武庫川ECO-LABOは、釣りを楽しむ人々と地域をつなぎ、子どもたちに持続可能な食育を提供するNPO法人です。尼崎の海の恵みを大切にし、レジャーとして釣りを楽しむ方々から釣れた魚の余剰分を提供いただき、子ども食堂へ届けることで地域貢献を実現しています。さらに、魚のアラや内臓をペットフードや肥料へと活用し、遊漁における資源の有効活用を進め、環境に優しい循環型の仕組みを確立しています。
活動の概要について教えてください。
私たちは、主に子ども食堂に食材を提供する活動を行っています。尼崎の釣り場を訪れる釣り愛好家の皆様に協力を依頼し、釣りを楽しむ中で釣れた魚の余剰分を提供していただく形で運営しています。
また、魚を捌いた際に出るアラや内臓を無駄にせず活用することにも力を入れています。例えば、猫のペットフードを作成したり、骨や内臓を肥料へと加工することで、資源を無駄にしない循環型の取り組みを行っています。さらに、この活動を食育として活用し、子どもたちに尼崎の海や魚について学んでもらう場を提供することにも取り組んでいます。
この活動の最大のポイントは、地域全体を巻き込んでいることです。釣り人の方々にとっては、レジャーとして楽しんでいた釣りが、地域貢献につながるという新しい価値を生み出しています。一方で、子どもたちは、普段はなかなか触れることのない「魚をさばく」という体験を通じて、食の大切さを学ぶ機会を得ることができます。
この活動を立ち上げた背景や、携わるようになったきっかけについて教えてください。
もともと、尼崎の海は「工業地帯の汚い海」というイメージが強く、地元の人たちもあまり関心を持っていませんでした。しかし、行政や民間の環境団体の努力によって、この10年で海の環境は大きく改善しました。この変化を地元の人々に知ってもらいたいという思いから活動を始めました。
武庫川ECO-LABOの活動の特徴や強みについて教えてください。
当団体の最大の強みは、活動の場が「海のそばにある」という点です。年間約10万人の釣り人が尼崎の釣り場を訪れるため、協力者を確保しやすく、安定して新鮮な魚を確保できることが特徴です。
また、持続可能な循環型の活動を行っていることも大きな強みです。遊漁者の皆様から提供された魚を食材として活用するだけでなく、その過程で出たアラや内臓をペットフードや肥料へと加工することで、レジャーの一環としての釣りを地域貢献につなげる仕組みを構築しています。この仕組みによって、地域社会全体に貢献できるサステナブルな活動を実現しています。
さらに、子どもたちに実際の魚の処理や調理を体験させることで、「食べ物の大切さ」を直接感じてもらうことを大切にしています。魚を捌き、自分で料理して食べるという経験は、単なる食育以上に、命をいただくことへの感謝の気持ちを育む貴重な機会となります。
活動・指導方針について教えてください。
私たちは、ボランティア参加を強制するのではなく、「楽しく参加できる地域貢献」を大切にしています。特に、釣りを楽しむ人々が自然と活動に協力できる仕組みを作ることを重視しています。
また、食材の提供だけでなく、子どもたちの学習機会の提供にも力を入れています。魚を捌く体験や、食の循環を学ぶワークショップを定期的に開催し、単なる支援活動ではなく、子どもたちが自分で食の大切さを理解できるようなプログラムを実施しています。
さらに、地域住民や他のNPO法人とも積極的に連携し、尼崎の海を守るための清掃活動や環境保護活動にも参加しています。釣り人や地域の人々と協力しながら、よりよい環境を次世代に残すことを目指しています。
今後の展望について教えてください。今後強化していきたいこと、新しく取り組みたいことはありますか？
現在、私たちが作った肥料を、県内の里山作りを行う団体へ提供し、そこで育てた野菜を再び子ども食堂へ還元する取り組みを進めています。
また、食育活動をより広げるための取り組みにも力を入れています。昨年は約500人の子どもたちが参加しましたが、今後はさらに多くの子どもたちに学びの機会を提供できるよう、活動の拡大を目指しています。
さらに、企業や他のNPO団体との連携を強化し、より多くの支援を受けられる体制を整えたいと考えています。食育プログラムをさらに充実させ、地域に根ざした学びの場を作り上げることが今後の目標です。
この記事を読んで、活動に参加したいと思う方や興味を持った方にメッセージをお願いします。
私たちの活動は、「気軽に楽しく参加できる地域貢献」を目指しています。
また、「地域貢献に興味はあるけれど、何をしたらいいかわからない」という方も大歓迎です。堅苦しく考えず、楽しく協力できる環境を整えていきたいと思っています。
ぜひ、一緒に尼崎の海の恵みを活かした活動を広げていきましょう！
