就労支援センターKITARUが目指す「働きたい」を支える支援の形

「働きたい」という気持ちを持つすべての人に、その機会を。就労支援センターKITARUは、精神障害や発達障害をお持ちの方の一般就労を支援する福祉施設として2022年4月に開所しました。スキル習得だけでなく、働くことへの不安に寄り添い、安心感を力に変えていく支援を行っています。今回は就労支援センターKITARUの代表森さんに概要や特徴、設立の経緯についてインタビューしました!

サービス概要と提供内容

ー就労支援センターKITARU様ではどのような方を対象に、どのようなサービスを提供されているのでしょうか?

森さん:主に精神障害、発達障害、軽度の知的障害をお持ちの方が一般就労するための福祉施設を運営しています。午前中は就職時を想定した事務作業や軽作業、調理の仕事など実践的な作業を行い、午後はグループワークを実施しています。

午前10時から11時半までのデイプログラムでは実践的な作業を行い、昼食を挟んで午後1時半から3時まではグループワークを実施。金曜日は午後に2つのプログラムを設け、2つ目のプログラムではメンバー同士の相互交流を図る内容を中心としています。

設立の経緯とビジョン

ー2022年4月にサービスを開始されたとのことですが、どのような経緯で立ち上げられたのでしょうか?

森さん:私は精神保健福祉士として、精神障害のある方への相談支援、就労支援、居住支援を行ってきたのですが、武蔵野市で活動してきた経験を活かし、NPOを設立しました。

就労支援を通じて障害のある方々の社会参加を促進すること、また地域の方々が障害のある方々と共に働くことで障害への理解促進を図れればと考えています。

支援の特徴

ー他の就労支援施設との違いはどのような点にありますか?

森さん:就労支援施設は日本全国にあり、武蔵野市内にも複数の事業所があります。他の事業所との違いは、多くの事業所が塾のような形で、働く際のスキル習得をメインに据えているのに対し、当事業所では働くことへの不安を軽減することに重きを置いている点です。

スキルの習得だけでなく、事業所内で安心感を得ていただき、それを働く力に変換していくことを特徴としています。

メンバーへの配慮

ーメンバーの方との接し方で意識されていることはありますか?

森さん:メンバーのお話を評価せずに伺うことを非常に大切にしています。具体的にはその方が思っていることをできるだけそのまま理解し、一方で私たちが感じることは私たちの意見として伝えるようにするなど、対話を重視しながら活動を進めています。

また定期面談は利用者ごとに設定しており、個別性を重視した就労支援を行っています。不安がある時は週1回程度、スキル向上に重点を置いている方は2週間から1ヶ月に1回程度と、それぞれの目標や課題に応じて面談の頻度を調整しています。

KITARUでは、利用される方のことを”障害者”として捉えるのではなく、地域で生活する共に働く仲間という意味合いから”メンバー”と呼んでいます。

今後の展望

ー今後の取り組みについて考えられていることはありますか?

森さん:働くハードルをできるだけ下げていきたいと考えており、特に武蔵野市近隣で働ける環境を整えるため、商工会とのやり取りや地域活動への参加、ワークショップの企画などを行っています。

現在の障害者雇用は、法定雇用率に基づく大企業での雇用が中心ですが、私たちは地域の商店会レベルでの雇用も視野に入れています。

人手不足に悩む地域の小規模事業者と障害者雇用をマッチングすることで、障害のある方々の働く場を広げながら、地域の社会課題解決にも貢献できると考えています。

利用希望者へのメッセージ

ー就労支援センターKITARUの利用を検討されている方へメッセージをお願いします。

森さん:就労支援の利用はハードルが高く感じられるかもしれませんが、KITARUでは「働けるかどうか」の前に「働きたいかどうか」を問うていただきたいと思います。働きたいという気持ちがあれば、まずはご相談ください。まだ働けるという段階ではなくても、相談だけでも大歓迎です。

お問い合わせは電話でも受け付けていますが、ホームページの問い合わせフォームからご連絡いただければ、日程調整をさせていただきます。