「誰もが学べる場所を」―学生団体が挑む教育格差是正、無料オンライン塾GETの挑戦-代表の濱田さんにインタビューしました!

「誰もが学べる場所を」というビジョンを掲げ、完全無料のオンライン学習支援を提供する「オンライン塾GET」。運営するのは、16歳から20歳の学生たちです。

コロナ禍での自身の経験から教育格差の問題に気づき、その解決に挑む​学生団体Get CHANCE。塾の立ち上げから2年、主体性を育む独自の教育支援で、経済的・地域的な壁を超えた学びの場を創出しています。

今回はそんなオンライン塾GETの代表濱田さんに、設立の経緯や理念、今後のビジョンについて話を聞きました。

サービス概要

ーまずは御社のサービスについて教えてください。

濱田:私たちは「オンライン塾GET」という名称で、主に中学1年生から中学3年生を対象に無料のオンライン学習支援サービスを提供しています。運営母体は学生団体「​学生団体Get CHANCE」です。

教育格差是正を掲げる私たちは、経済的な事情や地域の事情など、様々な理由で塾に通えない生徒たちを主なターゲットとしていますが、一方で教育は全ての人に開かれるべきという考えから、家庭の経済状況に関わらず、どなたでも受講いただける塾となっています。

指導内容と特徴

ー具体的な指導内容について教えていただけますでしょうか。

授業は5教科を中心に行っており、そのうち3教科は複数人での集団指導、残りの2教科は個別サポートという形態をとっています。特徴的なのは、授業での対話重視のアプローチです。講師はボランティアとして参加していますが、生徒との1対1の対話を重視しながら指導を行います。

また最も重視しているのは「主体性の育成」です。教育格差是正を目的とする塾として、単なる学力向上だけでなく、一人一人が「学びたい」「勉強したい」と思えるような授業スタイルを目指しています。具体的には、対話型の授業や、勉強する意味の理解、進路選択の指導などに重点を置いています。

また、生徒一人一人に高校生または大学生のメンターが付き、2週間に1回、15分から30分程度の面談を行っていることも特徴です。面談では定期テスト対策のスケジュール管理から部活動の相談まで、幅広い支援を提供しています。

設立の経緯

ーなぜこのサービスを始めようと思ったのでしょうか?

濱田:元々は様々な習い事をさせて頂いてたのですが、高校入学直前にコロナが流行し、実家の居酒屋経営が影響を受けたことにより、塾に通いたいと思っても、家計の状況から言い出せなかったという経験があります。

この経験から、教育格差の問題を改めて認識し、コロナ以前からより深刻な状況にある人々がいるのではないかと考えるようになりました。対面での支援は費用面でハードルが高いため、Zoomさえあれば実現可能なオンライン形式を選択し、全国に届けられる無料のオンライン塾を立ち上げることを決意しました。

当初は私一人からのスタートでしたが、様々なコミュニティに声をかけ、最終的に28名のメンバーと共に2021年8月22日に団体を設立。1年間の準備期間を経て、2022年6月に塾を開校しました。

他社との差別化ポイント

ー他の塾との違いについて教えてください。

濱田:最大の特徴は、運営母体が学生であることです。16歳から20歳程度の高校生・大学生が中心となって運営しており、中学生に近い年代のメンバーから、実際に中学生を経験して今は大学生というメンバーまで、幅広い年齢層で構成されています。

講師陣は主に社会人と大学生のボランティアで、大学生の多くは塾での指導経験を持っています。また、教員免許を持ちながら一般企業で働いている社会人なども講師として参加しています。高校生は主にメンターとして活動し、2週間に1回の面談サービスを担当しています。

指導方針と今後のビジョン

ー今後、取り組んでいきたいことを教えてください。

濱田:私たちの理念の核となるのは、完全無料での教育支援です。特に中学生の場合、塾に通うかどうかの決定権は多くの場合保護者にあり、これが教育格差の根本的な原因の一つとなっています。完全無料であることで、生徒本人の意思で参加できる環境を作りたいと考えています。

また今後は月1回程度の進路関連講座の充実を図っています。私たちの進路部が主催し、専門家を招いての講演や、高校生・大学生による経験談の共有など、キャリアや将来設計に関する情報提供を強化していく予定です。

単なる学力向上だけでなく、将来設計やキャリア教育にも力を入れることで、より効果的な教育支援を目指しています。

入塾を検討される方へのメッセージ

ー最後に、入塾を検討されている方へメッセージをお願いします。

濱田:教育格差というと、経済的な困窮状態にある方々だけを想定されがちですが、実際はもっと多様な形があります。例えば、上の子の学費負担で下の子が塾に通えないといったケースも少なくありません。

経済状況だけでなく、様々な事情で教育機会に制限がある方々に門戸を開いています。教育は権利であり、広く平等にあるべきものだと考えています。お金以外にも様々な不都合を抱える方々に、ぜひ私たちの塾を活用していただきたいと思います。入塾希望の方には、まず全ての授業を1回ずつ体験できる機会を設けています。

どんな方でもお待ちしていますのでぜひお気軽にお問合せ下さい!