名古屋国際中学校・高等学校は、創立以来のフロンティアスピリットを受け継ぎながら、国際バカロレアプログラムの導入など、グローバル人材の育成に力を入れています。丁寧な進路指導と、英語学習や探究学習などによる語学力・課題解決力の育成を通じて、世界で活躍できる人材の輩出を目指しています。充実した英語教育環境と、生徒一人一人の個性を重視した教育アプローチにより、国内のみならず海外への大学への進学実績も着実に伸ばしています。今注目を集めている名古屋国際中学校・高等学校の独自の教育方針やカリキュラムについて、同校の内藤先生にお話を伺いました。
創立の精神から受け継がれる国際感覚
−まず名古屋国際中学校・高等学校の教育理念や特色について教えてください。
内藤様:本校のスクールミッションは「世界と日本の未来を担う国際人の育成」です。このミッションの実現を目指し、本校では日本人教員はもちろん、多くのネイティブインストラクターも一丸となって、グローバルな環境での教育を実践しています。これは、生徒たちが将来、様々な国籍や価値観を持つ人々と協働する際に必要となる、「相手の意見を受容しつつ自分の主張も適切に伝えられる資質」を育むためです。
−その国際色豊かな教育は、創立時から続いているのでしょうか?
内藤様:この国際的な視点は、創立者である栗本祐一先生の精神に基づいています。栗本先生は日本人として初めてカナダのアルバータ大学を卒業し、帰国後に名古屋鉄道学校を設立しました。海外での見聞を通じて次世代の日本を考えるという創立者の理念は、現在の国際教育にも脈々と受け継がれています。
さらに、この建学の精神は現代のグローバル化する社会により一層その重要性を増しています。生徒たちは日々、多様な文化的背景を持つ教職員や留学生との交流を通じて、自然な形で国際感覚を養っています。
教育の国際化を推進する大学への進学支援
−中高一貫教育を実施されていると存じますが、生徒様にとって最終的な出口となる「大学進学」や「卒業後の進路」への指導に関して、基本的な考え方をお聞かせください。
内藤様:進路指導において特に重視しているのは、「教育の国際化を推進している大学への進学」です。具体的には、積極的に留学生を送り出したり受け入れたりしている大学はもちろん、イギリスの高等教育専門誌である「Times Higher Education」の世界大学ランキング、文部科学省が認定している東京大学をはじめとする国内のスーパーグローバル大学など、国際化に関し外部的な評価が得られている大学などを指しています。
−国際的な進路実現に向けて、特に重視されている取り組みについて教えてください。
内藤様:まずは英語力の育成が重要です。放課後には英検対策講座を開設し、英検1級までの対策を行っています。特徴的なのは、学年を超えた習熟度別のクラス編成で、生徒の実力に合わせた効果的な指導を実現しています。
また、英語学習と平行して、本校は文部科学省の「WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム」のカリキュラム開発拠点校として、様々な探究学習にも力を入れています。これらの活動は、大学入試における総合型選抜での自己アピールにも直結しています。
−中学校から入学する生徒と高校から入学する生徒で、進路に違いはありますか?
内藤様:探究的な学びに慣れているのは中高一貫の生徒たちです。6年間かけて探究学習にじっくり取り組み、それを武器に進路を展開していく生徒の割合が高いですね。一方、高校から入学する生徒は、英語学習への興味関心が高い傾向にあります。本校の「英語」というイメージに惹かれて受験してくる生徒が多いように感じます。
探究学習を通じた課題解決力の育成
−探究学習の具体的な取り組みについて教えてください。
内藤様:本校では、例えば企業との協働による探究活動を積極的に行っています。「WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム」の活動では、実際の企業と連携して商品開発を行う部活動を設置しています。こうした活動を通じて、実社会での課題発見・解決能力を育成しています。
−探究学習の成果はどのように評価されているのでしょうか?
