ピラティスは、ただ体を動かすための運動ではありません。自分の内側と向き合い、心身を調和させるための“学び”です。
私は11年間、奥多摩でピラティススタジオを運営してきました。そして今、「VBED(ヴィーベッド)」という新たなスタジオブランドを立ち上げ、ピラティスと“睡眠”を融合させたまったく新しいアプローチをスタートさせようとしています。
今回は、羽村に新しくオープンするスタジオのコンセプトや、これまでの活動、そして未来への想いについてお話しさせていただきます。
動きと休息、両方が揃ってこそ「整う」ということ
2025年5月5日、東京都羽村市に「VBED ピラティス×昼寝スタジオ」をオープンします。羽村駅の目の前というアクセスの良さに加えて、“ヒルネ(昼寝)”というユニークな要素を加えたスタジオとして展開します。
このスタジオの最大の特徴は、ピラティスと「睡眠の質を高めるためのリラクゼーション」を掛け合わせたことにあります。ピラティスで身体を整えたあと、そのまま質の高い昼寝=ヒルネを体験していただくことで、心身の回復力を最大限に引き出します。
導入しているVBED(ヴィーベッド)は、私たちが日本で知的財産権を取得した、オリジナル構造のピラティスマシンです。
もともとジョセフ・ピラティス氏が使っていた設計をもとに再構築し、骨盤や背骨、肩甲骨が正しい位置に収まるように設計しています。
安定した状態で背骨を動かすことができるため、初心者の方でも自分の身体の中心(センター)を感じながら、安全に体を整えることができます。
睡眠から、人生を立て直すという考え方
日本では今、40%以上の人が睡眠に関する問題を抱えていると言われています。実際、睡眠障害による経済損失は年間11兆円にも上るという試算もあります。
私は、ピラティスの観点から「睡眠の質を改善する」という新たな挑戦に取り組んでいます。ピラティスは本来、コントロロジー(Contrology)と呼ばれ、自分の身体を自分で制御・調整する技術です。
これは、睡眠の質を高めるうえでも極めて有効です。
VBEDでは、脳と神経が自然と休息モードに入るようなポジショニングと空間づくりを行っています。体の重みを正しく分散させ、背骨や骨盤まわりの緊張を解いていくことで、深い眠りに誘導するよう設計されています。
体を整えるだけでなく、心まで休ませる──その両方が叶う場所を目指しています。
私自身のピラティスとの出会い、そしてスタジオ設立までの歩み
私がピラティスを始めたのは2007年のこと。当時、まだ日本にはほとんどピラティスマシンが存在しておらず、海外から取り寄せる以外に選択肢がありませんでした。
そこで、私は自分たちの手でピラティスマシンを一から製作することに挑戦しました。製品を作るなら、当然、それを使える人が必要になる。そうして始めたのが、ピラティスの教育事業でした。
2014年に正式に創業し、2018年頃からは本格的に教育・指導へと事業を広げてきました。
現在では、私たちが開発したストラップやマシンは全国600以上のスタジオで導入されており、オンラインや対面での講座にも多くの方が参加してくださっています。
「本物のピラティス」を伝える使命
私が一貫して大切にしているのは、ピラティスの“本質”を伝えることです。
私自身、ジョセフ・ピラティス氏の直弟子であるメアリー・ボウエンさん(現在もご健在で、95歳でなお現役)から多くを学び、彼女の夫アレックマーティン氏からはピラティスマシンの設計図もいただいています。
彼女が実践していたのは、教科書通りの運動ではありません。「なぜその動きが必要なのか」「どのようにして身体と心が繋がるのか」といった、より深い問いに向き合いながら、ピラティスを実践していました。
私もまた、その伝統を継承する一人として、ピラティスを「健康のための本質的なメソッド」として、正しく丁寧に伝えることを使命だと感じています。
VBEDが描く未来──ピラティスから広がる予防医学の可能性
VBEDは、単に運動やリラクゼーションを提供する場所ではありません。
“未来の健康をデザインする”という目的のもとに、ピラティスと睡眠の融合による「予防医療」のアプローチを実現したいと考えています。
体調が悪くなってから動くのではなく、元気なうちから体と向き合うことで、不調を防ぐ。VBEDの体験を通じて、多くの方が「健康であること」の本当の意味に気づき、生活習慣そのものを変えていけるようになる──そんな社会を目指しています。
今後はフランチャイズ展開も予定しており、VBEDというブランドを通じて、日本全国に“本物の健康”を届けていきたいと思っています。
興味を持ってくださった方へ──まずは一度、体験してみてください
私がこれまでの活動を通して学んできたこと、それは「人はいつからでも変われる」ということです。
ピラティスの哲学に触れ、自分の身体と静かに向き合うことで、誰もが本来持っている“健康力”を取り戻すことができます。
メアリー・ボウエンさんは今でも世界中を飛び回り、レッスンを行っています。彼女のように、年齢に関係なく健康に生きていくことは、決して夢ではありません。
大切なのは、今から始めること。
若いうちから、自分自身で健康を育てていく意識を持つことが、将来の自分を守る一番の方法です。
VBEDは、そんな「健康をデザインする人生」の第一歩をサポートする場所です。
ぜひ一度、体験にお越しください。