「ここに来れば、自分らしくいられる」—障がい者の居場所と就労を支えるワークショップ ジョイント

ワークショップ ジョイント

ワークショップ ジョイントは、18歳以上の障がいを持つ方や難病を抱える方を対象に、就労支援や社会参加のサポートを行う事業所です。一般就労を目指すだけでなく、福祉就労や在宅支援を通じて、一人ひとりの状況に寄り添ったサポートを提供しています。特に引きこもり支援では、独自のツールを活用し、オンラインでのコミュニケーションを促進。少しずつ社会との繋がりを取り戻せる環境を整えています。

また、事業所では「スタッフと利用者が対等な関係であること」を重視し、コミュニケーションを大切にすることで、安心して過ごせる空間を提供。事業所の立ち上げには、代表の「障がい者が働ける場を作りたい」という想いが込められています。ワークショップ ジョイントの取り組みやこれからについて、作業療法士、公認心理師の窪田さんにお話を伺いました。

事業所の概要

ーまず初めに、ワークショップ ジョイントの事業内容についてお聞かせください。

作業療法士、公認心理師 窪田さん(以下敬称略):ワークショップ ジョイントは「就労継続支援B型」という制度の枠組みの中で、障がいを持つ方の就労支援をやっています。18歳以上なら年齢の上限はなくて、実際に70歳くらいの方も利用されています。

就労支援といっても、みんなが一律に一般就労を目指すわけじゃないんです。例えば、高齢の方に「これから訓練して就職を目指しましょう」と言っても、それはなかなか難しいですよね。なので、うちでは「ここに来て作業をしてもらうことで工賃をお支払いする」という福祉就労の場としても機能しています。家にこもりがちな方が、外に出て人と関わる機会を持てる、そういう場としても活用してもらっています。

引きこもり支援の取り組み

ー引きこもりの方への支援について詳しく教えてください。

窪田さん:引きこもりの方って、どうしても社会との接点がなくなってしまいがちなんです。そこで、ワークショップ ジョイントでは在宅支援にも力を入れています。独自のツールを使って、パソコンやスマホで日々の様子を報告してもらったり、相談したりできる仕組みを整えています。

最初からいきなり毎日通所するのは難しいけど、週に1回でも外に出られるようになると、それがきっかけで少しずつ変わっていくんですよね。「最初は無理だと思っていたけど、週に1回なら通えるようになった」という方も多いです。小さな一歩を積み重ねていくことで、社会との繋がりを取り戻していけるようにサポートしています。

事業立ち上げの経緯

ーこの事業を始めたきっかけについて教えてください。

窪田さん:代表自身が「障がい者支援をやりたい」という強い思いを持っていたんです。もともとは飲食業界の出身なんですが、代表の姉が精神疾患を抱えていたこともあって、「障がいを持つ方が働ける場を作りたい」という気持ちがずっとあったみたいです。

とはいえ、最初はノウハウも何もない状態で始めたので、1年間は利用者ゼロ。そこから試行錯誤して、専門家のアドバイスをもらいながら広報活動をして、徐々に利用者さんが増えていきました。今ではなんとか安定して運営できていますけど、最初の頃は本当に大変でしたね。

事業所の特徴とアピールポイント

ー他の事業所にはない特徴や、強みについて教えてください。

窪田さん:ワークショップ ジョイントは「コミュニケーションを大事にする」というのが特徴ですね。他の事業所では作業中の私語を禁止しているところも多いですが、うちではむしろ「話すことも訓練の一環」と考えています。

例えば、一般就労したときに「人と話せません」ってなると、なかなか仕事が続かないですよね。だから、うちでは「作業をしながら自然に会話をする」ことを大切にしています。ただし、大声で騒ぐのはNGですが、普通の会話なら問題なし。みんながリラックスして働ける環境を作っています。

支援において大切にしていること

ー支援する際に特に意識していることは何ですか?

窪田さん:ワークショップ ジョイントでは「スタッフが上で利用者が下」という関係にならないようにしています。どうしても福祉の現場って、「支援する側」と「される側」という構図になりがちですが、うちは対等な関係を意識しています。

利用者さんもスタッフも同じ目線で、一緒に事業所を作り上げていく。だから、利用者さんも「これをやりたい」「こういう風にしたい」って意見をどんどん言ってくれるんですよね。そういう環境を作るのが大事だと思っています。

提供している支援内容

ー提供している支援の種類について教えてください。

窪田さん:ワークショップ ジョイントの支援は大きく分けて3つです。

  1. 就労支援:一般就労を目指す方へのサポート。
  2. 在宅支援:引きこもりの方の社会参加をサポート。
  3. 居場所提供:高齢の方や、一般就労を目指さない方のための場。

今後の展望

ー今後、事業として強化していきたい点はありますか?

窪田さん:支援の質には自信を持っていますが、今後は「より多くの人に届ける」というのが課題です。現状は1拠点だけですが、もっと広げていきたいですね。

利用を考えている方へ

ー最後に、利用を検討している方にメッセージをお願いします。

窪田さん:見学だけでもいいので、ぜひ一度来てみてください。どんな雰囲気なのか、実際に体験してもらうのが一番わかりやすいと思います。

「うちを選んでよかった」と思ってもらえるような支援を提供する自信があります。迷っている方も、気軽にお問い合わせくださいね!