【川俣夜山 尺八・笛教室】体験に寄り添う指導で誰でも始められる和楽器の世界へ

「尺八や篠笛って難しそう…」「楽譜が読めないと無理でしょ?」そんな先入観を覆す和楽器教室が注目を集めています。『川俣夜山 尺八・笛教室』の主宰・川俣夜山氏は、大学時代に全くの未経験から尺八を始め、今では30年のキャリアを持つ演奏家兼指導者。「アニメの主題歌が吹きたい」「着物を着て演奏したい」「コスプレのリアリティを高めたい」 — そんな自由な動機でも大歓迎という、従来の古典芸能教室とは一線を画すアプローチで話題を呼んでいます。

お子さまからシニア世代まで、楽譜が読めなくても、音楽経験ゼロでも始められます。教職課程で培った指導技術と、自身の体験を活かした「一人ひとりに寄り添う指導法」で、生徒の「やってみたい」気持ちを大切に育んでいます。和楽器バンドブームや海外からの逆輸入で注目が高まる今、新しい和楽器の世界をのぞいてみませんか?

川俣夜山(かわまた やざん)
都山流尺八を川村泰山氏に師事。 民謡尺八を米谷智氏に師事。 尺八製管・道曲を素川欣也氏に師事。 篠笛・能管を望月美沙輔氏に師事。アレクサンダーテクニークを石井ゆりこ氏に師事。

都山流尺八楽会准師範試験、師範試験ともに首席登第。
NHK邦楽技能者育成会第45期修了。
日中友好箏の調参加。
都営大江戸線開通記念事業にて演奏。
サントリーホールにて立川志の輔公演に参加。
リトアニア大統領歓迎レセプションにて演奏。
高円宮妃殿下御出席「衣分はじめの儀」の音楽にて尺八演奏。
文化庁芸術祭参加公演多胡寿伯子現代バレエ公演「オセロ」にて尺八演奏。
日本郵船公社飛鳥Ⅱデビュークルーズにゲストエンターテイナーとして参加。
都山流尺八楽会主催都山流尺八本曲コンクール銅賞。
文化庁新進芸術家国内研修制度研修員。
第13回長谷検校記念くまもと全国邦楽コンクールにて優秀賞受賞。
第一回リサイタル開催。
新韓国大統領就任記念演奏会にてオーケストラアジアとして演奏。
NHK邦楽オーディション合格。
都山流尺八楽会主催都山流尺八本曲コンクール銅賞。

お子さまからシニア世代まで!誰もが楽しめる和楽器レッスンの秘密

ー川俣さま、本日はどうぞよろしくお願いいたします。まずは『川俣夜山 尺八・笛教室』の概要について、どういった方を対象にされているのか、また指導内容について教えていただけますか?

川俣夜山 主宰(以下、敬称略):『川俣夜山 尺八・笛教室』では、その教室名のとおり、尺八や笛の技術を伝えております。対象年齢については、小さいお子さまからシニア世代まで、幅広く対応しております。

和楽器はどうしても敷居が高いイメージを持たれがちなので、どなたでも始めやすい環境作りを心がけています。小さなお子さんについては、指が届かない場合は小さいサイズの楽器を使用していただきます。どうしても難しい場合はお断りすることもありますが、基本的には小さい楽器を使えばどんな年齢の方でも対応可能です。特に小学校3年生以上の方であれば、息遣いも上手に使えるようになりますので、その辺りからが始めやすいかと思います。

ー具体的な指導内容についても、ぜひ教えてください。

川俣:年齢によって手の大きさが違うのはもちろん、同世代の方でも個人差がかなりありますので、生徒さんに合った適切な指導を行っています。

まず最初に「どんなことをやりたいか」をお聞きするようにしています。やってみたい曲があればそれが大きなモチベーションになりますし、好きな曲やこの楽器でやってみたいことを確認しながら進めています。

生徒さんがイメージする「かっこいい自分」、楽器を演奏することで「楽しそう」「これができたらかっこいい」と思えるような目標を大切にして指導していますね。

ーどのようなきっかけで篠笛や尺八の世界に入ってこられる方が多いのでしょうか?

川俣:最近では、活動休止してしまいましたが和楽器バンドなど、メディアに登場する機会が昔と比べて多くなってきています。若者が興味を持ちやすい橋渡し的な存在が少しずつ増えてきており、そこから「和楽器ってかっこいい」と感じて始められる方が多いようです。

日本人でありながら別世界のように感じる部分や、歴史好きの女性なども、そうしたきっかけで入ってこられることが多い印象です。

年齢層の高い男性の場合は、会社を退職して「何かやることを」という理由で始める方もいらっしゃいますが、若い方は自分の中でモチベーションがはっきりしている場合が多いですね。「この曲を吹いてみたい」とか、コスプレが好きな方が「リアリティを持たせるために吹けるようになりたい」という方もいて、私にとっても良い刺激になっています。

