【愛知県】清林館中学校:世界を見据え、自立する力を育む

愛知県愛西市に2024年に開校した清林館中学校。高校は今年100周年を迎えた歴史ある学校でありながら、中学校は新しい挑戦の真っ只中です。「自立」をキーワードに掲げ、英語教育や体験型学習を通して、世界で活躍できる人材の育成に力を入れています。今回は、清林館中学校の広報担当である西尾康孝さんにお話を伺いました。

100年の伝統と新しい挑戦

ー清林館中学校の教育理念について教えてください!

清林館中学校は、2024年に新しく開校した中学校です。高校の方は今年で100周年を迎えた歴史ある学校で、その中でも特色である国際教育は、半世紀前から愛知県内では先駆けて取り入れてきました。当時は1ドル360円の時代に、生徒を海外に送り出すという先進的な取り組みを行ってきた学校です。

こうした伝統を踏まえ、清林館中学校では「英語・世界について学ぶこと」「理数・探究学習」そして「自立」をキーワードとしてカリキュラムを組んでいます。英語や世界のことを学びながら、社会との関わりを持ち、たくさんのことにチャレンジして自ら行動できる生徒を育てたいと考えています。特に「自立」というのは私たちのキーワードだと思っています。

国際教育の充実したプログラム

ー教育理念に沿った活動やプログラムについて教えてください!

まず一つ目の軸として、英語教育に力を入れています。中高合わせて6人のALT(外国語指導助手)の先生が常駐しています。多くの学校では2名程度のところ、6名のネイティブの先生がいて常にレッスンに入っていただけるというのは大きな強みです。

また各学年で国際交流イベントを設定しています。中学1年生ではJICA愛知県支部への訪問や、イギリスの姉妹校との交流事業を行っています。中学2年生ではJICAの現地スタッフとの交流、中学3年生では修学旅行として東京グローバルゲートウェイという英語で様々な体験ができる施設に行きます。さらに希望者にはフィリピンでの語学研修も設定しています。

中学段階ではなかなか実現しにくい、海外での語学研修は本校で英語教育を受けるメリットだと思います。高校1年生ではイギリス語学研修があり、これだけ英語教育に力を入れている理由はこの語学研修に参加するという目標設定からです。このように学内外を含めて多様な世界との関わりや英語を通した自己表現の場を設け、生徒の主体性と語学力を育んでいます。

さらに、特徴的なのは英語の教科書を1年間で5周する「ラウンドシステム」を採用していることです。愛知県内では本校しか行っていない取り組みで、同じことを繰り返し学ぶことで理解を深めていきます。また、英単語グランプリも定期的に実施し、語彙力の強化を図っています。その結果、中学1年生の段階で既に中学2年生レベルの語学力が身につき、中学2年生は中学卒業レベルの内容に挑戦している状況です。

フィリピン語学研修プログラム

ー希望者が参加できるフィリピンの語学研修についてもう少し詳しく教えてください!

フィリピンの語学研修は、もともと高校1年生を対象に行っていたものを中学生にも拡大したプログラムです。現地で2週間ほど寮生活を送り、6人程度の小グループでワークを行います。週末にはフィリピンの文化に触れる体験も組み込まれています。

学びだけでなく、その国の情勢を知る機会にもなっています。フィリピンは日本との時差がほとんどなく、経済的にも安定していて治安も良い地域を選定しているので、中学生でも安心して参加できます。24時間英語漬けの環境で、英語力を確実に向上して帰国できるおすすめのプログラムです。

体験を重視した学習スタイル

二つ目の軸として、体験を非常に大切にしています。年間15回の土曜講座を設け、様々な体験事業を行っています。外部講師を招いて「プロから学ぶワークショップ」も実施しています。例えば、写真家の方を招いて良い写真の撮り方を学んだり、旅行業界の方からプロの旅行プランの作り方を学んだりしています。

これらは、学校外の方との関わりを通じて自分で何かを作り出したり、仲間と協力して取り組んだりする力を育むために行っています。

三つ目の軸として、理科の実験を重視しています。毎時間何らかの実験や観察を取り入れた授業を行っています。準備が大変なこともありますが、実験準備をするスタッフも配置し、実際に体験して理解するという学習スタイルを大切にしています。

清林館中学校ならではの特徴

ー他の学校にはない、清林館中学校だからこそできる特徴や一番のアピールポイントを教えてください!

