『Kids Art&Craft(キッズアートクラフト)』は、子どもたちの創造性と表現力を育むことに特化した工作教室です。「子どもたちの”やりたい”を大切に」という理念のもと、幼稚園教諭・保育士の資格を持つ水嶋一代 代表が運営しています。
従来の習い事とは一線を画したアプローチで、決められたゴールに向かって技術を習得させるのではなく、子どもたち一人ひとりの創作意欲を尊重。「これをやってみたい」という気持ちに寄り添い、自己表現の喜びを体験できる場を提供しています。
AIの発達により変わりゆく未来社会において、人間だからこそできる創造力を育む教育の重要性に着目。幼児から小学2年生までを対象としたクラフトクラス(工作教室)や0〜2歳児とその保護者のためのベイビークラス(親子教室)など、年齢やニーズに合わせた多様なプログラムを展開しています。今回のインタビューでは、水嶋代表に教室設立の経緯や独自の指導方針について詳しく伺いました。

子どもたちの「ワクワク」を大切にする創作の場

ー 水嶋さま、本日はどうぞよろしくお願いいたします!まず簡単に、どういった方を対象にしている教室なのか、どういった指導を行っているのか、『Kids Art&Craft』様の概要についてお伺いできますか?
水嶋一代 代表(以下、敬称略):対象は主に幼児から小学校2年生までの子どもたちです。「クラフトクラス」という、毎月テーマを決めてそのテーマに沿った制作を行うサービスを提供しています。
また、月に1回、0〜2歳の乳児とその保護者の方を対象にした「ベイビークラス」という、親子で一緒にクラフトを楽しむ時間も設けています。
指導内容については、一般的な工作教室は技術の習得に重点を置いているところが多いと思いますが、私は保育士としての経験から、子どもたちが工作や創作に対して抱くワクワク感や、「こんなものを作りたい」「こう表現したい」という思いを何よりも大切にしています。
基本的なテーマは設定しますが、そこに至るまでの過程は子どもたち一人ひとりが楽しめることを重視しています。時には予定と違う方向に進んだり、時間配分が変わったりすることもありますが、子どもたちが「これが楽しい」と感じる活動に十分な時間を使えるよう柔軟に対応しています。
ー 「一時預かり保育」もされているとお聞きしました。
水嶋:はい。平日の午前中など教室が空いている時間を活用して、預かり保育も行っています。これは弊教室に通っている子どもたちだけでなく、一時的に子どもを預けたい方にも開放しており、時間単位でのお預かりサービスを提供しています。
「自由に創作できる場所を」 開設のきっかけと思い

ー 水嶋さまがこの教室を始められた経緯やきっかけを教えてください。
水嶋:私は以前、工作に力を入れている幼稚園で働いていました。その園では、子どもたちがいつでも工作に取り組めるコーナーが常設されていたんです。毎年クラスは異なりますが、必ず数人は一日中そこで過ごすような子どもたちがいて、自分の好きなものを自由に作ることに心から喜びを感じる子どもたちが常にいることを実感していました。
私自身にも娘がいるのですが、親子で一緒に工作をしたいと思い、いろいろ試してみました。しかし、幼稚園と違って自宅では汚れを気にしたり、材料を一から揃えるとなるとコストがかかったり、「そこは触らないで」と制限したりと、家庭では工作が意外とハードルの高い活動だということに気づきました。
また、別の園でも働く機会があり、工作への取り組み方は園によって大きく異なることも分かりました。日常的には行わない園もあれば、決まったものだけを作る園もあります。どんな活動に力を入れるかは各園の方針があってのことだと思いますが、自由な工作の機会が意外と少ないことに気づいたんです。
子どもが生まれて習い事を探したとき、英会話やピアノ、スポーツなどはたくさんあるのに、工作教室の選択肢は非常に限られていました。以前勤めていた園のように、創作活動に没頭する子どもたちはどの地域にもいるはずなのに、そういった子どもたちが通える場所が少ないことも分かり、「子どもたちが自由に創作できる場所を作りたい」という思いが強くなりました。「汚れてもいい」「やってみよう」と安心して創作に集中できる環境を提供したいという思いが、教室を開くきっかけとなりました。
AI時代に求められる創造力と表現力の育成

