「1997年の開講以来28年間、子供たちのピアノ教育に携わってきた熊谷麻里ピアノ教室。生徒一人一人の技術向上を第一に考えながら、独自の発表会形式で仲間づくりも大切にしています。音楽を通じて心を育て、学力向上にもつながる指導について、熊谷麻里先生にお話を伺いました。

教室概要と指導方針
ー熊谷麻里ピアノ教室ではどのような指導を行っていますか?
熊谷さん:当教室は子供たちを対象にピアノ指導を行っています。3歳児から受け入れており、大人になるまで続けている生徒も多くいます。私の願いは、子供たちの生活の中にピアノがあり、それが人生の中で役立つものとなることです。音楽やピアノに触れ合うことで、様々なことを学び、立派な大人へと成長してほしいという思いで運営しています。
特徴的な発表会の取り組み
ー特徴やアピールポイントについて教えて下さい
熊谷さん:年に1度の発表会は、当教室の大きな特徴の一つです。通常のピアノ教室では個人レッスンが中心となりますが、私は生徒同士の繋がりを大切にしています。
発表会では、個人演奏の時間が全体の3分の2を占め、残りの時間でアンサンブルや全員参加型の演目を行います。生徒たちが一生懸命練習した成果を披露し、その後みんなで楽しむ時間を設けることで、コミュニティとしての一体感を育んでいます。
また、SNSを活用して教室の様子や生徒の頑張りを共有し、発表会以外でも繋がりを持てるよう工夫しています。保護者同士のコミュニケーションも活発で、教室を介した交流が広がっています。
指導の核となる考え方
ー生徒さんが確実にピアノを弾けるようになるために、どのような工夫をされていますか?
熊谷さん:私の指導で最も重視しているのは、基本的なことですが、一人一人がピアノを上手に弾けるようになることです。保護者の方々は子供にピアノを上手に弾いてほしいという願いを持って入会されます。その期待に応えるため、確実な技術習得と音楽性の育成を目指しています
そのために、年間を通じて様々な目標を設定しています。発表会やコンクール、全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)による検定など、複数の機会を設けることで、生徒たちのモチベーションを保ち、練習する習慣づけを支援しています。これは学校のテスト勉強と同じで、目標があることで努力が継続できるのです。
また、レッスンでは常に「人に聴かせて良い演奏とは何か」を意識しています。生徒一人一人の個性や課題を見極め、テクニックや音楽性など、必要な要素を丁寧に指導しています。
教室設立の経緯
ー教室を始められたきっかけを教えてください。
熊谷さん:音楽大学卒業後、一般企業で9年間マーケティングの仕事をしていました。当時は育児との両立が難しい時代で、2人目の出産を機に退職を決意。
「音楽大学を卒業していて、グランドピアノも持っているのだから、近所の子供たちにピアノを教えてみよう」と考えたのが始まりです。教員免許も持っていたため、教えることに不安はありませんでした。最初は自分の子供の友達のお母さんに声をかけて、少しずつ始めていきました。
28年の歩みと今後の展望
ーこれまでの歩みと今後の展望についてお聞かせください。
熊谷さん:1997年の開講以来、多くの生徒を指導してきました。徐々に生徒数が増え、約20年前からは常に満員状態が続いています。
今後の展望については、現在の規模を維持しながら、質の高い指導を続けていきたいと考えています。講師を増やして規模を拡大する提案も受けますが、私自身が直接指導することで得られる充実感と、生徒一人一人との関係性を大切にしたいと考えています。
ピアノ教育を通じた子供の成長
ーピアノ教育の意義について、どのようにお考えですか?
熊谷さん:ピアノ学習には、多面的な教育効果があると考えています。人前での演奏経験は、他のどんな場面での緊張感をも乗り越える自信につながります。また、右手と左手を独立して動かし、指を一本一本コントロールするピアノ演奏は、優れた脳トレーニングとなります。
当教室の生徒たちの多くが学業でも優秀な成績を収めていますが、これはピアノ学習を通じて培われた集中力や思考力が活かされているためだと感じています。さらに、音楽は心を育て、感受性を豊かにします。良い指導者と出会い、楽しくピアノを学ぶことで、子供たちの可能性は大きく広がっていくと信じています。
読者へのメッセージ
ー記事を読んでいる方に向けたメッセージをお願いします。
熊谷さん:ピアノは単に曲を弾けるようになるだけでなく、人生において様々なことを学べる素晴らしい存在です。人前での演奏経験は、将来のどんな場面でも活きてくる貴重な経験となります。
また、両手を使い、指を独立して動かすピアノ演奏は、脳の発達を促す効果も期待できます。心の育成はもちろん、学力向上にも繋がる素晴らしい習い事だと確信しています。ぜひ良い指導者と出会い、お子様にピアノを通じた豊かな経験をさせていただければと思います。