「接遇日本一」を掲げ、介護の質を変える ー デイサービスセンターうららか代表、住所氏が語る理念と展望

「介護は人と人との関わり。だからこそ、丁寧な接遇が必要です」。兵庫県を拠点に介護サービスを展開するデイサービスセンターうららかは、独自の「接遇11ヶ条」を開発し、利用者一人ひとりの尊厳を大切にしたケアを実践しています。創業から15年、その取り組みは地域で高い評価を受け、今では全国の介護施設への研修事業として展開。介護業界全体の質の向上を目指す同社の取り組みについて、代表の住所さんにお話を伺いました。

デイサービスセンター うららかの事業概要

ーまずは御社のデイサービスセンターについて、対象とする方々やサービス概要を教えていただけますでしょうか。

住所さん:私たちデイサービスセンター うららかは、介護保険を利用されている要支援者、要介護者の方を対象とした高齢者通所介護事業や就労継続支援B型事業所、訪問看護事業を主に運営しています。

2010年4月に兵庫県加古川にデイサービスセンター加古川本店を開設し、事業をスタートさせました。現在では、デイサービスに加えて、障害者就労継続支援B型事業所「ひかり」、訪問看護ステーションなど、様々な介護・福祉サービスを展開しています。 

創業の経緯と理念

ー創業に至った経緯や動機についてお聞かせください。

住所さん:私は30歳の時にデイサービスセンター うららかを創業しましたが、その5年前、専門学校卒業後に特別養護老人ホームで働いた経験が大きなきっかけとなっています。

そこで目にしたのは、利用者に対する高圧的な態度や、流れ作業のような職員の冷たい対応でした。人として大切にされているとは思えない状況に強い憤りを感じました。

施設内で改善を訴えましたが、理想論として片付けられてしまい、本当の意味での改革は難しいと感じました。そこで「接遇日本一」を掲げて自分で会社を立ち上げることを決意したのです。

当初はデイサービスとして開設しましたが、利用者やそのご家族のニーズに耳を傾けるなかで、より包括的なケアの必要性を感じました。特に、老老介護や障害のあるご家族の介護を担いながらデイサービスを利用される方々のケースを目の当たりにし、利用者本人だけでなく、周辺家族も含めたトータルケアの重要性を実感。それが現在の多角的な事業展開につながっています。

「接遇11ヶ条」による差別化

ーデイサービスセンターとしての特徴や強みについてお聞かせください。

住所さん:当初はリハビリ特化型など様々なサービスの特徴を打ち出そうとしていましたが、利用者の方々との関わりを通じて、本当に求められているのは「丁寧な対応」「安心して通える施設」だということに気づきました。そこで私は「接遇11ヶ条」という独自の介護の型を開発し、これを全施設に導入しています。

この接遇11ヶ条は、「一期一会」の精神を基本としています。今日が最後の出会いになるかもしれないという意識を持ちながら、かつ利用者の主体性を最大限に尊重した関わり方を11の型として体系化しました。重要なのは、ただ介助するのではなく、利用者自身の意思で行動していることを実感していただけるような声かけや接し方です。すべてを察して差し上げるのではなく、自己決定の機会を大切にした関わりを重視しています。

また、15年の運営を通じて地域からの信頼も厚く、「あそこが一番丁寧」との評価をいただいています。他のデイサービスでは対応が難しかったケースでも、私たちの接遇の考え方で良好な関係を築けることが多いのも特徴です。

接遇11ヶ条:https://setsugu11.jp/

利用者からの評価と全国展開

ー実際に接遇11ヶ条を実践されて、利用者様からの反応はいかがでしょうか。

住所さん:利用者やご家族から多くの感謝の声をいただいています。特に印象に残っているのは、「皆様が本当に丁寧で誠実だった」「この会社が長く続くことを願っています」といったお手紙です。

また、お客様が亡くなられた後にご家族から「最期までこちらで良かった」という言葉をいただくことも多く、それが私たちの大きな励みとなっています。

このような実績を基に、2024年から接遇11ヶ条の全国展開を開始しました。介護業界全体のケアの質を向上させたいという思いから、研修事業として各地の介護施設への普及を進めています。すでに東京都老人福祉協議会の施設など、多くの事業所から関心をいただき、来春からは本格的な研修プログラムを開始する予定です。

今後のビジョン

ー今後の展開についてお聞かせください。

住所さん:今後の展開として2つの方向性を考えています。1つは、コロナ禍での経験を踏まえた新しい住まいの形の提供です。パンデミック時、多くの方が病院や施設で家族との面会もままならないまま最期を迎えることを余儀なくされました。私自身もバイク事故での入院経験から、施設での生活の制約や孤独を痛感しました。 

そこで、古民家を活用した小規模な老人ホームの展開を計画しています。私たちの接遇の考え方を活かしながら、最期まで尊厳を持って過ごせる場所を提供していきたいと考えています。

もう1つは、経営難に直面している介護施設のM&Aです。素晴らしい理念を持ちながらも経営面で困難を抱える施設に対して、私たちのノウハウを活かした事業再生を行い、質の高い介護サービスの提供を継続できる体制を作っていきたいと考えています。すでに両方のプロジェクトに着手しており、具体的な成果を出せるよう取り組んでいます。

メッセージ

ー最後に、介護サービスを検討されている方々へメッセージをお願いします。

住所さん:介護サービスをお探しの方々には、ぜひ丁寧に施設を選んでいただきたいと思います。現在はインターネットなど様々な方法で施設の評価を確認できますので、ご自身やご家族が本当に安心して過ごせる場所をじっくりと吟味していただければと思います。

特に兵庫県近隣の方は、私たちのサービスを一度体験していただき、利用者様、ご家族様、そして働く職員も含めて、皆が心地よく過ごせる環境づくりを実感していただければ幸いです。

また、研修事業については、外国人介護人材の増加に伴い、日本の介護の質をいかに担保していくかが重要な課題となっています。労働人口不足は避けられない現実ですが、だからこそ接遇研修を通じて業界全体の標準的なケアの質を高めていきたいと考えています。全国どこへでも伺いますので、ご興味のある施設様はぜひご連絡ください。無料体験など様々な機会を用意していますので、まずは気軽にお問い合わせいただければと思います。

デイサービスセンターうららかhttps://uraraka-fukushi.com
就労継続支援ひかりhttps://shuro.uraraka-fukushi.com/location
訪問看護ステーションうららかhttps://nurse.uraraka-fukushi.com/