ー 工作に特化された理由として、どのような能力を育みたいという思いがあるのでしょうか?
水嶋:今、AIに多くの仕事が取って代わられる時代になっています。そんな中で人間にしかできないこと、AIにできない能力を持った子どもたちを育てることが重要だと、保育関係の研修でも学んできました。
図工・工作は表現力が最も重視される分野です。子どもたちは自分の発想や受けた刺激を基に、思考を巡らせながら創作していきます。これは自由度が最も高い活動であり、ゼロから何かを生み出す創作という点では、工作こそがそういった創造的能力を育てるのに最適だと考えています。
一般的な習い事は「これを弾けるようになりましょう」「これを話せるようにしましょう」というように、明確なゴールがあってそこに向けてインプットしていくものが多いです。それはもちろん素晴らしいことですが、工作はテーマこそあれど、「これを作りたい」という思いを自分で選び、形にしていくアウトプット中心の活動です。
同じテーマでも、子どもによって全く違った作品が生まれます。これにより「自分はこう表現したけれど、友達はまた違う表現をしている」というように、多様性を自然に学べる場にもなっています。
また、自分の「こうしたい」という表現が認められることも大きな特徴です。数学なら「1+1=2」という唯一の正解がありますが、工作では表現の自由があります。特に子ども時代は、正解を追い求めるよりも「こんなことをやってみたい」という心の動きを大切にし、それを形にする経験が生きる力につながると思います。自分の表現が最大限に認められる活動だからこそ、工作教室を始めたいと思ったんです。
「教え込まず、子どもの気持ちに寄り添う」独自の指導スタイル

ー 他の工作教室との違いや、『Kids Art&Craft』様ならではのアピールポイントがあれば教えてください。
水嶋:近隣の工作教室の内容をお聞きしましたが、美術を専門とされている先生が多く、技術的な指導や表現方法を教えることに重点を置いている印象でした。美術には学ぶべきことがたくさんあるので、それは素晴らしいアプローチだと思います。
一方で、私の教室では、テーマは設定しますが、そこに至る過程はあまり教えすぎないようにしています。楽しく制作に取組めるプログラムは準備していますが、子どもが「これをやってみたい」と思った時には、その時間を存分に使えるよう心がけています。教え込むというよりも「やってみたいことをやってみよう」という姿勢を大切にしているのが大きな違いです。
子どもたちの気持ちに寄り添い、それをサポートすることに特化していると思います。また、預かり保育も行っているので、通常の工作教室の時間内で「これを作りましょう」で終わるのではなく、預かり保育の時間にも教室の教材を自由に使えるようにしています。工作が好きな子どもたちが、自分の好きなように創作できる時間を確保しているのも特徴です。
選択肢と肯定的な声かけで子どもの創造性を引き出す

ー 生徒さんを指導する際に、特に意識していることや指導方針があれば教えてください。
水嶋:子どもたちが選べる選択肢をできるだけ多く用意することを心がけています。色や画用紙など、すべての素材を揃えるのは難しいですが、全員が同じものを使うのではなく、種類や色の選択肢をなるべく多く準備し、子どもたちが好きなものを選べるようにしています。
中には「これをしていいの?」「あれはどう?」と不安そうに尋ねたり、「みんなと同じようにしなきゃ」と感じたりする子どももいます。そんな時、「それいいね」「やってみよう」と、アイデアを肯定する声かけを大切にしています。安全面に問題がない限り、「それ面白そう!」「そうやるなら、こっちもやってみようか」という感じで、子どものアイデアをできるだけ肯定的に受け止めています。
ー そうした指導を続けていく中で、子どもたちにはどのような変化が見られますか?
水嶋:最初は「これをしてもいい?」と確認していた子どもが、次第に自分から積極的に取り組むようになっていきます。「自分の気持ちを言葉にしてくれるようになった」「周りを気にしなくなった」という変化が見られ、 工作を通して自分の気持ちに向き合い、楽しい時間を過ごせるようになった成長が見られます。遠慮や緊張、萎縮した様子が徐々に消えていくのを感じます。
一人ひとりの「頑張り」を認める個別対応の指導

