NPO法人武道アカデミーが運営する日本空手道無門会は、単なるスポーツとしての空手ではなく、人生を築くための『空手道』を主催する教室。
3歳児から高齢者まで幅広い年齢層を対象に、空手を通じて自己成長と社会貢献を目指す独自の理念に基づいた同教室の活動について、法人会長の古川恭司さんにお話を伺いました。
10代で空手の道を決意

ー どういった方を対象にどのような指導をされていますか?
古川さん:3歳児から大人の方までを対象に空手という媒体を利用した武道教室になります。
ー ご自身がこの教室を始められたきっかけや背景についてお聞かせください。
古川さん:私が空手を始めたのは高校の時です。
10代で空手で生きていくということを決め、自分の目標が達成できるように歩んできたつもりです。
当初空手を始めた時は、日本一になるとか、自分の道場を持つとか、全国で一番高い質の道場を自分で作るとか、法人化するとか、いろんな目標を立てていました。
それを全て現実化させて、今に至っています。
楽しみながら成長する空手道教室

ー この教室の特徴や一番のアピールポイントについてお聞かせください。
古川さん:活動は主に子供さんが中心になっていて、園児のクラスと小学生以上のクラスとあります。
園児のクラスにおいてのコンセプトは『楽しみながら体を動かし運動能力を高めていく』です。
その中で自分が人間として成長する上において必要なこと、物事の受け止め方などを、体を動かしながら自分で体感して得ていくということを意識して指導しています。
友達同士のトラブルであったり、自分の主義主張が通らないという場面に遭遇した時に、自分が実際それをどう受け止めてどう行動していけば自分の未来に繋がっていくのかを学びながら得てほしいと思っています。
一人ひとりと向き合う指導

ー 生徒さんに指導される際に大切にしていることや意識しているることは何かありますか?
古川さん:教える側は1人にして、子どもたちは何十人かいます。
しかし、あくまでも関係は1対多数ではなくて、1対1です。
1人1人と向き合って、子どもたちをきちんと見て対峙しながら、その子が何を考えているのか、どういうことを求めているのか、それに的確に自分達が応じられるように対応しています。
そして何よりも、子どもたち自身が自ら考え行動する自立というものを主に置いています。
答えを周りに求めるのではなく、相手が求める答えに合わせるのでもなく、自らが導き出す答えを実践する。
そこから学び得ていくものが創造の教育であると思います。
道場のコンセプトにある『未来を創造する武道空手道』です。
指導者は息子の祐大師範代が主に行っていますが、私達がきちんとその理念に沿い対応できるような形でやっているつもりです。
ー 提供されていらっしゃるコースについて教えていただけますか?
古川さん:園児のコース、小学生のコース、あとは上級コースといって小学生高学年から高校生・大学生までのコース、大人のコース、あとパーソナルプラスというコースを用意しています。
子どもたちの未来と国づくりへの貢献
ー 今後強化していきたいとお考えのことであったり、将来のビジョンについてお伺いできますか?
古川さん:まずは子どもたちがこの日本という国でどうやって生きていくのか、これは我々の武道教室だけの課題じゃなく、この国としての課題だと思うんです。
子ども達がどのような自分の人生を築いていくのか!同時に日本がどのような未来に進むのか!というところに繋がると思います。
まずは子どもたちにとって必要なこと、生きていく自分の道というものをきちんと身につけてほしいです。
その媒体として、私達は武道・空手道というものを提供してますから、空手道で何を身につけていくのか、空手道を自分の道としてどのような人生を築いていくのか、空手が空手で終わるだけでは意味がないと思うんです。
空手は空手道と言いますから、空手をやることによって、自分の道を創っていく、自分の人生を創っていく。
そして、自分の築いた人生が、社会に役に立ち、国に役に立ち、そして周りにも広がっていき、またより良い国を創っていく。
私達は日本の武道に携わっているものとして、子どもたちをしっかり育て、立派な国として後世に残していきたいという気持ちでやっています。
そして、高齢者が増えているので、やはり健康でなければいけない。
医療に頼らないでいいような自分の体、自己免疫力を高められるような自分の体を身につけて、健康な生活が出来るような自分自身をつくっていく、そういうカリキュラムを提供していきたいと思っています。
言葉の力を大切に

ー 生徒さんに、こういったことはしないとか、こういった言葉は使わないなど、特別に指導していることはありますか?
古川さん:そもそも日本語というのがどういう意味を為しているのか!という日本語の大切さですね。
世界で唯一の言語であるヤマト言葉、日本語というものの意味、そして日本語というのは「言霊(ことだま)」と言われています。
自分が発する言葉で、結局自分自身を作っていく、社会を作っていくということ。
自らが発する言葉によって、いろんな影響を及ぼすということを、子どもたち自身がきちんと理解できるように指導しています。
人に対しての汚い言葉や人が嫌に思う言葉を使った場合、それは自分に返ってきて、結局自分の人生にそれが大きく影響するんだということを子どもたち自身がきちんと実感してほしい。
自分の発する言葉を大切に、日本語というものそして日本というものをきちんと自分の中に置き人生を歩んでほしいと思っています。
言葉はすごく大切です。
人生を築くための空手道
ー この記事を通じて入会を考えていらっしゃる生徒さんや保護者の方にメッセージをお願いできますでしょうか?
古川さん:私たちはスポーツという観点の空手道ではなく、自分の人生を築くための空手道であってほしいと思っています。
この日本という国で考えた場合、子どもたちが健やかに成長していくことがやっぱり大本となっていきます。
一人の人間、一人の日本人として、自分の人生をきちんと創っていく。
その為にやはり必要なことは、自分の生きる道を、しっかり実践の中から培っていくことです。
それが、私たちの提供する空手道であると思っています。