子どもが書きたい字を自分で選ぶ自由な書道教室 – アトリエわんぱくの河邊さんにインタビューしました!

板橋区役所前駅からほど近い場所にある「アトリエわんぱく」は、従来の書道教室の概念を覆す自由で楽しい指導を行っている書道教室です。子どもたちが自分で書きたい字を選び、楽しみながら書道を学んでいます。

同教室の河邊さんに、独自の特徴や指導方針について詳しくお話を伺いました。

幼児教室から生まれた18年の歴史をもつアトリエ

ー教室の概要について教えてください。

河邊:板橋区役所前から徒歩2、3分の場所にあるアトリエを借りて、月に3回、木曜日に書道教室を行っています。

生徒さんの年齢層は主に小学生ですが、年齢制限はなく大人の方も来られます。

ー教室を始めるに至ったきっかけや経緯について教えてください。

河邊:娘がわんぱくクラブという幼児教室に通っていました。

私はそこで卒園証書を書いたりお手伝いをしていたのですが、娘が卒園する時に園長先生から「ここで書道教室をやってみませんか」と声かけいただいたのがきっかけで教室を始めることになりました。

それから17年ほど続けましたが、2024年3月にわんぱくクラブが閉園となったため、新しい活動場所を探してこのアトリエを見つけました。幼児教室の名前の「わんぱく」を継がせてもらい、アトリエわんぱくとして活動しています。

「書きたい字」を自分で選ぶ独自の指導方針

ー他の書道教室にはない特徴や、一番のアピールポイントを教えてください。

河邊:書道教室というと、静寂な雰囲気の中で作法を重視するといったイメージを持たれる方が多いと思います。

当教室ではまず「書きたい字を書こう」というところに一番のポイントを置いています。そのため、毎回子どもたちが「今日はこれを書きます」と、自分で書きたい字を選んで進めています。

1年生でも6年生の漢字を選ぶこともあればその逆もあり、インスピレーションで決めています。難しい漢字を選んだ場合は、紙面に入れることなどを目標にします。

高学年で簡単な漢字をやる場合は、線の勢いや筆遣いなど質にこだわり、選んだ字によってその子に合う課題を見つけることに重点を置いています。

また、ダンスをやっている子から「自分で字を書いたTシャツで踊りたい」と希望があった時には、みんなで布に字を書いてみようということで、色んなTシャツを持ってきてもらい、墨をこちらで用意して書いてもらいました。

正月には「大きな紙に大きな筆で大きな字を書くこう」というイベントも取り入れており、とにかく楽しくやっています。

子どもの良いところを見つける前向きな指導

ー生徒に指導する際に、特に意識していることや方針などを教えてください。

河邊:その子の良いところ少しでもを見つけて、「今日はここの線の感じがいいね」「入り方がいいよ」「次はこうしてみよう」と前向きな声掛けをしています。

子どもが「失敗しちゃった」と言っても決して失敗ではなく「ここをこうするともっと良いよ」とアドバイスとして受け止めてもらうことを大事にしています。

教室の関係上、時間の制限はありますが、終わりも自分で決めてもらうため「これでOK」となったら自分で作ったハンコを押すようにしています。納得するところまで自分で決めることを大切にしています。

柔軟なコース設定と今後の展望

ー教室で提供するコースやプランについて教えてください。

河邊:教室は月3回、木曜日と決まっています。月に3回来るのであれば月謝は8000円です。1回ごとの支払いも可能で、1回につき受講料3000円としています。

月3回来れば金額的にはお得ですが、単発で参加したいという方もいるので、この設定にしています。

ー今後より強化していきたい部分や、取り組んでいきたいことがあれば教えてください。

河邊:ここのアトリエが個展などができるスペースになっており、月に1回アート作品の展示や販売があります。そうした環境を活用して、ここで子どもたちが書いた作品の作品展をやってみたいと思っています。

外部の書道展に出すことは定期的にやっていますが、自分たちだけの作品展をこのアトリエでやるというのが今の目標です。

「書きたい」気持ちを大切にする教室

ー最後に、教室に入会を検討されている方に向けたメッセージをお願いします。

河邊:「書きたい」という気持ちを持って来てほしいと思っています。それはどんなものでも構いません。

例えば、大人の方であれば「筆ペンで結婚式のお祝いの名前を書けるようになりたい」や、お子さんだったら「学校の書き初めの課題を目指して頑張りたい」など、目標を持って書きたいという思いがあればぜひ利用していただきたいと思います。