“夢中”から未来を創る ― 小学生向け最先端デジタル教育に挑むPendemy代表インタビュー

コロナ禍をきっかけに2020年に設立されたNPO法人Pendemy。グローバルな視点から日本の教育課題に向き合い、小学生向けの新しい学びの場を創造しています。AIやVRといった最新技術を活用しながらも、「正解は一つではない」という理念のもと、子どもたち一人一人の興味関心に寄り添った教育を展開。今回は代表の木村さんにサービス概要・特徴・設立の経緯についてインタビューしました!

サービス概要

ー御社の事業概要について教えてください。

木村さん:Pendemyは、小学生を主なターゲットとして教育支援活動を展開しています。この年代に注目している理由は、調査結果から小学校から中学校への進学時期に「将来やりたいことが見つからない」という子どもが増加傾向にあることが分かったためです。子どもたちが早い段階で未来につながる「夢中」を見つけられるよう、革新的な学びの機会を提供することを使命としています。

私たちの事業の中心となっているのは、STEAM教育です。デジタル分野に精通したメンバーが多いという特徴を活かし、最先端のデジタル技術と理科・算数といった従来の教科をクリエイティブに組み合わせた新しい学びのカタチを創造しています。また、教育現場ではどうしても新しいコンテンツの導入に慎重にならざるを得ない現状があるため、教育機関向けに導入支援サービスも提供し、スムーズな教育革新のサポートも行っています。

設立の経緯

ー設立の経緯についてお聞かせください。

木村さん:私自身、以前IT企業に勤務していたのですが、グローバル企業での勤務経験を通じて、日本の教育システムと世界の潮流との間にギャップがあることを強く感じていました。特に気になっていたのは、日本の生産性の低下傾向です。この課題に対して、教育のあり方を見直すことが重要だと考えていました。

そんな中2020年の新型コロナウイルスの感染拡大により転機が訪れます。緊急事態宣言により、子どもたちの学びの機会が著しく制限される中、このまま教育環境が閉鎖的になってしまうことへの危機感が募っていったのです。当時、この課題に取り組むボランティア活動を探していたのですが、なかなか見つからず、「それならば自分たちで始めよう」と決意し、活動を開始しました。

その後、志を同じくするメンバーが徐々に増え、活動の規模も拡大。持続可能な形で活動を継続していくため、NPO法人と株式会社の2つの組織形態を採用することにしました。これにより、純粋な教育支援活動とビジネスとしての教育サービスを適切に切り分けることができています。

Pendemyの特徴

ー御社の強みについて教えてください。

木村さん:Pendemyの最大の特徴は、小学生という対象を明確に定め、その年代に最適化された最先端の教育コンテンツを提供していることです。例えば、最近注目を集めているAI画像生成技術を活用した絵本づくり、3Dアニメーションの制作、そしてホログラム技術を組み合わせたプログラミング教育など、他では見られないような革新的な取り組みを積極的に行っています。

このような先進的な取り組みが評価され、東京都からも直接依頼をいただくようになりました。来月には科学未来館でVRとARを活用した「未来の東京」をテーマとした都市計画ワークショップを実施する予定です。

また、私たちの強みとして、10代後半から20代のメンバーが中心となって活動していることが挙げられます。若いメンバーが多いことで、最新のトレンドやデジタル技術への感度が自然と高く、さらに重要なのは、複雑な技術や概念を小学1年生でも理解できるように噛み砕いて説明するスキルを持っていることです。これは、教育現場で培った独自のノウハウといえます。

利用者と接する際に気をつけていること

ー利用者と接する際に気をつけていることを教えてください。

木村さん:私たちは、子どもたちとの関係づくりを特に重視しています。まず、いきなり教育的な内容に入るのではなく、アイスブレイクの時間を設けており、ゲーム形式のアクティビティを通じて、子どもたちがリラックスできる雰囲気づくりから始めます。

その後、対話を重視したアプローチを取ります。子どもたち一人一人が自分の意見を自由に話せる環境を整え、その対話を通じて学習内容への興味関心を自然と高めていきます。最後に、実践的なワークショップで学びを定着させる、という流れを大切にしています。

具体例として、先月実施したVTuberワークショップでは、子どもたちが日常的に視聴しているVTuberの話題から会話をスタートし、徐々にVTuber制作の技術的な要素を織り交ぜていきました。この過程で特に意識しているのは、「正解は一つではない」という考え方です。子どもたち一人一人のクリエイティビティを最大限に尊重し、自由な発想で取り組める環境づくりを心がけています。

今後の展望

ー今後の展開についてお聞かせください。

木村さん:現在、東京都府中市を拠点として活動していますが、2024年度は活動範囲を地方都市にも広げていく計画を立てています。特に地方では、最先端の教育機会へのアクセスが限られている場合が多く、そういった地域でこそ私たちの活動が求められているのではないかと考えています。

また、対面での学習機会には物理的な制約があるため、オンラインコンテンツの充実にも注力していく予定です。デジタル教育を得意とする私たちだからこそ、質の高いオンライン学習体験を提供できると確信しています。

中長期的な展望としては、現在の小学生中心のプログラムを発展させ、3〜5年後を目途に中高生向けのプログラムも展開していきたいと考えています。「質の高い教育をみんなに」というSDGsの理念に基づき、教育格差の解消にも積極的に取り組んでいく予定です。

さらに、小学生の興味関心を引き出す教育手法についても、実践を重ねながらノウハウを蓄積し、より効果的な教育メソッドの確立を目指しています。これらの取り組みを通じて、次世代を担う子どもたちの可能性を最大限に引き出していきたいと考えています。

メッセージ

ー最後に、イベントへの参加を検討されている方へメッセージをお願いします。

木村さん:小学生の時期は、子どもたちの好奇心が最も豊かで、様々なことに躊躇なく挑戦できる大切な時期です。特に、急速なデジタル化が進む現代社会において、デジタルスキルの習得は、将来を生きていく上で必要不可欠な要素となっています。

Pendemyでは、子どもたち一人一人の興味や関心に寄り添いながら、楽しみながら学べる環境を用意しています。まずは一度、私たちのイベントに参加していただき、お子様と一緒に新しい学びの体験をしていただければと思います。きっと、お子様の新たな可能性に出会えるはずです。ぜひお問い合わせやご参加を心よりお待ちしております。