色を通じて子どもたちの自己肯定感を育む ー認定NPO法人色彩生涯教育協会の高田さんにインタビューしました!

色彩教育を通じて、子どもたちの個性を認め、自尊感情を育むための取り組みを行う「認定NPO法人色彩生涯教育協会」。パーソナルカラーの専門知識を活かした独自の教育プログラムで、全国の学校での活動を展開しています。

今回は同協会の高田さんに、具体的な活動内容や教育現場での実践、今後の展望についてお話を伺いました。

色彩学を基盤とした教育活動を展開

ー 団体の概要について教えてください。

高田:認定NPO法人色彩生涯教育協会は、色彩学を基盤とした教育活動を展開している団体です。専門のパーソナルカラーアナリストが在籍しており、新たなアナリストの育成や色彩検定の資格取得支援も行っています。

組織の9割を女性が占めており、幅広い年齢層を対象に活動を展開しています。特に中学校、高校、特別支援学級、不登校の子どもたちに向けた色彩学の教育に力を入れています。

カリキュラムは実践的な内容を重視し、生徒一人ひとりが自分らしさを見つけられるよう工夫を重ねています。

家庭科教育との出会いがきっかけに

ー この活動を始めたきっかけについて教えてください。

高田:当協会の有資格者には主婦の方が多く、子育てや教育に関心の高い方々です。家庭科の教科書にパーソナルカラーの単元が導入されたことをきっかけに、教員の方々が教えづらい単元を私たちが専門家として受託する形でスタートしました。

子育ての経験がある会員が多いため、子どもたちへの指導も自然と上手くいき、活動が広がっていきました。現場の先生方からも、専門的な知識と実践的な指導法について高い評価をいただいており、年々依頼が増えている状況です。

パーソナルカラーを通じた個性の理解と自己表現

ー 実際の教育活動の内容について詳しく教えてください。

高田:家庭科の「自分らしく」という単元で、パーソナルカラーを通じて個性を認め合う授業を行っています。似合う色を通じて自分の良さを具体的に理解し、お互いを褒め合うコミュニケーションも大切にしています。

パーソナルカラーはおしゃれのためだけでなく、自分の個性を認め、クラスメートと違っていても良いという気づきを促す重要なツールとなっています。

中学生向けには、自分で服を選ぶ力を身につけることも指導しています。これは単なる服選びのスキルではなく、自分で考えて選択する力を育てることを目的としています。修学旅行での服装選びにも役立つため、学校からも好評をいただいています。

健康啓発活動との連携も

ー 他の団体にない独自の取り組みについて教えてください。

高田:ピンクリボン運動と連携し、乳がん検診の啓発活動も行っています。10月のピンクリボン運動月間には、ピンク色のカラー診断を通じて、自分の体を大切にする意識を高める取り組みを実施しています。

また、色彩心理学のカリキュラムも充実させており、色と心の関係性についても学べる点が特徴です。色を選ぶ際の心理状態や、色が与える心理的影響についても理解を深めることができます。

単なるファッションコンサルティングではなく、健康意識の向上や社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。

自尊感情を育む褒め方の実践

ー お子さんと接する際に特に意識していることがあれば教えてください。

高田:中学生は特に人との比較による評価が増え、自己肯定感が揺らぎやすく自尊感情が低下しやすい時期です。

学校では評価による褒め方が中心になりますが、私たちは子ども一人ひとりの個性を認め、その子自身を褒めることを大切にしています。外部講師だからこそできる、自尊感情の基礎を育む褒め方を心がけています。

全国展開を目指して

ー 今後の展望についてお聞かせください。

高田:昨年は18校と連携することができましたが、今後は全都道府県での活動の実施を目指しています。当協会の有資格者は全国に在籍しているので、より多くの学校で色彩教育を展開していきたいと考えています。

色を学ぶ文化の創造を目指して

ー 最後に読者へのメッセージをお願いします。

高田:色は私たちの身近にありすぎて、意識する機会が少ないかもしれません。しかし、色への意識を高めることで、日々の生活がより豊かになります。自然の色や服の色に関心を持つことで、気持ちが明るくなったり前向きになったりするのです。

ヨーロッパと比べると、日本では色を学ぶ文化があまり根付いていません。当協会は、色を学ぶことがスタンダードになる社会を目指して、これからも活動を続けていきます。

単に知識を増やすだけでなく、生涯にわたって色を楽しみ、活用できる力を育てていきたいと考えています。