叱りと褒めのバランスが育む強さ —『空手道 講士館 宮島道場』が証明する武道教育の可能性

現代社会では子どもたちの運動不足や精神面の弱さが問題視される中、本物の武道教育が見直されています。東京で注目を集める『空手道 講士館 宮島道場』は、単なる技術指導の場ではなく、生涯にわたる健康と人格形成の基盤を築く場として多くの生徒を惹きつけています。

道場を主宰する宮島健太氏は、自身が全日本大会で活躍した経験と整形外科でのリハビリ指導の経験を融合させた独自の指導法で、3歳から高齢者まで幅広い年齢層の生徒を指導。「辛く、楽しく」をモットーに、近年希薄になりがちな「叱る」という教育と、子どもたちの自己肯定感を高める「褒める」教育のバランスを大切にしています。

問題行動のある子どもが礼儀正しく成長し大会で優勝するまでになった事例など、武道教育の持つ可能性を体現する宮島道場の取り組みに、今回特別に潜入取材しました。

宮島健太(みやじま けんた)
2001年 空手道佐藤塾入門
2007年 講士館入門
2008年 初段取得
2013年 支部設立
2014年 弐段取得 
2022年 参段取得

主な戦歴
2008年
JIKA第12回全日本空手道選手権 第8位
極真坂本道場主催第6回全国大会・無差別級 第3位
2009年
第20回東都大会・重量級 優勝
空手道MAC主催ルーキーチャレンジ 第3位
2011年
千葉グランプリ・重量級 優勝
2012年
白蓮会館主催全関東大会・重量級 優勝
ワールドカップ出場
2013年
JIKA第17回全日本空手道選手権 準優勝
2014年
JKJO第5回全日本空手道選手権 優勝
JIKA第18回全日本空手道選手権 優勝
2015年
JIKA第19回全日本空手道選手権 優勝
2016年
JIKA第20回全日本空手道選手権 準優勝
2024年
POINT&K.O. 第38回 全日本空手道選手権大会 準優勝

「楽しく動ける体」を作る、全ての人に開かれた道場

ー宮島様、本日はどうぞよろしくお願いいたします!まずは、どういった方を対象に、どのような指導を行っている空手道場なのか、『空手道 講士館 宮島道場』の概要について教えてください。

宮島健太代表(以下、敬称略):対象は3歳から上限なく、一番上の方では現在60代の方が稽古されています。空手を通じて「体を動かすことが楽しい」と感じていただけるような道場を目指しています。

私は以前、整形外科のリハビリステーションで勤務していました。そこで見えてきたのは、怪我からの回復具合が「運動経験のある人」と「ない人」で明確に分かれるという事実です。幼少期からしっかり運動に触れ、それを楽しいと思える経験を持っていれば、大人になって怪我をしても回復が早く、健康寿命が伸びるんです。

ー試合で勝つことだけでなく、健康な体づくりが目的なのですね?

宮島:そうですね。もちろん私自身は選手としてやってきましたので、試合で勝ちたいという生徒には熱心に指導します。ただ、選手として勝ち続けることができるのは、正直に申し上げてほんの一握りです。負けたら「自分はダメだ」と思ってしまうと、自己肯定感が下がってしまいます。

道場の基本方針としては「楽しかった」「素晴らしい」と思える体験を提供し、その中で大会に挑戦したい子には私の経験を活かした熱い指導をしています。

ー道場生を指導する際に、大切にしている理念はありますか?

宮島:「辛く、楽しく」ですね。厳しさと楽しさ、両方のバランスを大切にしています。

「問題を未然に防ぐ」― 医療現場での経験から生まれた道場

ー宮島様が道場を設立された経緯やきっかけを教えてください。

宮島:私は柔整師の資格を持ち、先ほどもお話しましたが整形外科のリハビリステーションで働いていました。独立を考えた際に、整骨院か道場か、どちらを開業するか悩んでいたんです。リハビリの現場で症状が「良くなる人」と「悪くなる人」の差を肌で感じていたときに、アフガニスタンで活動されたお医者様の本(「天、共に在り―アフガニスタン三〇年の闘い」:中村哲著)に出会いました。

故・中村先生は現地で患者を治療する中で「水質が悪いから患者が増え続ける」という根本的な問題に気づき、治療だけでなく水源整備に取り組んだのです。この話に共感し、私も「問題が起きてから直す」のではなく、「小さな頃から正しい体の使い方を教えること」が社会のためになると考えました。

空手が得意な私には、そちらの道を進む方が自分の強みを活かせると思ったのが、道場開設のきっかけです。基盤をしっかり作れば、将来的に健康で豊かな人生を送れますからね。

トップアスリートの最新知識を直接伝授!現役選手としての強み

ー他の空手道場と比べて、『空手道 講士館 宮島道場』ならではの強みを教えてください

宮島:私は、いまだに現役の選手たちと一緒に稽古をしています。トップレベルの選手たちは非常に研究熱心で、体の使い方や最新技術の情報収集が早いんです。彼らと稽古することで得た知識を自分で試し、即座に生徒たちに還元できるスピード感は、他の道場にはない強みだと思います。

「見られている」から頑張れる、細やかな観察と的確な褒め方・叱り方

ー生徒さんへの指導で、特に意識していることや方針などはありますか?

