自然の中で伸び伸びと学ぶ「田園の教育」、一人ひとりに寄り添う少人数制指導、そして英語・プログラミングといった先進的な取り組み——。
100年の歴史を持つむさしの学園小学校で、これからの時代を生きる子どもたちはどのように育っていくのでしょうか?
教育理念から今後の展望まで、校長の青木洋介先生にたっぷりお話を伺いました。

教育の土台は「キリスト教精神」と「自然の中で育む学び」
ーまずは、むさしの学園小学校の教育理念について教えてください。
青木:むさしの学園小学校の教育の土台には、聖書に基づいたキリスト教精神があります。とはいえ、特定の信仰を強制するものではなく、「私たち一人ひとりが神から大切なものを授かっている」という感謝と敬意の姿勢を持つことが中心です。
そのうえで私たちが大切にしているのは、「自然の中でのびのびと過ごすこと」。これを「田園の教育」と呼んでいます。人はそれぞれに最善の力を授かっていると考え、その力を引き出す最適な環境は、やはり自然の中だと信じているのです。
少人数だからこそ実現できる“寺子屋”教育
ー田園の教育とともに、少人数制教育も特徴的だと伺いました。
青木:はい。私たちは、かつての寺子屋のような師弟関係をイメージした学びを理想としています。教員が子ども一人ひとりと密に関わり、その子の個性や成長に応じた指導を行う。それを実現するために、現在は1学級24人以下、概ね20人前後を目指して編成しています。
大人数のクラスが主流だった創立当初(100年前)から見ても、ずっと少人数にこだわり続けてきました。
子どもたちが自然と学ぶ、体験中心の活動
ー教育理念を具現化するような、具体的な活動についても教えてください。
青木:毎週水曜日には「野川の時間」と題し、近くの野川公園で自然とふれあう活動を行っています。また、夏には2年生から6年生までが参加する臨海学校があり、現在は学年に応じて3泊〜5泊程度の海浜生活を体験します。
学びの面でも、算数では「水道方式」の教材を活用し、具体物を使った操作や体験を重視。教師が子どもたちの間を回りながら、その場で理解度を確認するような丁寧な指導を心がけています。
国語は「読む力」と「書く力」の土台をしっかり育てる
ー国語教育においてもユニークな取り組みがあると伺いました。
青木:週9時間ある国語の授業は「テキストの学習」「文字の練習」「個別読書学習」の3つに分かれています。特に1〜3年生では個人差が大きいため、個別読書指導の時間を通じて、それぞれのペースで語彙や表現力を伸ばすことを大切にしています。
英語は“学ぶ”だけでなく“使う”環境づくりが鍵
ー英語教育にもかなり力を入れている印象です。
青木:校舎の近くにアメリカンスクールや東京外国語大学があるという地の利を活かし、基礎学習としてのフォニックスと、実践的に“使う場”の両立を目指しています。
例えば、小学2年生同士がアメリカンスクールを訪れて一緒に遊んだり、4年生になるとアメリカンスクールの高校生と理科実験をしたりと、自然な形で英語に触れる交流機会を設けています。

「基礎基本」と「たっぷりの遊び」が土台にある
ーむさしの学園で育つことの意味について、あらためて伺えますか?
青木:私たちは「基礎基本」を大切にしています。学力面はもちろん、人間生活の基盤である挨拶や掃除、そして何より「たくさん遊ぶこと」。
1コマ40分の授業に対して10分の休み時間を挟むスタイルにしており、外でしっかり遊ぶことで心身の健やかさや集中力、対人関係力を養っていきます。
外部連携や新たな挑戦で、これからの教育を拡張していく
ー今後、さらに力を入れていきたい取り組みについて教えてください。
青木:今後は、外部機関との連携を通じて、子どもたちの対人コミュニケーション機会を増やしたいと考えています。例えば、留学生や異文化背景を持つ方々との交流、アメリカンスクールとのさらなる協働などが考えられます。
また、試験的な取り組みとして「英語で学ぶプログラミング」クラスも実施しています。これは今後、カリキュラムに発展できる可能性があると思っています。
保護者の皆さまへのメッセージ
ー最後に、この記事をご覧になっている保護者の方々へメッセージをお願いします。
青木:私たちむさしの学園小学校では、自然の中でのびのびと遊び、先生と子どもがしっかり関わる学びを大切にしています。そこに、新たな時代に応じた英語やプログラミングといった学びも取り入れながら、子どもたちの“子ども時間”を豊かにする環境を整えています。
もしご関心をお持ちいただけましたら、ぜひホームページをご覧いただいたり、見学やイベントにお越しいただければ幸いです。