4歳からシニアの方まで、幅広い年齢層の生徒が通うアニマ音楽教室。
45年にわたる音楽指導の経験を持つ岡部祥子さんが主宰する同教室では、技術指導だけでなく、音楽を通じた人間形成も大切にしています。
オリジナルの教材や世界基準の音楽検定の導入など、独自の取り組みについてお話を伺いました。
教室概要

ー どういった方を対象にどのようなレッスンをされていますか?
岡部さん:現在、4歳からシニアの方まで年齢層は幅広く、特に「どういう方は駄目」という制限は設けていません。
主に趣味で習われる方が多いのですが、専門家を目指したい方への指導も可能です。
実は私の娘が大学のバイオリン科を経てドイツに留学し、現在はドイツのオーケストラでプレイヤーとして活躍しているので、そういった経験を活かしたアドバイスもできると考えています。
私の専門はバイオリン指導ですが、教室ではチェロクラスとピアノクラスも設けています。
教室では、合奏やアンサンブルを重視しており、他の楽器との室内楽を楽しむ機会を提供しています。
設立の経緯・きっかけ
ー この教室を始められたきっかけであったり、経緯について教えていただけますか?
岡部さん:私は大学在学中から小さなお子さんにバイオリンを教えており、指導歴は45年ほどになります。
大学卒業後は音大付属幼稚園に勤務し、多くの園児へのバイオリン指導を担当していました。
そこでの経験や自身の子育ての経験を通じて、小さなお子さんへの指導に関わる機会が多くありました。
家庭の中で音楽を身近に感じ、楽しんでいただけることを大切にしながら、長年口コミでの生徒さんを対象に指導を続けてきました。
子どもが自立した2017年に、正式に自分の教室として開設することを決意しました。
特徴やアピールポイント

ー この教室の特徴やアピールポイントについて教えて頂けますか?
岡部さん:特に小さなお子様への指導に力を入れています。
ピアノと違い、バイオリンは1本の指で音が出るというものではないため、最初の取り掛かりが難しい楽器です。
まだ文字や音符が読めない年齢のお子様向けに、教室オリジナルの歌を作成しました。
バイオリンの持ち方や弓の持ち方、ボーイングのやり方などを歌詞にして、振り付けと共に覚えられるようにしています。
お子様たちは歌いながら踊るように練習でき、とても楽しんでくださっています。
また、近年は将来の選択肢を広げたいというご家庭が増えており、特に海外留学を視野に入れているケースも多いため、ABRSM(英国王立音楽検定)の受験を推奨しています。
これは世界で最もメジャーな音楽グレードテストで、欧米の大学出願時に活用でき、日本での英検やTOEICのように、音楽の実力を示す資格として認められています。
受験勉強が本格化してからでは音楽検定の準備は難しくなるため、小さいうちから2分音符や4分音符だけの初級レベルから段階的に受験することをお勧めしています。
将来の進路選択において、「勉強ばかりでなく、音楽も続けてきた」ということをアピールできる良い機会になると考えています。
生徒に指導する際に意識していること

ー 生徒さんに接する際に大切にしていることや、意識していることについて教えてください。
岡部さん:専門家を目指す方ばかりではないので、音楽指導を通じた人間形成を特に大切にしています。
きちんとした挨拶や、他の人の演奏を聴く際のマナーなど、総合的な教育を心がけています。
レッスンでは、コンサートと同じように楽器を持ってお辞儀をするなど、基本的な立ち居振る舞いにも気を配っています。
また、初心者の方や保護者の方は、「バイオリンは難しいのではないか」「家での練習方法は?」「楽器のメンテナンスは?」など、様々な不安を抱えていらっしゃることが多いです。
そのため、初心者の方には45分間のレッスン時間を設け、楽器の準備やチューニング、片付けまでしっかりとサポートしています。
これらの作業は慣れてくれば素早くできるようになりますが、特に小さなお子様の場合は時間がかかるため、レッスン時間に含めて丁寧に指導しています。
コースや料金体系について
ー 実際に提供していらっしゃるレッスンのプランについて教えていただけますか?
岡部さん:基本的に月4回のレッスンを行っており、年末年始やゴールデンウィークで月3回になる場合もありますが、年間44回のレッスンを実施しています。
ヴァイオリンは初心者向けの45分定期レッスン中級以上の方向けの60分定期レッスンがあり、その他、会社員の方など仕事の都合で毎週同じ時間の通学が難しい方向けに、スケジュールを柔軟に調整できるプランもご用意しています。
チェロの個人レッスン、ピアノの個人レッスン、アンサンブルのレッスンは不定期のプランになります。
今後のビジョン・展望

ー 今後教室として強化していきたいことや新たに取り組んでみたいことはありますか?
岡部さん:ABRSMの受験サポートを強化していきたいと考えています。
また、発表会の度に実施している合奏が、特に大人の生徒さんに大変好評です。
普段は一人で練習することが多い中、チェロなどの低音を含む様々な楽器の音に包まれる体験は、とても喜んでいただいています。
今後は合奏に特化したクラスの時間をより多く設けていきたいと考えています。
記事を読んでいる方に向けたメッセージ
ー 最後に教室に興味を持たれた方に、メッセージをお願いできますでしょうか?
岡部さん:バイオリンやチェロなどの弦楽器は、本来アンサンブルを楽しむための楽器です。
独奏用の曲も一部ありますが、ほとんどの場合はピアノ伴奏や合奏など、他の楽器と音を響かせ合って演奏します。
初心者の方でも、正しい弓使いさえ身につければ、易しい曲から合奏に参加していただくことができます。
当教室では、小さなお子さんから大人まで、幅広い年齢層の方々が交流しながら音楽を楽しんでいます。
生徒さんの中には、昔バイオリンやチェロを習っていたという親御さんもいらっしゃり、中には親子三代で発表会の合奏に参加してくださるケースもあります。
音楽を通じて新しい仲間との出会いも楽しみながら、ほんわかとほのぼのとした雰囲気の中でレッスンを行っています。