宮島:小さな子どもたちは、アドバイスをしてもすぐに忘れてしまいがちです。でも、時々自分で思い出して実践してくれる瞬間があります。そういう小さな変化を見逃さないよう心がけています。「先生が見てくれている」と感じることで、子どもたちはもっと頑張ろうという気持ちになるんです。

もちろん、悪いことをしたときは厳しく叱ります。空手の本質である「礼に始まり礼に終わる」精神を大切にしています。

ー空手で礼儀作法を身につけて成長した生徒さんのエピソードがあれば、ぜひ教えてください

宮島:多動症の傾向があり、頭を振り続けたり走り回ったりして、何度も注意していた子がいました。ですが非常に熱心に練習をして、先日の大会では小学2年生の部で優勝しました。もう5回連続くらい優勝しているんですよ。

技術面の成長も素晴らしいですが、何より嬉しいのは、整列や道場の片付けを率先してやってくれるようになったことです。自信がついて、落ち着きも出てきました。

最近はADHDや多動症の子が増えていると言われますが、礼儀を教え、愛情を持って接し、自己肯定感を育むことで、素晴らしい変化を見せる子も多いんです。もちろん全員が変わるとは言いきれませんが、こうした成長を見ると、私たちの取り組み方針の価値を実感します。

3歳から高齢者まで!目的に合わせた多彩なクラス展開

提供されているクラスについて、それぞれの特徴を教えてください。

宮島:大きく分けて、4つあります。

最近スタートした3歳からの「ちびっこクラス」は、親しみやすさを重視しています。幼年部・少年部では「きちんと並ぶ」といった細かい指導もしますが、3歳児にはまず空手と運動の楽しさを体験してもらうことを優先します。

このクラスでは親御さんの見学も可能で、子どもが感情的になったときは一時的にお母さんのところへ行けるなど、柔軟に対応しています。

「幼年部・少年部」は礼儀をしっかり教えながら、参加者のレベルに合わせて内容を調整します。経験者と初心者が混在する場合は、厳しさと楽しさのバランスを取りながら指導しています。

「一般部」は高校生以上が対象で、目的が多様です。試合出場を目指す方、運動不足解消やダイエット、体力づくりを目的とする方など、それぞれのニーズに合わせたメニューを提供しています。

「親子クラス」では、大人と子どもでペアを組んで練習します。大人でも初心者の場合、教えることで理解が深まるので、お互いに良い刺激になります。

ー親子クラスを設けた理由は何ですか?

宮島:親子で同じ目標に向かって取り組むことには大きな価値があります。家庭でも練習できますし、大人も子どもも共に成長できる。何より、家族の中で互いに励まし合える環境ができるのは素晴らしいことだと思います。

ーホームページに「近年は過保護教育が主流で、心の弱い子供達が増えている」とありますが、精神面を鍛えるために心がけていることはありますか?

宮島:「叱るだけ」「褒めるだけ」、どちらも極端だと思います。叱るべき場面は叱り、褒めるべき場面は褒める、そのメリハリが重要です。叱ってばかりだと自己肯定感が下がり、逆に何も努力せずに褒められると「このままで良いのか」と子ども自身が混乱します。バランスの取れた指導を心がけています。

関節強化と走力向上!柔整師の知識を活かした最先端プログラム

ー今後強化していきたい点や、あらたに取り組みたいことがあれば教えてください。

宮島:最近注目しているのは短距離走のトレーニングです。速く走るための体の使い方は、空手の蹴り技術と共通点が多いんです。特に瞬発力を一瞬で発揮する能力や、使用する筋肉系統が似ています。

このトレーニング法を習得して生徒たちに教えれば、空手の技術向上だけでなく、一般的なスポーツでも役立つスキルになるでしょう。

もう一つは、関節強化のトレーニングです。従来は筋肉を鍛えることが中心でしたが、関節そのものを強くする方法も注目されています。私自身、膝の故障があるので、これを学んで実践し、生徒たちにも伝えていきたいと考えています。

柔整師としての知識を活かし、怪我をしにくい体づくりという視点からも指導を充実させていきます。

あなたに合わせたプログラムで、共に成長する道場へ

ー最後に、『空手道 講士館 宮島道場』への入会を考えている方々へメッセージをお願いします!

宮島:空手は単なるスポーツではなく、人生を豊かにする術(すべ)です。厳しい稽古もありますが、それを乗り越えた先にある達成感と自信は何物にも代えがたいものです。

弊道場では、3歳のお子様からシニアの方まで、それぞれの目標や体力に合わせたプログラムを用意しています。試合で勝ちたい方、体力をつけたい方、礼儀を学びたい方、あるいは「旦那をぶっ飛ばしたい」という50代女性まで(笑)、あらゆる目的に合わせて指導します。

私自身、選手として、また指導者として、常に進化を続けています。生徒の皆さんと共に成長し、最新の技術や知識を共有できることが何よりの喜びです。

空手を通じて、強い体、強い心、そして一生ものの自信を手に入れませんか?無料体験もご用意していますので、ぜひ一度、宮島道場の雰囲気を感じに来てください。あなたの挑戦を、心からお待ちしています。