兵庫県伊丹市で、ピアノとオーボエのレッスンを行う「ふぁるむ音楽教室」。
教育大学出身の常深文香さんが、独自の教育理念のもと、指導を展開しています。
AIの発展やパンデミックなど、予測困難な未来を生きる力を育むための音楽教育について、お話を伺いました。
教室概要

ー どういった方を対象にどのようなレッスンをされていますか?
常深さん:特に年齢制限は設けておらず、4歳ぐらいの子供さんからシニアの方まで、幅広い年齢層の生徒さんを受け入れています。
ピアノとオーボエという2つの楽器のレッスンを提供していますが、それぞれの生徒さんの年齢やレベルに合わせて、柔軟にカリキュラムを組んでいます。
設立の経緯・きっかけ
ー この教室を始められたきっかけや背景について教えていただけますか?
常深さん:教育大学卒業後留学し、帰国後東京のある小学校の先生にお会いする機会がありました。
その先生の教育に対する考え方に強く感銘を受け、改めて「教えること」の意義を見つめ直すきっかけとなりました。
その後、従来の学校教育とは異なるアプローチで教育に携わる方法を模索する中で、音楽教室という形態に可能性を見出しました。
私なりの方法で子どもたちの成長をサポートできる場所を作りたいという想いが、開校の原点となっています。
特徴とアピールポイント

ー この教室の特徴やアピールポイントについて教えていただけますか?
常深さん:特に重視しているのは、今の教育指導要領にも通じる予測困難な未来を「生きる力」の育成です。
AIの台頭や予期せぬパンデミックの発生など、今後も私たちは予測できない状況に直面していくでしょう。
そうした時代、いわゆる「VUCAの時代」の中でいかに生きていくかという視点を大切にしています。
単に楽器の演奏技術を教えるだけでなく、音楽を通じて自分の力で世の中を生きていける土台作りのお手伝いをすることが、当教室の大きな特徴です。
音楽を続けるか否かに関わらず、生徒さん一人ひとりの人生の基盤となる力を育むことを目指しています。
生徒指導で意識していること
ー 生徒さんに接する際に大切にしていることや、意識していることはありますか?
常深さん:生徒さんが「この教室に来てよかった」と思えるような言葉がけを特に意識しています。
使用する教材も、従来の教則本ではなく、より現代的なアプローチができるものを選んでいます。
詰め込み型の指導ではなく、「なぜそう思うの?」「どう思う?」といった問いかけを通じて、自ら考える力を育てることを重視しています。
また、自己肯定感や自信を育むため、「頑張って出来た」という経験を大切にし、生徒さんの努力を積極的に認め、褒める機会を多く設けています。
オーボエ指導について

ー オーボエという楽器について教えていただけますか?
常深さん:オーボエはまだまだ認知度が低い楽器ですが、「のだめカンタービレ」という漫画やドラマで取り上げられたことで、少し知名度が上がったように思います。
オーケストラでは旋律を担当する重要な楽器の一つですが、日本では吹奏楽からスタートする方が多いため、オーボエを選択する機会が限られているのが現状です。
私自身はたまたま中学校でオーボエと出会い、その魅力に惹かれました。
今後はSNSなどを通じて、オーボエという楽器の素晴らしさをより多くの方に伝えていきたいと考えています。
レッスン内容と時間

ー 実際に提供されているレッスンの内容について教えてください。
常深さん:中学生くらいまでの方は30分レッスン、それ以上の方は45分レッスンを基本としています。
ただし、生徒さんのレベルや希望に応じて、レッスン時間は柔軟に調整しています。
特にオーボエは音を出すための基礎がより重要なため、45分のレッスンをお勧めしています。
今後のビジョン・展望
ー 教室として今後強化したい点や、新たに取り組みたいことはありますか?
常深さん:現在、オンラインレッスンの知識をさらに深め、全国的に生徒さんを受け入れられる体制を整えることを目指しています。
特にオーボエという特殊な楽器に関しては、地域にとどまらず、私の教育理念に賛同していただける方々に、全国どこからでもレッスンを受けていただける環境を作りたいと考えています。
また、ピアノ指導についても、さまざまなセミナーを受講するなど、自己研鑽を続けています。
生徒さんがより心地よく通っていただける教室づくりを進めていきたいと思います。
記事を読んでいる方へのメッセージ
ー 教室に興味を持たれた方へメッセージをお願いできますでしょうか?
常深さん:兵庫県伊丹市の小さな音楽教室ですが、単なる楽器の指導にとどまらない価値を提供したいと考えています。
子供たちには、これからの人生を自信を持って生きていく力を、大人の方々には、これからの人生をより輝かせるためのサポートを提供していきたいと思います。
音楽を通じて、一人ひとりの可能性を広げていく、そんなお手伝いができる教室を目指しています。