一人ひとりに合わせたカリキュラムを作成しています。さらに特徴的なのは、必要に応じて教材も個別に作っているんです。私は英語学習書籍を40冊近く出版していますが、それらを見て申し込まれる方が多いんです。
つまり、「学校」というよりも「私に習いたい」という形で来られる方がほとんどなんです。そういった方々の弱点や伸ばしたい部分を見極めて、それに合わせて教材を作ったり、これまでに出版した本の一部を使って新たな教材を作り直したりしています。
もう一つ重要なのは、単に点数を上げるだけでなく、実際に使える英語力を身につけてもらうことです。例えば、TOEIC®では実際には英作文は出題されませんが、私たちは英作文の指導も行います。なぜなら、テクニックだけで点数を上げても、実際の英語力が伴っていないと困ることがあるからです。
特に高得点を取得した場合、その点数に見合う能力を求められることがあります。ですので、私たちは点数に見合う実力を身につけてもらうことに重点を置いています。これは、600点から900点近くまで伸びた時に特に重要になってきます。
生徒一人ひとりに合わせた指導方針
ー生徒さんを指導する際に、特に意識されていることや大切にされている方針はありますか?
石井:まず、私たちの生徒さんは非常にモチベーションが高い方が多いです。「来たくないけど来ている」という人はほとんどいないので、授業を面白くする工夫よりも、効果的な指導に集中できるのは幸運だと思っています。
その代わり、生徒さん一人ひとりの弱点を見抜くことに注力しています。基本的なカリキュラムはありますが、授業を進めていく中で「ここが足りていない」ということが明らかになります。それを把握した上で、カリキュラムを調整したり、使う教材を変えたりします。
多くの場合、私が自分で教材を作成しているので、生徒さんの状況に応じて新しい教材を作り、プリントにしてメールで送ることもあります。
また、興味深いのは、多くの生徒さんが自分の弱点を正確に把握していないことです。でも、それは問題ありません。講師側が把握して対応すればいいのです。
授業を進めていく中で、生徒さん自身が「ここが分かっていなかった」ということに気づくことも多いんです。ですので、生徒さんの足りていないところを見抜くことが最も重要だと考えています。
柔軟性のあるコース設計
ー提供されているコースについて教えていただけますか?年齢層によって違いはありますか?
石井:基本的には90分のコースと50分のコースを用意しています。ほとんどの方に90分のコースを選んでいただいていますが、小学生や中学生の場合は90分持たないこともあるので、50分のコースを選択することもあります。
社会人の方や大学生以上の学生さんは、ほとんどが90分のコースを選んでいます。ただ、コースの内容については非常に柔軟に対応しています。
例えば、TOEIC®対策で始めたけれど、途中で大学院入試の対策に切り替えたいという要望があれば、すぐに対応します。高校生なら中間・期末テスト対策と英検®対策を組み合わせたりと、生徒さんのニーズに合わせて柔軟に内容を変更しています。
期間については、12回を1クールとしています。最初に12回分をお支払いいただき、10回目くらいで更新するかどうかをお伺いする形になっています。ほとんどすべての生徒さんが継続して更新してくださるので、ご満足いただいているのではと感じています。
オンライン学習の可能性と今後の展望
ー今後、強化していきたい点や新たに取り組みたいことはありますか?
石井:コロナ禍の影響で、オンライン授業に大きくシフトしました。当初は対面授業の代替として始めましたが、実際にやってみると、オンラインの方が効率が良いと感じることが多いんです。
オンライン用のさまざまなアプリやツールを活用すれば、対面よりも効率的に授業を進められることがあります。
例えば、ホワイトボードの使い方一つとっても、オンラインならば書いた内容を保存しておけるので、次の授業で同じ内容を説明する際に時間を節約できます。また、事前に資料を用意しておけば、スムーズに画面共有ができるなど、メリットは多いです。
ただ、まだ「対面でなければダメ」と考える方も多いのが現状です。私個人の力では限界がありますが、オンラインでも非常に効率的に学習できるということを、もっと多くの方に理解していただければと思います。
ー最後に、この記事を読んでくださった方々へメッセージをお願いします。
石井:まず、英語学習に本気で取り組もうと思っていただける方なら、どなたでも歓迎します。英語の習熟度は関係ありません。
私が上級者向けの本も出版しているせいか、「初心者なんですが大丈夫でしょうか」と尻込みされる方もいますが、全く問題ありません。
また、オンライン授業のおかげで、距離の制約がなくなりました。以前はマンスリーマンションを借りる、あるいは、新幹線や夜行バスを使うなどして関東や九州といった遠方から通ってくださる方もいましたが、今は日本全国、さらには海外からも無理なく受講していただいています。
できれば、私の著書を1冊読んでいただき、その内容に共感していただければ嬉しいです。私が書いた本を使って授業をしますので、自分が良いと思った本を書いた人間から直接指導を受けられるのは、非常に効率が良いと思います。
ぜひ気軽にお問い合わせください。あなたの英語学習の目標達成に向けて、全力でサポートさせていただきます。