やはり英語教育は高校から繋がる私たちの宝物のような部分です。そこを活かしながら、中高6年間で目標とする生徒像を育てたいと考えています。高校3年間という短い期間ではなく、ゆっくりと6年間かけて学校や友人とともに成長し、何事にもチャレンジできるような国際的な人材を育成したいという思いがあります。

国際理解教育の面では他にない強みがあると思います。例えば、本校の高校国際コースでは1年間の留学に行く生徒も多いのですが、6年一貫教育では留学のための時間も確保しやすくなります。高校だけだと休学して留学するパターンが多いのですが、中高一貫だと休学せずに留学できるよう、様々な科目を前倒しで教えることで時間を捻出できます。

ー中学校で受験した方は高校受験はありますか?

基本的には中高一貫コースに入っていただきます。高校から入ってくる生徒とは混ざることはありません。ただし、より英語に力を入れたいとか、部活動に集中したいという本人の希望がある場合は、高校の別コースに入学することも可能です。

未来に向けた取り組み

ー今後強化していきたい点や取り組んでいきたいことがあれば教えてください!

開校2年目ということもあり、現在はすべてに取り組んでいる最中です。中高6年間を通して、生徒がどのように将来を育んでいきたいかを応援することが学校の使命だと考えています。生徒たちが希望の進路を実現できるような指導や、留学を希望する生徒を応援するなど、一人ひとりの夢を後押ししていきたいと思っています。

定期テストを行わない独自の学習評価システム

あまり愛知県内では見られない取り組みとして、中学校では定期テストを行っていません。一夜漬けで勉強したりする習慣をつけてほしくないので、各教科で1単元が終わったら次の時間にテストを行うという形式を取っています。テスト自体も自己申告で再テストを受けることができるようにしています。

また、平均点も公表せず、自分の点数しか分からないようにしています。自分が設定した目標点数に対して満足できたかどうかを知り、もし満足できなければ再テストを受けることができます。約6〜8割の生徒が再テストを希望していて、「競う相手は自分」という意識で自分のゴールを設定できるようにしています。

このシステムにより、成績で一喜一憂することなく、自分の学習に取り組めていると思います。中学校では様々な科目を前倒しで学ぶ関係上、教科ごとの進度にばらつきが出ることもあるため、確実に理解できたところでテストを行うようにしています。

学校見学会と入試について

ー入学を考えている方に対して見学会などについて教えてください!

見学会は入試時期まで原則毎月開催しています。例えば5月であれば24日の土曜日に行いますし、外部でもイベントを開催しています。ご都合に合わせてお越しいただければと思います。

夏までは「体験入学」として、実際に授業や部活動を体験できるイベントを行っています。本校の特色ある取り組みも紹介しています。11月には「入試チャレンジ」という模擬試験を2回実施し、本校の合格判定に近い形で評価します。入学をお考えの方は、ぜひ11月のイベントにお越しください。

申し込みは学校ホームページの「イベント情報」からできます。体験入学では、小学生のお子さん向けに分かりやすい形で授業を体験していただけます。保護者の方も一緒に参加していただける形になっています。本校の魅力が詰まった内容をしっかりお伝えできると思います。

入学を考えている方へのメッセージ

ー入学を考えている方や保護者の方へメッセージをお願いします!

清林館中学校は愛知県では一番新しい私立中学です。新しいことにチャレンジしたい方に、ぜひ来ていただきたいと思います。チャレンジする生徒さんたちと一緒に成長していける学校です。

生徒からの意見を取り入れながら、「こういうことをやってみたい」「こんな部活があったらいいな」といった声に応え、皆さんが思い描く学校生活に寄り添った形で、先生や生徒が共にたくさんのことにチャレンジし、共に成長し自立していける学校です。そして将来についても一緒に考えていける場所だと思います。

新しい取り組みに興味がある方や、環境を変えてみたいという方にはぴったりの学校ではないかと思います。ぜひ一度見学にいらしてください。

清林館中学校のホームページはこちら  https://www.seirinkan.ed.jp/junior

清林館高校のホームページはこちら https://www.seirinkan.ed.jp/high