地域の子どもたちの音楽教育に携わって10年。
お母様の跡を継ぎ、ピアノ教室を開いた山本理紗先生は、演奏技術の向上だけでなく、生徒それぞれの多様な才能を伸ばすことも大切にしています。
ピアノを通じて、子どもたちの人生に寄り添う教室の様子をお伺いしました。
教室概要

ー どういった方を対象にどのようなレッスンをされていますか?
山本理紗さん:3歳4歳から大人の方までを対象にピアノのレッスンを行っています。
30分のレッスンを基本とし、希望に応じて1時間のレッスンも提供しています。
姉妹で教室を運営しており、私がメインのピアノレッスンを担当し、妹がリトミッククラスと初期のピアノ導入指導を担当しています。
設立の経緯・きっかけ
ー この教室を始められたきっかけや背景について教えて頂けますか?
山本理紗さん:母もピアノ教室を運営していた影響で、自分も同じように教室を開きたいと考えていました。
最初は細々と教えていましたが、京都での教室開設からちょうど10年が経ちました。
この場所で本格的に教室を始めてからの節目を迎えています。
特徴やアピールポイント
ー この教室の特徴やアピールポイントについて教えてください。
山本理紗さん:この地域の子どもたちを最大限に上手にすることを第一に考えています。
音楽大学への進学や特定のコンクールだけに特化するのではなく、どんな生徒でもその子の持つ可能性を最大限に引き出すことを心がけています。
もちろん、音楽大学を目指す生徒もいますが、それぞれの目標に合わせて、その子が達成できる最高レベルまで指導することを大切にしています。
生徒に指導する際に意識していること

ー 生徒さんに接する際に大切にしていることや、特に意識していることはありますか?
山本理紗さん:その瞬間の生徒さんの状態をよく観察し、楽しんでいるのか、難しさを感じているのかを早めに察知して、最適な指導方法を選ぶように心がけています。
特に小さな生徒さんの場合は、集中が途切れた時は無理に進めることはせず、ピアノから離れて座学に切り替えたり、リトミックを取り入れたり、その子の興味のある話をしたりして柔軟に対応しています。
30分のレッスン時間の中で、一見無駄に見える時間があるかもしれませんが、その子と会話をしたり、興味のある話を聞いたりすることで、次のレッスンに繋がることもあります。
ピアノ学習の魅力と意義
ー 先生にとってピアノの魅力はどういったところでしょうか?
山本理紗さん:ピアノ学習は決して楽しいことばかりではありませんが、粘り強く取り組む力が身につきます。
これは何事にも必要な力だと考えています。
単にピアノが上手になるだけでなく、何かに向かう姿勢や、やり遂げる力が身についていくのです。
また、音楽の最も大きな魅力は、人の心に届くことです。
発表会で生徒が演奏して、誰かに「良かった」と言ってもらえた時、そこで一つの音楽が成り立った時の幸せを感じられることは、とても大きな価値があると思います。
コースや発表の機会について
ー 実際に提供されていらっしゃるコースについて教えてください。
山本理紗さん:基本は30分のレッスンで、希望に応じて1時間のコースも選べます。
教室では年に1回の発表会を開催しており、それとは別にレッスン内でのテストも実施しています。
テストは私が聴いて、OKか、もう一度かを判断するような形で行っています。
また、希望する生徒は外部のコンクールにも参加できる機会を設けています。
今後のビジョン・展望

ー 今後強化したい点や、新たに取り組んでみたいことはありますか?
山本理紗さん:ピアノの技術向上は当然として、それ以外の多様な体験の場を提供したいと考えています。
コンクールで賞を取れる演奏力を持つ生徒がいる一方で、違う形の能力を持つ生徒もいます。
例えば、発表会での裏方体験やプログラム作成など、演奏以外の場面でも生徒の能力を活かせる機会を作りたいと思っています。
レッスンの中で、発表会で弾く曲についてのレポートを書いてもらうことがありますが、その際に素晴らしい文章力を見せる生徒や、素敵な絵を描いてくる生徒もいます。
ピアノだけを弾かせていては気づかない、そういった多様な才能にも目を向け、より深く見守っていきたいと考えています。
自分で考え、主体的に何かを行う気持ちを育てる場にもしていきたいと思っています。
記事を読んでいる方に向けたメッセージ
ー 最後に教室に興味を持たれた方にメッセージお願いできますでしょうか?
山本理紗さん:ピアノを習う期間は人それぞれですが、10年程度の限られた時間だと思います。
その限られた期間の中で、一生心に残るような体験を数多くしてもらいたいと思っています。
単にピアノが上手くなるだけでなく、様々な経験を通じて、豊かな時間を過ごしていただければと願っています。