感謝の心と絵本が織りなす学び舎 ~中川李枝子さん・谷川俊太郎さんの母園 聖心学園幼稚園~

「ありがとう」の言葉が自然と溢れる園内。中川李枝子さん、谷川俊太郎さんの母園としても知られる聖心学園幼稚園では、絵本を通じた豊かな心の育成と、都心ならではの工夫を凝らした自然体験で、子どもたちの感性を育んでいます。共働き家庭にも対応した預かり保育も充実。柴崎園長先生に、園の特徴や大切にしている想いについてお話を伺いました。

「ありがとう」の心を大切に。

中川李枝子さん・谷川俊太郎さんの母園として、絵本を通じた教育も特徴的

ー聖心学園幼稚園ならではの特徴や教育方針について教えてください。

柴崎先生:当園はカトリックの幼稚園ですが、宗教色を前面に出すのではなく、日々の生活の中で自然と「ありがとう」という感謝の気持ちを育んでいける環境づくりを大切にしています。園に関わる大人も子どもも、感謝の気持ちを言葉にして伝え合える、そんな温かい雰囲気を目指しています。

また、当園は児童文学界の重鎮である中川李枝子さんと谷川俊太郎さんの母園という特別な縁があります。この伝統を活かし、単なる読み聞かせにとどまらない、絵本を軸とした様々な活動を展開。

保護者の方々にも参加いただきながら、子どもたちと一緒に絵本の世界を存分に楽しんでいます。

都会の中の自然体験

子どもたちの感性を育む環境づくり

ー普段の園生活ではどのような活動を大切にされていますか?

柴崎先生:限られた空間ではありますが、園庭を工夫して改修し、子どもたちが自然と触れ合える環境を整えました。木の実や草花に触れたり、畑での栽培活動を楽しんだり。都会にいながらも、季節の変化を感じられる空間づくりを心がけています。

また、毎日の生活の中で「サークルタイム」という特別な時間を設けています。ここでは友だちの話に耳を傾け、自分の思いを言葉で表現する力を育んでいます。このような活動を通じて、子どもたち一人ひとりのコミュニケーション力を伸ばしています。

遊びの中で自然に育つ”学びの芽”

早期教育より大切にしたい、子どもの成長

ー小学校への準備はどのように行っているのでしょうか?

柴崎先生:当園では、無理な早期教育やワークブックによる学習は行っていません。その代わり、日常の遊びの中で楽しく言葉に触れたり、様々な活動を通じて自然と数に親しんだりする機会を大切にしています。

遊びながら学ぶことで、子どもたちは楽しみながら「考える力」や「表現する力」を身につけていきます。これこそが、小学校での学びの土台になると考えています。

子どもたちに育んでほしい3つの力

「考える力」「思いやりの心」「やり抜く力」

ー園児たちにどのような成長を期待されていますか?

柴崎先生:当園では3つの教育理念を掲げています。

  • 落ち着いて考える力
  • 礼儀正しく思いやりのある心
  • 粘り強くやり抜く力

特に大切にしているのは、自分を大切にする心と同時に、友だちのことも同じように大切にできる思いやりの心です。そして、その気持ちを「ありがとう」という言葉で素直に表現できる子どもに育ってほしいと願っています。

充実の預かり保育と子育て支援

ー今の時代に対応した新しい取り組みについて教えてください。

柴崎先生:共働き家庭の増加に応えて、預かり保育を充実させました。「幼稚園は時間が短くて難しい」とお考えの方にも、安心して園を選んでいただけるようサポート体制を整えています。

さらに、未就園児向けのサービスも充実させています。

【子育て支援プログラム】

  •  未就園児(0歳~)の親子サークル
  • 「せいしんこどもcafe」での様々な体験活動
    • 絵の具遊び
    • 自然遊び・運動遊び
    • 絵本から広がる遊び
  • 外部講師による特別プログラム
    • ベビーマッサージ
    • リトミック
    • 体操教室

“子どもが主役”の幸せな場所であり続けたい

ーこれからの園の展望をお聞かせください。

柴崎先生:社会がどんなに変化しても、幼稚園は子どもたちにとって最も幸せな場所でなければならないと考えています。子どもたちの笑顔があふれ、それを見守る大人たちも自然と笑顔になれる。そんな温かな場所であり続けることが、私たちの変わらない願いです。

メッセージ

~かけがえのない子育ての時間を大切に~

ー最後に、園を検討されている保護者の方へメッセージをお願いします。

柴崎先生:子育ての時期は一度きり。あっという間に過ぎ去ってしまう貴重な時間です。日々の忙しさに追われがちですが、目の前にいる子どもたちとのかけがえのない時間を、どうか存分に楽しんでください。

後になって「あの時もっと一緒に過ごせばよかった」と後悔することのないよう、子育ての素晴らしい時期を心ゆくまで満喫していただきたいと思います。