「子どものメンタルに注視する」ー 阿部教育研究所が目指す新しい教育のかたち

子育ての悩みや不安を抱える親子に寄り添い、30年以上の教育経験を活かした独自のアプローチで、子どもたちの可能性を引き出す阿部教育研究所。

今回は、同研究所の特徴的な教育方針や、これからの時代に求められる教育のあり方について、代表の阿部順子先生に詳しくお話を伺いました。

生徒さん一人ひとりに合わせた柔軟な指導体制

ー御社の指導対象や特徴についてお聞かせください。

阿部先生:当研究所では、幼稚園年長から大学受験まで幅広い年齢層の生徒さんを対象に指導を行っています。

特に中学受験を目指す小学生が中心ですが、高校受験や私立学校の補習、さらには不登校児の学習支援まで、多岐に渡ってサポートしています。

私たちの特徴は、単なる学習指導にとどまらず、お子さまの特性や心境を把握し、1人ひとりに合わせたカリキュラム作成や対応に心掛け、メンタルのサポートに力を入れています。

有意義な学習時間の提供を目指し、楽しく通塾していただけるようスタッフ一同全力で努めております。

また、お子さまを支える親御さまのサポートにも注力しています。

保護者の方々が抱える子育ての悩みや不安に寄り添い、お子さまに合った助言を提供することで、より良い親子関係の構築を支援しています。

生徒さんと保護者の心に寄り添う教育姿勢

ー他の塾にはない特徴やアピールポイントをお聞かせください。

阿部先生:一般的な学習塾では、学習指導が主な目的とされています。

しかし、私たちは生徒さんの心理面にも深く注視しています。

学習意欲の低下や自信の喪失といった問題に直面している生徒さんたちに対して、まずは心の安定を図ることから始めています。

例えば、大手進学塾でついていけなくなってしまった生徒さんや、心理的なストレスを抱えている生徒さんたちが多く来塾されます。

そういった生徒さんたちに対して、その子に合った声かけや学習方法を提案し、徐々に自信を取り戻していけるようサポートしています。

設立の経緯と教育への想い

ー塾を始められた経緯についてお聞かせください。

阿部先生:私は以前、18年間にわたり今よりも大きな規模の塾を経営していました。

しかし、大学生講師を多く採用する中で、指導の質の維持に課題を感じていました。

例えば、生徒さんへの声かけ一つを取っても、「課題を出さないと減点」ではなく「出したら加点」というような、前向きな表現を心がけてほしいと考えていました。

しかし、研修を重ねても、そうした細やかな配慮を全ての講師に徹底することは難しく、最終的に「自分自身の手で、より深い指導を実現したい」という想いから、阿部教育研究所を立ち上げることを決意しました。

独自の指導メソッドと細やかな配慮

ー生徒さんを指導される際に特に意識されていることはありますか?

阿部先生:私たちの指導は、「おはよう」という第一声から。

生徒さんが教室に足を踏み入れる瞬間から始まり、その日の生徒さんの様子を観察し、心の状態を確認します。

必要に応じて生徒さんのメンタルを上向けてから学習に入ります。

具体的な例を挙げますと、こちら主導で毎回単一に問題集を解いてもらうような一方的な指導にならないようにしています。

その日の生徒さんの疲れ具合や意見がある時は、柔軟に学習内容を調整し、生徒さんが主体的となって進められるようにしています。

「やる気がない」という状態も否定せず、「そんな日もあるよね」と受け止め、子どもの気持ちに寄り添った内容で進めることで次回以降への意欲につなげています。

また、誤答に対しても「ここまではできているね」という形で、できている部分を評価することで子どもの学習意欲を保てるよう心掛けています。

このような細やかな言動や配慮で、生徒さんの気持ちを盛り上げ、楽しく有意義な指導時間を送ることで学習の効果を図っています。

私は子どもが大好きなので、「元気がない」「やる気がない」などのお子さまが日増しに意欲的になっていく姿を見ると大変嬉しくなります。

これからの時代に求められる教育支援

ー今後、強化されたい取り組みについてお聞かせください。

阿部先生:学習指導だけでなく、家庭での親子関係の改善をサポートする取り組みとして、家庭での子育ての様子を観察し、お子さまに適した声掛けや接し方等をアドバイスするサービスも試験的に実施しています。

受験等で親子関係がこじれてしまう案件が多数あり、それによって成績が低下します。

親子のあり方を改善することでお子さまのメンタルが安定し、学習効果が上がることを長年の経験から気付きました。

また、時代が大きく変化する中で、従来の学習指導に加えて、新しい支援の形を模索しています。

例えば、「読書を好きにさせる」「子どもたちに投資や経済の基礎を教える」「学習環境を向上するための整理収納指導」など、より包括的な、これからの時代に必要とされる様々なスキルや知識を、子どもたちに提供していきたいと考えています。

最後に

ー入塾を考えられている保護者の方へメッセージをお願いします。

阿部先生:子育て以上に難しいものは他にないと思います。

時代の変化により自身の経験が子育てに生かせなかったり、複数の子を同じように育てても子どもによって反応は様々で、予期せぬ出来事も多々起こります。

特に現代は情報があふれており、その中で何を選択すべきか迷われる方も多いと思います。

お子さまが40代50代になったとき、どのような大人になってほしいかという、明確な子育ての指針を持つことが大切です。

小学生までの時期は、親からの心の支えが非常に重要です。

失敗を経験した時に、どれだけ温かく受け止めてもらえたかが、その後の成長に大きな影響を与えます。

30年以上の教育経験から、私が最も大切だと感じているのは、子どもの気持ちに寄り添い、心を満たしてあげるということ。

それが、学業のみならず、お子さまの健やかな成長につながる最も確かな道筋だと確信しています。