ー 教室に通う子どもたちは工作が好きな子が多いと思いますが、保護者様のご希望で「手先を器用にしたい」など、あまり得意ではない子が通う場合は、どのように指導されますか?
水嶋:もちろん、創作内容によっては子どもたちに得手不得手があります。例えば、絵の具でのびのび描くのは好きでも、ビーズなどの小さいものを用いた作業が苦手なお子さまもいます。
そういった場合は、その子のそばに寄り添い、一つひとつの小さな頑張りを認めていきます。「これ確かに難しいよね、疲れるよね」と共感しながら、「でも、ここまでできたね、すごいね」と励まし、その子なりの頑張りを認めていくのです。
完成形が100だとして、その子がたとえ10までしかできなくても、その10の頑張りをしっかり認めることが大切です。子どもによって作業のスピードや得意な分野は異なりますから、得意な子はどんどん自分で進めていける環境を準備しつつ、苦手な子には寄り添い、一つひとつの努力を認めながら進めます。
また、高い完成度を求めるわけでもありません。その子が自分の作品に満足していて、十分に活動に向き合えた時には「ここまでよく頑張ったね」と終わりを伝えます。「ここまでやらないと終われない」ということはせず、その子ががんばれた事実を十分に認めることを心掛けています。
「やらなくていいよ」と簡単に諦めさせるのも成長の機会を奪うことになりますし、かといって無理をさせて活動自体が嫌になってしまっては本末転倒です。それぞれが「頑張ってみよう」と思えるようなサポートができるように細心の注意を払っています。
年齢やニーズに合わせた多彩なプログラム

ー 提供されているコースやプランについて教えていただけますか?
水嶋:主に3つのコースをご用意しています。
1つ目は「クラフトクラス」です。これは本格的な工作教室の時間で、月に2回、各1時間半ずつ行います。さらに、預かり保育の時間を月に2時間、自由に使っていただけるコースになっています。「幼児クラス」と小学1〜2年生の「小学生クラス」に分かれています。
2つ目は「フリータイム」と呼ぶ預かり保育のコースです。これは弊教室に通っているお子さんだけでなく、会員でなくても時間単位でご利用いただけるサービスです。
3つ目は「ベイビークラス」で、0〜2歳の乳児とその保護者の方が月に1回、親子で工作を楽しめる時間となっています。
子どもたちの交流と共同制作で広がる創造の輪
ー 今後、さらに強化していきたいことや新たに取り組みたいことはありますか?
水嶋:生徒数が増えていくにつれて、子どもたち同士や保護者の方々の交流をより深めていきたいと考えています。現在は曜日ごとにクラスが分かれていますが、より大きな場所を借りて、全ての生徒さんが一堂に会して大きな共同制作に取り組めるような機会を作りたいですね。
そうした場では、保護者同士の交流も生まれ、「いろんな子がいるんだな」「それぞれ違った表現の仕方があるんだな」ということを互いに知る貴重な機会になると思います。そんな交流の場を提供できればと考えています。
自己肯定感を育む創作活動への想い

ー 最後に、『Kids Art&Craft』様への入会を検討されている方々へメッセージをお願いします!
水嶋:工作活動は子どもたちの自己肯定感を高め、「自分は自分でいいんだ」と思える表現の場だと考えています。『Kids Art&Craft』では、子どもたちの「やりたい」という気持ちを何よりも大切にしています。
かけがえのない子ども時代に、自分自身を認め、尊重する気持ちを育む時間を提供したいと思っています。どんなお子さんも歓迎しますので、ぜひ一緒に創作する楽しさを分かち合えたらうれしいです。