内藤様:探究学習の評価は、従来のペーパーテストでは測れないため、多様な評価方法を採用しています。プレゼンテーション、ポスターセッション、ディベート、課題論文など、様々な形式でアウトプットを求めています。これは現在の大学入試、特に総合型選抜でも重視される要素と合致しており、実際の入試でも強みとなっています。
また、生徒たちは日常的にこうしたプレゼンテーションやディスカッションを行っているため、「与えられたテーマについて考えをまとめ、発表する」という課題にも柔軟に対応できます。例えば、入試で「この資料を読んで1時間後にプレゼンテーションしてください」といった課題が出ても、普段の学習経験を活かして効果的に対応できています。
国際バカロレアによる特色ある教育プログラム
−特に注力されているプログラムや、今後さらに力を入れていきたい取り組みについて教えてください!
内藤様:本校の特徴的な取り組みとして、国際バカロレア(IB)プログラムの提供があります。中学1年から高校1年までのMiddle Years Programme(MYP)と、高校2・3年次のDiploma Programme(DP)を実施しています。日本の一条校(学校教育法第1条に定められた学校)でこの両方のプログラムを英語で提供できる学校は、全国でも数校程度しかありません。
DPの最終試験に合格すると、高校普通科の卒業資格に加えて国際バカロレア資格も取得でき、海外大学進学に大きなアドバンテージとなります。実際に、世界大学ランキング200位以内の大学への進学者も年々増加しており、ここ2年間で合計24名の生徒が合格を果たしています。
ただし、本校は必ずしも帰国生や英語が堪能な生徒だけを対象としているわけではありません。入学時点での英語力は問わないクラスも設けており、入学後に段階的に英語力を伸ばしていける体制を整えています。
アットホームな環境を活かした個別指導
−多様な進路希望を持つ生徒様たちに対して、どのようなサポート体制を整えていらっしゃいますか?
内藤様:中学と高校を合わせて全校生徒が700名程度という比較的コンパクトな規模感を活かし、きめ細かな指導を行っています。生徒・保護者・教員間で共通のメールドメインを使用し、常時コミュニケーションが取れる体制を整えています。また、生徒が関心を持つ分野に最も詳しい教員が個別指導を担当するなど、フレキシブルな対応を心がけています。
−思春期の生徒様においては、進路に関する様々な悩みが生じるかと思われます。進路選択に迷いが生じた場合は、どのようにサポートされていますか?
内藤様:進路選択においては、生徒の主体性を最大限尊重しています。教科担当や担任が適性を見て助言を行うことはありますが、基本的には生徒自身が選んだ進路に対して、担当教員が最大限のサポートを提供する方針です。また、部活動顧問や海外研修引率教員など、様々な場面で生徒と関わる教員が連携し、多角的な視点からの指導を行っています。
充実した教育環境と地理的優位性
−名古屋以外にお住まいの生徒様も多くお通いになられていると伺っておりますが、具体的にどのような状況でしょうか?
内藤様:名古屋駅からも比較的近いという好立地を活かし、愛知県内はもちろん、岐阜県や三重県からも生徒が通学しています。特に国際バカロレアプログラムを提供する学校が中部・東海圏では限られていることから、教育環境を求めて関東・関西圏などから転居してくる家庭も増えています。
−最後に、貴校への進学を検討・志望されている方々へメッセージをお願いします。
内藤様:本校の強みは、一名の生徒に対して様々な教員が関わり、機動力高く、かつ多角的な視点でサポートできることです。関わる全ての教員が、ひとりの生徒が持つ潜在的な可能性を見出し、あらゆる教育機会をもってその才能や能力を開花させていく。そのような環境にご理解・ご共感いただける方々に、ぜひ入学をご検討いただければと思います。
本校だからこそ実現できる、きめ細かな指導と温かい学びの環境で、生徒の皆様にはぜひ世界で活躍できる人材になっていただきたいと考えています。