尺八が効果音で使われることも多くなりましたし、海外ドラマ「SHOGUN 将軍」の音楽なども話題になりました。日本人がなんとなく敬遠していたものを海外の方が評価して、それが逆輸入される現象は、80年代歌謡曲なども同様で、一つのサイクルがあると感じています。

SNSでも外国の方の方が興味を示すことが多いのですが、日本の若い方も偏見なく「単純にかっこいいからやってみたい」と思ってくださるようになりました。今まで「古臭い」と言われていたものが、一周回って新しく感じられる部分もあると思います。

縁もゆかりもない世界から始まった音楽人生

ー川俣さまがこちらの教室を始められた経緯やきっかけを教えてください。

川俣:古典芸能の世界では代々続けている指導者の方も多いのですが、私は全く縁もゆかりもないところから始めました。元々は小学校の先生になるための勉強をしていたんです。そこで突然尺八という楽器に出会い、その面白さに目覚めてしまいました。

演奏活動をしながら、人に尺八や篠笛を吹いていただいて「楽しい」と思ってもらうことが、私にとって一番面白い仕事だと感じるようになり、そこから今まで続けてこられました。

ー何歳頃から笛の稽古を始められたのでしょうか?

川俣:大学で尺八に出会いましたので、そこからです。音楽系の大学ではなく、小学校教諭免許を取得するための普通の4年制大学でした。ピアノ伴奏などの授業はありましたが、専門的な音楽教育ではありませんでした。今年で50歳になりますので、約30年間続けていることになります。

ー尺八のどういった点に面白さを感じられたのでしょうか?

川俣:最初は本当に才能がなかったと思います(笑)。全く音が出なくて、他大学との交流会でも同学年の中で一番上達が遅かったんです。それでも面白いと感じて、まず「音を出す楽しさ」に夢中になりました。

古典芸能に全く接点がなかったので、そういう曲があるんだということも含めて、すべてが新鮮でした。そこが一番面白かったのかもしれません。

実は小さい頃、姉がピアノを習いたがった時に、親から「片方だけやらせるのは不公平」と言われて無理やり連れて行かれたことがあるんです。その時は本当に嫌で、泣いて柱にしがみついて行きたがりませんでした。結局、姉より長く2年ほど続けましたが、その後少しだけ吹奏楽部に顔を出した程度で、ずっと音楽よりも美術の方が好きでした。

今こうして音楽が仕事になっていることも不思議ですし、着物を着て演奏できることも不思議に感じながらやっています。

体に負担をかけない演奏方法と個別最適化された指導

ー他の笛教室にはない、『川俣夜山 尺八・笛教室』ならではの特徴やアピールポイントを教えてください。

川俣:私は、30代の頃に体を壊してしまった経験があります。無理に楽器を吹いていたことが原因だったと思います。その時にとても苦労したため、その後は体の使い方について自分なりに勉強し、いろいろな先生方からもお話を伺う機会を作りました。そうした経験から、その人の体に合った演奏を楽しんでいただける教室を目指しています。

尺八や篠笛は難しいイメージがあるため、多くの方が必要以上に力を込めてしまいがちです。楽器を持つときもぎゅっと握りしめてしまったり、体全体がガチガチになってしまう方が多くいらっしゃいます。そういった方々に、その人にとって最適な演奏方法を一緒に探していくことが、他の教室との違いだと考えています。

また、体格や歯並びなどは、人それぞれ違います。私が吹奏楽部に属していた頃の指導は画一的でしたが、現代の指導方法は全く違います。古典芸能では「見て盗め」という部分もありますが、それでは分かりにくい方もいらっしゃいます。

「これをやってください」「これだけやってください」ではなく、ゴールに至るルートはいくつもあると思っています。その人にとって最適なルートを同じ目線で一緒に探していけたらと思っています。

ー画一的ではなく、それぞれの生徒さんに合った指導方法は、大学時代の教職課程での学びも活かされているのでしょうか?

川俣:そうですね。学校で教える際は、教室に20人30人の生徒がいても、皆それぞれ全く違う一人の人間です。同じことを言っていても、言葉の選び方を変えるだけで受け取られ方が全然違ってきます。

例えば、ハードルをクリアするためにやらなければいけないことは一つでも、言葉を変えてみることで納得していただけることがあります。言葉選びは教職課程、特に小学生への教育実習で学んだことですが、言葉の選び方によって相手の行動は全然違ってくるものだと実感しています。

ガチガチ緊張からの解放!体に優しい演奏技術の習得

ー生徒さんに指導する際に、特に意識していることや方針があれば教えてください。

川俣:やはり‟体の使い方”を重視しています。尺八は「苦しい楽器」というイメージを持たれることが多く、音を出し始める前からガチガチに緊張してしまう方も多くいらっしゃいます。

