未来を見据えた教育実践 ―東京成徳大学中学・高等学校が掲げる「自律した学習者」育成への挑戦―

「成徳の精神を持つグローバル人材育成」を掲げ、中高一貫6年間教育と高校3年間教育を展開する東京成徳大学中学・高等学校。

セブ島語学研修やニュージーランド学期留学など、特色あるグローバル教育プログラムを通じて、世界で活躍できる人材の育成に力を入れています。同校が目指す教育の今とこれからについて中学入試広報部部長の岩崎氏にお話を伺いました。

東京成徳大学中学・高等学校の理念と概要

ー東京成徳大学中学・高等学校の教育理念と学校の概要について教えてください。

岩崎氏:本校は中高一貫6年間教育と高校3年間教育を並行して提供している学校です。2026年に創立100周年を迎える歴史ある学園の一部として、大学や幼稚園なども含む総合的な教育機関となっています。

学園全体のビジョンとして掲げているのは「成徳の精神を持つグローバル人材育成」です。「成徳の精神」とは、創立時からの理念である「誰からも愛される人間になる」という考えを指しており、それを世界規模で考えた人材の育成ビジョンを指します。

つまり、われわれの考えるグローバル人材とは単なる英語力の向上ではなく、世界規模で様々な人から信頼され、愛される人材の育成を目指すものです。

特に中高一貫部では「創造性とチャレンジ精神を重視した人材育成」を教育目標に掲げ、自律した学習者(Distinguished Learner)の育成を目指しています。従来型の「教え型」に加えて「生徒が自ら学ぶ学び型」を取り入れ、「未来・世界・自分」という3つの視点から、生徒一人一人の可能性を引き出す教育を実践しています。

私たちは、生徒が6年間の学びを通じて、将来に必要な力を身につけ、自分なりの世界観を確立し、様々な可能性に挑戦できる人材へと成長することを支援しています。このビジョンのもと、創造性、主体性、チャレンジ精神を重視した特色ある教育プログラムを展開しています。

ICTを活用した革新的な授業展開

h2 東京成徳大学中学・高等学校のICT教育への取り組み

ー御校のICT教育について、具体的な取り組みをお聞かせください。

岩崎氏:本校では、ICTを単なる「活用」ではなく、学びを深めるための重要なツールとして位置づけており、生徒一人一人がタブレット端末を持ち、様々な授業で活用しています。

例えば、文章読解の授業では、生徒が自身の読解プロセスを視覚化し、説明する取り組みを行っています。情報を取り入れ、整理し、理解するという過程を生徒自身がイメージ化することで、より深い学びにつながるのです。

また、文学作品の学習では、従来の感想文にとどまらず、マルチメディアを活用した創造的な学習を展開しているのも特徴的です。具体的には、太宰治の作品を学ぶ際に、作家の生涯と作品の関連性を調べ、スライドショーとナレーションを組み合わせた発表を行うなど、生徒の理解をより深める工夫をしています。

さらに、当校はプログラミング教育にも力を入れています。数学の概念をVRで体験的に学んだり、歴史上の人物になりきってプレゼンテーションを行ったりするなど授業内容はさまざまです。実際に専門の講師を招いてプログラミングの授業を実施しています。

こうした取り組みを通じて育った生徒が総合型選抜で慶應義塾大学に合格するなど、次世代の入試にも対応できる力を身につけています。これは、本校のICT教育が単なるデジタル機器の使用にとどまらず、真の学びのツールとして機能している証だと言えるでしょう。

グローバル教育プログラムの特徴

ーグローバル教育について、具体的な取り組みをお聞かせください。

岩崎氏:本校のグローバル教育の特徴は、段階的な学習機会の提供と生徒の主体的な選択を重視している点です。

中学2年生では、全員が2週間のセブ島語学研修に参加するのですが、この研修は実際のグローバル環境で学ぶことの意義を体感する重要な機会となっています。

この経験を踏まえて、中学3年生の3学期には、生徒自身が選択できる2つのプログラムを用意しています。一つは3ヶ月間のニュージーランド学期留学、もう一つは国内で実施するグローバルプログラムです。こうした選択制を採用することで、生徒一人一人が自分に合った形でグローバルな学びを深めることができます。

また、日常的な取り組みとして、海外の学校とオンラインで結び、クイズ大会などの交流イベントも実施しています。このように、実際の海外経験と日常的な国際交流の機会を組み合わせることで、生徒たちのグローバルな視野を広げ、世界で活躍できる人材の育成を目指しています。

今後の展望

ー東京成徳大学中学・高等学校の今後のビジョンについてお聞かせください。

岩崎氏:本校が最も重視しているのは、社会で活躍できる人材の育成です。単に特定の大学への進学実績や偏差値の向上を目指すのではなく、生徒一人一人が持つ多様な可能性を見出し、それを最大限に伸ばすことで、次のステージへと繋げていきたいと考えています。

近年では、共働き家庭の増加に伴い、社会的スキルの獲得を重視した本校の6年間の教育に対する期待が高まっています。これを踏まえ、今後はさらに実社会との接点を増やし、生徒たちが自分の可能性を探求できる機会を充実させていく予定です。

私たちは、生徒が主体的に学び、自らの未来を切り開いていく力を育むことを大切にしています。これからも時代の変化に対応しながら、生徒一人一人の成長をサポートし、社会に貢献できる人材の育成に力を注いでまいります。

受験生へのメッセージ

ー最後に、受験を検討している生徒や保護者の方へメッセージをお願いします。

岩崎氏:東京成徳大学中学・高等学校では、授業を積極的に公開し、教育内容を詳しく説明する機会を設けています。オープンスクールや学校見学会、体験授業などを通じて、実際の教育現場をご覧いただき、本校の特色ある教育を体感してください。

近年では、保護者の方から「自分もこのような教育を受けたかった」という声も多く寄せられ、そうした共感が第一志望合格者の90%以上という高い入学率につながっています。本校は、単なる進学実績や偏差値だけでなく、6年間の学びを通じて、生徒一人一人が持つ可能性を最大限に引き出すことを大切にしています。

ぜひ、本校の教育理念に共感いただける方は、オープンスクールや学校見学会にお越しください。生徒・保護者の皆様とお会いできることを心よりお待ちしております。