尾道中学校・高等学校|生徒一人ひとりの可能性を広げる、文武両道の学び舎

尾道中学校・高等学校

多様な進路、多彩な教育、そして生徒の変化を信じて見守る姿勢——。
尾道学園が育てるのは、知性と人間性を兼ね備えた「未来を切り拓く力」です。

中高一貫で広がる進路選択の幅

半田:本校は、広島県尾道市にある中高一貫校です。もともと高校から始まった学校ですが、平成18年に中学が併設され、今年度は中高合わせて約750名の生徒が在籍しています。

中学校は、少人数でアットホームな環境の中、1学年30〜40名で運営しており、生徒一人ひとりに向き合う教育を大切にしています。

高校は1学年220〜250人ほどで、普通科と工業科(機械科・電気科)に分かれています。
普通科には「最難関コース」「難関コース」「総合進学コース」「スポーツコース」があり、それぞれ国公立大学、私立大学、短大や専門学校など多様な進路希望に対応しています。

工業科では、機械や電気の技術を学ぶことで、卒業後すぐに即戦力として働ける力を養います。溶接や旋盤、プログラミングといった実践的な授業も充実しています。

卒業後の進路に関しては、普通科は進学、工業科は就職を選ぶ生徒が大半ですが、普通科の生徒が就職、工業科の生徒が大学進学を目指す場合もあり、どのような進路希望にも柔軟に対応できる点は本校の大きな強みです。

「自分で頑張る力」と「協働する力」を育てる

半田:本校が唱える「文武両道」は、ひとつの学校の中に勉強を頑張る生徒がいればスポーツを頑張る生徒もいる、というものではありません。生徒一人ひとりが、勉強のように「自分で頑張ること」と部活動や学校行事のように「みんなで頑張ること」、どちらも大切にし、「自分と向き合い、自らを成長させる力」と「仲間と協働し、支え合う力」を中学時代、高校時代から養ってほしいという思いを持ってこの言葉を使っています。

本校では、勉強を頑張る生徒も部活動や学校行事を思いっきり楽しんでいますし、部活に打ち込む生徒にも勉強をいい加減にさせる訳にはいきません。一人ひとりが自分の力を磨きながら仲間と共にそれぞれの目標を追いかけるこの環境が、生徒たちをたくましくのびのびと育てているという実感があります。

この春、広島大学の医学部医学科に現役合格した生徒もいますが、彼は尾道中学校から内部進学生として最難関コースへ進み、高校では科学部とかるた部に所属し全国大会にも出場しました。まさに私たちが思う「文武両道」を体現してくれた生徒でした。

独自の取り組み「7つの習慣J」プログラム

半田:中学・高校共に「7つの習慣J」という教育プログラムを導入しています。これは、人生において大切な原則や習慣を学ぶもので、年間35時間、道徳や総合的な探究の時間を使って実施しています。

年間の行事や生徒の成長段階に合わせて、各習慣を効果的に学べるよう工夫しているのですが、このプログラムは、中学校・高等学校としては広島県で本校だけが導入しており、自ら学び、他者と協働しながら成長する力を育むことができます。

校内のどこでも英会話が飛び交う環境

半田:もう一つの大きな特徴が「英語教育」です。本校にはネイティブの先生が3人在籍しており、ALT(アシスタント)ではなく、正規の教員として授業から学校行事、クラブ活動、掃除に至るまで生徒と関わります。

中学では、1年生から英語の授業をオールイングリッシュで行っており、最初は先生の質問に単語で答えるレベルから始まりますが、学年が上がるごとに会話力やプレゼン力がしっかりと育まれていきます。また3月に開催される英語スピーチコンテストでの3年生の発表は教員が驚くほど素晴らしく、3年間での大きな成長を見せてくれます。

英語を通じて視野を広げ、将来の夢や進路を見つけていく生徒も多く、たとえば1年間の留学を経て「飛行機を作りたいから工学部に進む」と夢を語る生徒もいます。

教員としての原点と、教育に込める想い

半田:私はもともと警察官として勤務していましたが、音楽の教員免許を持っていたことも影響したのか音楽隊へ異動になりました。演奏活動を通じて様々な場所を訪れ、とある小学校での訪問演奏が私の人生の転機となりました。

その小学校ではコンサートの後で子どもたちに楽器を教える時間があったのですが、たったの30分でみるみる成長していく子どもたちの吸収力に大変驚きました。帰りのバスでふと頭をよぎった「あの子たちは1週間後、1カ月後どれだけ成長しているんだろう」という思いがどんどん膨らみ、「音楽を通じて、子どもたちと継続的に関わっていきたい」という強い思いへと変わった時には、教育の道へ進むことを決意していました。

成長を「待つ」時間を大切にする

半田:私自身、せっかちな性格だと思っているのですが、演奏指導の中で生徒たちに「待つこと」の大切さを教えてもらったような気がします。

「早く大きくなれ」と、木に無理やり大量の水や肥料を与えても育たないように、子どもたちも指導だけで急成長させることはできません。

小さなアドバイスが、生徒の中で時間をかけて栄養となり、数週間後に大きな変化となって現れる。その成長を信じて待つこと、成長を願い見守る姿勢は、部員たちにも浸透しているようで、後輩たちを指導する先輩チームの優しい表情は、本校音楽部の自慢です。

音楽部のスローガンは「昨日の自分を毎日超えろ」。他人と比較するのではなく、過去の自分と向き合うことを大切にしています。昨日よりも3小節先まで演奏できるようになった、先週より積極的に声掛けができるようになった——。そんな小さな変化の積み重ねを認め合う文化を築いていきたいと思っています。

尾道中学校の認知度を広げたい

半田:私は現在、広報・募集部長も務めています。尾道高校は古くから知られていますが、中学校はまだまだ知られていないのが現状です。

そこで、今年度は「オノチュウを知ってほしいパンフレット」という小型のリーフレットを作成して小学校や市内の家庭に配布しました。また土曜日に小学生向けの体験イベントを開催し、英会話や競技かるた、バッジ作りやプログラミングなどを通して、楽しい時間を過ごしながら尾道中学校を身近に感じてもらえるよう工夫しています。

地域に根ざした教育を目指し、尾道の子どもたちを地域全体で育てることに学校として貢献できるよう、これからも様々な取り組みを考え進めていきたいと思っています。

最後に、入学を検討されている皆さんへ

半田:学校選びにおいて、私は「選択肢を狭めないこと」と「自分で選ぶこと」を大切にしてほしいと思っています。たとえ最終的に元々考えていた学校を選ぶにしても、たくさんの選択肢の中から「なぜその学校を選ぶのか」という明確な思いを持つことが、学びへの姿勢を変えるきっかけになります。

尾道学園が、その選択肢の一つとして、真剣に考えてもらえるよう、これからも魅力ある教育を届けていきたいと思います。