海外の子どもたちに「楽しいそろばん」を届ける——Bingo! Soroban Schoolが目指す自立と集中の学び

ドイツ・フランクフルトとデュッセルドルフを拠点に、オンラインで世界中にそろばん教育を届けるBingo! Soroban School。

従来の“スパルタ”なイメージを覆し、子どもたちが自ら考え楽しみながら学ぶ指導法と、海外ならではの多様なニーズへの柔軟な対応。設立の背景から指導理念、印象的なエピソード、そして今後の展望まで、代表の想いに迫ります。

教室の概要と対象地域

ドイツのデュッセルドルフとフランクフルトに教室を持っていて、そこに実際に通ってくる生徒さんたちに、そろばんのレッスンをしています。週に2回通う子もいれば、週1コマの子もいます。

コロナをきっかけに、すぐにオンラインに切り替えて、そこから他のヨーロッパ地域からも「そろばんを習いたい」という声が増えたんです。

今ではオンラインでイギリス、スウェーデン、スイス、南アフリカ、シンガポール、日本など、さまざまな国の子どもたちとつながっています。

メインは現地に住んでいる日本人のお子さんで、日本人学校や現地校に通っている子たちですね。

デュッセルドルフではドイツ語のクラスも月1回やっていて、そちらにはドイツ人の子どもたちが20人くらい参加しています。大人のドイツ人の方もいらっしゃいます。

教室を始めたきっかけ

元々はASOBO!という名前で、スキーやクライミング、森の遊びから室内での創造的な遊びなどの種々雑多な活動をやっていたんです。

そんな中で、そろばんの先生をしていた方と出会って、話を聞いたら面白そうだなと。実際にやってみたら、子どもたちが本当に楽しそうにしていて、「これはいいな」と思ってそのまま始めたのがきっかけです。

2016年から始めて、2019年から石戸式というそろばんの指導法を取り入れていて、全国に300校以上あるスクールの一つとして、私も指導者資格を取りました。日本の検定試験も、ドイツで実施できるんです。

教室の特徴と大切にしていること

とにかく「楽しい」が一番です。そろばん教室というと、昔はスパルタ式でひたすら反復練習、というイメージがあったと思うんですけど、Bingo!ではそうじゃなくて、子どもたちが自分で考えて取り組めるような指導を心がけています。

そろばんって、スピードと正確さが求められるんですけど、それをスポーツのように捉えていて。

例えば「スピードが足りないけど、どうしたらいいと思う?」って問いかけて、子どもたち自身が「こういう練習してみようかな」と考えられるようにしてます。

あと、そろばんそのものを“遊び”としてやってもらいたいんです。楽しいから続くし、続くから自然と力がついてくる。

そろばんが楽しいからつい練習しちゃう、そんな教室でありたいです。

印象的だった子どもたちの姿

やっぱり一番うれしいのは、子どもたちが笑顔で喜んでくれる瞬間です。試験に合格した時はもちろん嬉しいけど、それ以上に、教室で「楽しい!」って笑顔でやっている姿が何よりのやりがいです。

学校では発達障害的な傾向があるって言われてた子が、うちの教室では黙々とそろばんをやって、ノート1冊分、自分で問題を作って解いてきてくれたこともありました。

あと、メンタル的に挑戦を避けがちな子が、風邪をひいて熱がある中でも「僕は受けたい!」って言って試験に挑戦してくれたこともありました。

そういう子たちが「やればできる」って感覚をつかんで、自信を持ってくれるのが本当に嬉しいんです。

今後の展望とこれからの教育

これから特別な新しいことをするというよりも、今やっていることをよりしっかりやっていきたいと思っています。基本の徹底ですね。礼儀とかしつけ、姿勢とか、そろばんを通じてそういった部分も大切にしたいです。

そろばんって、ちょっと武道に似てるところがあると思っていて。「始め!」の合図で一斉に始まる、あの張り詰めた空気の中で集中する感じ。指先の小さなズレでミスになってしまう世界なので、本当に集中力が鍛えられるんです。

楽しいけど、同時に良い緊張感もある。そんな教室をこれからも続けていきたいと思ってます。

興味を持ってくれた方へメッセージ

そろばんをやったことがない人も、昔ちょっとやってたよって人も、ぜひ体験してみてほしいです。

私も40歳を過ぎてから始めたんですが、本当に面白いんです。普段とは全く違う頭の使い方をするので、すごく新鮮です。最近はドイツ人、日本人問わず大人の方も入会されるようになってきました。

そろばんって、やってるうちに計算が早くなるのはもちろんなんですが、実は集中力や自立心が育つのが大きくて、そろばん以外の色んなことに大いに力を発揮するはずと思います。

Bingo!は一斉授業じゃなくて、それぞれのペースで進めるので、自分で考えて進める力も自然とついていきます。

特におすすめなのは、年長さんくらいからのスタート。早ければ年中さんでも大丈夫です。数の概念がしっかりしていれば、小1までに掛け算まで進む子もいますし、長時間座って集中する力も身についていく。

楽しくて、つい夢中になって続けられる。そんなそろばんの世界に、ぜひ一緒に飛び込んでみませんか?