そのため、とにかく「必要最小限の力」、その人にとっての「良い塩梅」を見つけることを大切にしています。絶対にこうしなければいけないということはなく、その人にとって最適なバランスを目指しています。

月に2、3回のレッスンだと、その方が楽器に触れている時間のほんの一部しか一緒にいられません。ですから、できるだけレッスンの場で一緒に考えられるような教え方を心がけています。

アニメ曲もOK!楽譜が読めなくても始められる自由なレッスン

ー提供されているコースやプランについて教えてください。

川俣:基本的には1対1のマンツーマンレッスンです。働いていらっしゃる方が多いので、月2回、1時間ずつのレッスンが多いですが、ご希望に応じて時間数や月のレッスン数は調整可能です。

古典楽器の教室ではあまり行われていない「グループレッスン」も実施しています。最初は私も「無理だな」と思っていましたが、実際にグループレッスンをさせていただく機会があり、同じことをしている仲間が隣にいることは大きなモチベーションになることを実感しました。いろいろな人の意見が飛び交うのは、とても良い刺激になります。

現在は大人数のサークル指導やグループレッスンも大切にしたいと考えています。グループレッスンは場所や時間が限定されてしまいますが、必要に応じて対応しています。

ーレッスンで使用する曲についてですが、若い方でポップスなどをやりたいという方もいらっしゃるのでしょうか?

川俣:若い方でアニメの曲が吹きたい、特定のアニメの主題歌をこの楽器で吹きたいという方もいらっしゃいます。そういう場合は、その曲を吹くことを目標に練習を進めています。

もちろん難しい曲の場合は、その前にステップを踏む必要がありますが、吹いてみたい曲や好きな曲が一番のモチベーションになると考えています。ですから、やりたい曲がある場合は、それを目標に設定してレッスンを行っています。

ー音楽の素養がない完全初心者の場合、どのように指導されるのでしょうか?

川俣:まずは楽器の音が鳴りやすい、吹きやすい曲から始めます。シャープやフラットが付くと特殊な操作が必要になるので、そうした要素も考慮して選曲します。

楽譜を読む練習をすることもありますが、耳コピの方が得意という方もいらっしゃいますので、その場合は楽譜なしで進めることもあります。

ー楽譜を読むことは必須ではないのですね?

川俣:楽譜が読めた方が表現の幅は広がりますので、まずは挑戦してみることをお勧めしています。しかし、「楽譜は嫌だけれど、この曲だけは吹けるようになりたい」という方もいらっしゃいますので、そういう場合はその都度対応しています。

現在の生徒さんの中には、聞いただけで演奏できてしまう方もいらっしゃいます。そうでない場合は、私の演奏を録音してお渡しし、それを参考に練習していただくこともあります。楽しみ方は人それぞれですので、「〜しなければいけない」ということは極力避けたいと考えています。

「やりたい」という気持ちが一番大切だと思います。吹きたい曲があったり、「着物を着て演奏できたらかっこいい」というモチベーションでも全然構いません。

実際にコスプレが好きな方で、そこから楽器をやってみたいという方もいらっしゃいました。そういう動機でも全く問題ないと思います。極端な話、「異性にモテたい」というような動機でも良いんです。様々なモチベーションがあって、それをできるだけ潰さずに伸ばしていけたら一番良いと思います。

エフェクター×尺八?!伝統楽器が奏でる新しい音楽の可能性

ー今後どういった点をより強化していきたい、またはあらたに取り組んでいきたいことがあれば教えてください。

川俣:まず、古典的な曲をやらなければいけないというイメージを変えて、「笛で何でも演奏できる」ということを世の中に打ち出していきたいと考えています。

新しい取り組みとしては、機材関係に興味を持っています。古典芸能系ではマイクの使い方から難しい部分がありますが、様々な録音機材に今一番興味があります。ギターで使うようなエフェクターなども含めて、いろいろな形で演奏できたら、生徒さんにも今まで接点のなかった分野を試していただけると思います。

「かっこいい自分」を目指して!今注目の和楽器ブームの波に乗ろう

ー最後に、『川俣夜山 尺八・笛教室』に入会を考えていらっしゃる方に、ぜひメッセージをお願いします!

川俣:まずは「かっこいい自分」を思い描いてみてください。好きな曲をこの楽器で演奏している自分、着物を着て堂々と演奏している自分 — そんな姿を想像してワクワクできたら、それがスタートラインです。

「楽譜が読めないから」「音楽経験がないから」「年齢が…」そんな心配は一切無用です。私自身、50歳になった今でも「こんな教え方ができたらな」と日々学び続けています。生徒さんと一緒に成長していく、それがこの教室の魅力だと思っています。

一歩踏み出すのに勇気が要るかもしれませんが、その一歩があなたの新しい世界を開く扉になります。「この楽器ができたらかっこいいな」 — その気持ちがあったら、ぜひお気軽にお問い合わせください。お待ちしています!