開星中学校・高等学校は2024年に創立100周年を迎えました。長い歴史の中で培われた「建学の精神」を基軸に、社会に貢献できる子供たちの育成を目指しています。本記事では、開星中学校・高等学校の未来を描く挑戦!100周年から次世代へと題して開星中学校・高等学校の教育理念や特色、さらに新たな取り組みについて詳しくご紹介します。
学校の教育理念と特色について教えてください。
今年で創立100周年を迎えましたが、創立当初からの「建学の精神」を大切にしています。この理念に基づき、「品性の向上」を教育の柱とし、社会の発展に役立つ有望な人材の育成を目指しています。この教育目標を実現するために、スクールポリシーを整備し、カリキュラムポリシー、アドミッションポリシーなどを通じて学校全体の方向性を統一しています。昨年度には新たなグラウンドデザインを作成し、建学の精神を教育目標に反映させた明確なビジョンを提示しました。
推薦入試や入学の取り組みについて教えてください。
今年度から入試改革として、新たに「パスポート入試制度」を導入しました。この制度では学力試験を課さず、見えない学力としての非認知能力を評価する仕組みを取り入れています。これにより、再チャレンジを希望する生徒ややる気に満ちた生徒を積極的に受け入れています。出口にあたる大学進学では、総合型選抜に力を入れており、生徒の探究活動を通じて自分自身を見つめ直し、それぞれの進路を実現するサポートを行っています。
さらに、入学後も生徒一人ひとりに寄り添った教育を提供するため、カリキュラムポリシーに基づく個別対応を行っています。この取り組みを通じて、生徒たちが自分の強みを活かしながら学びを深める環境を整えています。
生徒にどのような力を身につけてほしいとお考えですか?
最も大切にしているのは「品性の向上」です。当校では道徳教育を柱に据え、人としてどう生きるべきかを教えています。道徳教育を通じて、モラルや品性を重視し、生徒が社会で自分の役割を果たすための基盤を築いています。また、人権意識を育むことも重要であり、生徒たちが自己を理解し、世界に人としてどのように貢献できるかを考えられるよう指導しています。
さらに、当校では「探究活動」を教育の重要な柱と位置づけています。生徒が自身の興味や関心を追求し、新しい知識やスキルを得ることで、未来への希望を持ち続けられるようサポートしています。
受験指導に関して基本的な考え方を教えてください。
当校では、単なる受験指導ではなく、キャリア教育の一環として受験を位置付けています。5年生・6年生(高校2・3年生)では、生徒一人ひとりが自分の進路に合わせてオーダーメイドの時間割を作成します。これにより、探究活動とキャリア教育を融合させ、生徒が自己を理解し、自分の目標に向かって進むことを支援しています。
また、キャリア教育の一環として、社会人講師による特別授業や、企業との連携プログラムも実施しています。これにより、生徒たちは実社会での経験を積み、自身の将来像を具体的に描く力を養っています。
保護者との連携や工夫されている点を教えてください。
今年度から「保護者の会」を立ち上げ、従来のPTAに代わる新たな形で保護者との連携を深めています。保護者が主体となり、学校活動への支援や地域連携など、積極的に関与いただける環境を整えています。これにより、生徒たちへの支援体制をさらに強化しています。
加えて、保護者向けの教育セミナーや情報交換会も定期的に開催していこうという動きもあります。これにより、保護者自身が家庭教育の一環として積極的に関わり、生徒の成長をより深くサポートできる環境を作り上げています。
時代の変化に対応した取り組みについて教えてください。
コロナ禍を経て、オンライン授業やオンデマンド授業を積極的に取り入れています。これまで試験的に月に一度のオンライン授業を実施し、災害時や遠距離通学の生徒にも対応できる体制を構築しました。これにより、どんな状況下でも教育を止めない仕組みを整えました。
また、ICTを活用した教育環境の整備も進めています。オンライン授業の効果を高めるために、教員の研修を定期的に実施し、最新の教育技術を活用しています。これにより、生徒一人ひとりの学びをより深める教育を提供しています。
受験期の生徒の不安やストレスへの対応はどのようにされていますか?
今年度、健康支援センターを設立しました。このセンターでは、専任の主幹を中心に養護教諭2名に加え看護師とカウンセラーを配置し、生徒の心身のケアを行っています。さらに、個別対応を重視し、生徒一人ひとりの状況に応じたきめ細やかなサポートを提供しています。また、モチベーション維持のために、今後は食堂において合格祈願メニューを提供するなど、学校全体で生徒を応援する取り組みも行っています。
受験を控えた生徒や保護者へのメッセージをお願いします。
受験生の皆さんには、健康管理を最優先に、自信を持って試験に臨んでほしいと考えています。当校で学んだことを誇りに思い、次のステップに進むための勇気を持ってください。また、保護者の皆さまには、子供たちの努力を支えるサポートを引き続きお願いしたいと思います。
当校は、これからも選ばれる学校として進化を続け、全国に認知される存在を目指してまいります。そして、受験に成功するだけでなく、生涯にわたり社会の発展に役立つスキルや価値観を育むことを使命としています。
今後の展望
開星中学校・高等学校は来年から101年目を迎えます。Next200に向け、学校運営の基盤をさらに強化し、持続可能な発展を目指しています。また、地域社会や国内外の教育機関との連携を強化し、教育の枠を超えた新たな可能性を追求します。
さらに、教員養成にも力を入れています。全国的に教員不足が問題視される中、開星中学校・高等学校は教員養成の拠点としての役割を果たすべく取り組みを進めています。これにより、教育現場の課題を解決し、次世代の教育を支える人材を育成していきます。
また、地域との連携をさらに深め、開かれた学校として学校が地域社会の中心となる活動を推進していきます。これにより、生徒たちが社会とつながる実践的な学びを得られる環境を整備していきます。