大阪府茨木市を拠点に活動するカリグラフィー教室Atelier seeds。スティーブ・ジョブズも学んだという西洋書道は、デジタル時代だからこそ注目を集めています。文字を立体的に表現できるエンボッシング技法も取り入れ、伝統的な技法を現代に活かす新しい取り組みを行う坪井氏に、カリグラフィーの魅力についてお話を伺いました。

サービス概要
ーAtelier seedsについて、どのような教室か教えていただけますでしょうか。
坪井さん:Atelier seedsは、年齢を問わず幅広い層を対象としたカリグラフィー教室です。地元の公共施設やコワーキングスペースを拠点に、企業からの依頼にも対応しています。
カリグラフィーは西洋書道とも呼ばれ、ローマン書体を基本としながら、欧文書体を美しく表現する芸術です。歴史ある書体を学び、カリキュラムに沿って練習を重ねることで、最終的には自分だけの作品を作り上げることができます。
設立の経緯
ー教室を始められたきっかけを教えていただけますでしょうか。
坪井さん:元々は小学校など教育現場で働いていましたが、趣味として続けていたカリグラフィーの資格を取得したことがきっかけでした。2013年、地域の広報で募集を見つけたことをきっかけに教室を開講。以来10年以上にわたり、カリグラフィーの指導を続けています。
特徴とアピールポイント
ーカリグラフィーの魅力や、Atelier seedsならではの特徴を教えていただけますでしょうか。
坪井さん:カリグラフィーの基本となるアルファベットは、大文字と小文字を合わせても52文字。日本語の文字数と比べるとはるかに少ないため、基礎をしっかり学べば、誰でも上達していくことができます。生徒さんたちは、学んでいく過程で街中の看板やロゴなどにも興味を持ち始め、文字を見る目が変わっていくそうです。
また、Atelier seedsでは紙に書くだけでなく、「メタルエンボッシング」という技法も取り入れています。これは、ピューターという柔らかい金属を使用して文字を立体的に表現する技法です。自分が書いた文字を3D作品として残すことができ、インテリアとしても活用できます。宗教的な装飾でも使われてきた伝統的な技法を現代的にアレンジすることで、カリグラフィーの新しい可能性を追求しています。
このように、伝統的な技法を大切にしながらも、現代のデザインやライフスタイルに合わせた展開を行っていることが、Atelier seedsの大きな特徴となっています。
指導方針
ー生徒さんを指導する際に、特に意識されていることはありますか。
坪井さん:まず何よりも大切にしているのは、生徒さん一人一人の目標や動機を丁寧にお聞きすることです。カリグラフィーを知ったきっかけや、どのように活用したいのかなど、初回には必ずお話を伺います。
カリグラフィーには資格取得を目指して指導者になる道もあれば、純粋に文字を書くことを楽しみたい方もいらっしゃいます。それぞれの目標に合わせて、最適な学習プランを組み立てています。
道具については、初回は教室で貸し出しを行い、継続を希望される方には購入をおすすめしています。ペン先とペン軸、インク、練習用紙など基本的な道具一式で5,000円程度、テキストと最小限の道具であれば2,000円程度で始められます。
料金体系と開催場所
ー教室の開催場所や料金について教えていただけますでしょうか。
坪井さん:主な活動拠点は、大阪府茨木市のおにクル(茨木市文化・子育て複合施設)・ローズWAM(男女共生センター)です。その他、120ワークプレイス神戸(コワーキングスペース)や大阪府摂津市立新鳥飼公民館でも開催しています。
料金は公共施設利用の場合は2,000円以下に設定していますが、コワーキングスペースでの開催時は会場費や交通費の関係で少しだけ高めの設定となっています。レッスンは月2回を基本としていますが、お仕事をされている方は月1回のペースで通われる方も多くいらっしゃいます。
今後の展望
ー今後の展開についてお聞かせください。
坪井さん:3月からインターナショナルスクールのクラブ活動講師としても活動を始めました。担任の先生から「カリグラフィーに興味を持つ生徒がいる」とお声がけいただき、新たな挑戦として取り組んでいます。また、メタルエンボッシング技法の展開にも力を入れていきたいと考えています。
メッセージ
ーカリグラフィーに興味をお持ちの方へメッセージをお願いします。
坪井さん:私自身、子供の頃からマンガを金属のペンで書いていましたが、カリグラフィーと出会ったことで、その思いが再び呼び覚まされ、新しい可能性が広がりました。
まずは実際に道具を持って文字を書いてみることから、始めて頂ければと思います。あなたの新しい扉が開くかもしれません。ぜひ一度、体験にいらしてください。