日本の障害福祉業界において、事業所の経営をサポートする専門家として独自の地位を確立しているアンテリジャンスグループ。
税理士、社会保険労務士、行政書士、司法書士など多彩な専門家が所属し、障害福祉事業所の経営を総合的にサポートする日本で唯一の専門グループです。
創業以来11年間で顧問先の倒産件数0件という驚異的な実績を誇る同社の成り立ちと、障害福祉業界の未来に向けた取り組みについて、代表の鳴海氏にお話を伺いました。
プロのミュージシャンから税理士へ – 人生を賭けた挑戦
ー御社の創業に至った経緯についてお聞かせください。
鳴海氏:実は私の前職はプロのミュージシャンで、大学3回生の時にプロデビューし、今でもAmazonでCDが買えるくらいの実績を残しました。
その後バンドを脱退し、次の人生を考えた時に、「人から頼られたい」「自分自身を高め続けたい」という2つの強い想いがあることに気づきました。
この2つを実現できる職業は何かと考えた時に出てきた答えが、自己を高めることで人から頼られ、さらに頼られることでより成長できる「コンサルタント」でした。
ギターを電卓に持ち替え、働きながら7年半かけて税理士試験に合格。
資格取得と同時に独立という道を選びました。
前職のバンド活動では、成功への道筋が誰にも分からない中でPDCAを回す経験を積んでいたため、「教科書が決まっていて、やれば必ず合格できる」税理士試験は、むしろシンプルに感じました。
障害福祉への特化は偶然から使命へ
ー税理士としてスタートを切られた後、なぜ障害福祉分野に特化されることになったのでしょうか。
鳴海氏:最初は純粋な差別化戦略でした。
貯金50万円、顧問先ゼロ、借金500万円という状態で独立し、待てど暮らせどお客様が来ない。
そんな中で、マーケティングの必要性に気づき、修業時代に経験のあった特殊法人の税務を強みにしようと考えました。
そんな時、一般社団法人で障害福祉事業を運営する経営者様と出会いました。
その方との出会いが、私たちの方向性を大きく変えることになります。
その経営者から聞いた、ある七夕祭りでのエピソードが特に印象的だったんです。
障害のあるお子さんを持つお母様方に短冊に願い事を書いてもらったところ、ほとんどの方が「神様、どうか1日だけでも子供より長生きさせてください」と書いたそうです。
子供の方が先に逝くことを願うのは普通ではありません。
しかし、子供の行く末が不安だからこそ、1日だけ子供より長生きしたい。
そんな切実な思いを持つお母様方の存在を知り、この事業の本質的な重要性を痛感したのです。
福祉事業所を守り抜く、揺るぎない使命
ー御社の強みやアピールポイントについてお聞かせください。
鳴海氏:私たちのビジョン・ミッション・バリューの中で最も大切にしているのが「生涯成長」です。
死ぬ1秒前まで成長し続けようという思いです。
人が本当に変われるのは「誰かのために」と思った時。
その思いを大切にしています。
障害福祉の分野では、私たちは「福祉のインフラになる」ことを目指しています。
税理士という枠にとどまらず、障害福祉事業に必要なリソースを全て提供できる存在になりたい。
7040問題や経営リソース不足、人手不足など、業界が抱える社会問題を全て解決していく。
そういった思いで事業を展開しています。
特に重要視しているのが「絶対に倒産させない」という使命です。
障害福祉の施設は、利用者やご家族にとっての存在意義は極めて高いものです。
しかし、運営母体の多くは零細企業で、預金残高300万円程度という会社も珍しくありません。
そのため、私たちは独自の経営モニタリングシステムを構築し、2年先までの資金繰りをシミュレーションしています。
例えば「来年の6月に預金残高がゼロになる」といった事態を事前に予測し、具体的な対策を提案できるのです。
メタバースが切り開く、新たな可能性
ー今後の展望についてお聞かせください。
鳴海氏:私たちは障害福祉のインフラとなるべく、様々な新規事業を展開していくことを考えています。
例えば、相談支援事業の立ち上げです。
障害福祉の世界では、施設の利用者募集に一般的な集客方法が使えず、必ず相談支援事業者を通す必要があります。
私たちが相談支援事業を行うことで、顧問先の事業所様に自然な形で利用者をご紹介できる仕組みを作っていきたいと考えています。
また、メタバース事業も推進しています。
例えば、グループホームの利用者さんと離れて暮らすご両親との面会にメタバースを活用する構想があります。
3万人規模の仮想空間を作り、そこに一般企業の広告を誘致し、新たな雇用を生み出す。
その雇用の受け皿として障がい者の方々の活躍の場を作っていきたいと考えています。
さらに、不動産仲介や人材紹介など、障害福祉事業に必要な周辺サービスも展開していきたいと考えています。
空き家問題の解決と福祉施設の需要をマッチングさせたり、福祉の国家資格保持者に特化した人材紹介を行ったりと、業界全体の課題解決に取り組んでいきたいと考えています。
18歳成人時代の新たな課題へ向けて
ー最後に、読者の方へメッセージをお願いします。
鳴海氏:まず、事業所を経営されている方々へ。
多くの事業所様は税理士や社会保険労務士を付けていらっしゃると思いますが、障害福祉のことを本当に理解している専門家は極めて少ないのが現状です。
私たちは障害福祉に特化した専門家として、圧倒的な違いを感じていただける自信があります。
また、18歳になる前の知的障がいをお持ちのお子様の親御様へ。
成人年齢の引き下げにより、18歳以降はお子様の法律行為を親が代わりに行うことができなくなります。
その対策として、任意後見制度を活用した「親権延長」というサービスをご用意しています。
最後に、この業界をより良くしていきたいという志を持つ方々へ。
私たちは常に新しい仲間を募集しています。
士業業界や福祉業界で働く方、またはこれからそれらの道を目指す方、ぜひお問い合わせください。
共に障害福祉の未来を創っていきましょう。