発音のプロフェッショナルが教える「通じる英語」への道筋 ―EPP.Labo.代表 富沢氏インタビュー

優秀な日本人が発音の問題で十分に評価されない状況を変えたい―。その思いから生まれた英語発音専門スクール「EPP.Labo.」。フランス語からキャリアをスタートし、外資系企業での経験、イギリス留学を経て、独自の発音指導メソッドを確立した富沢氏に、設立の経緯から具体的な指導方法まで詳しくお話を伺いました。

発音に特化したオンライン英語スクール

ー御校の概要について教えてください!

富沢さん:私たちは英語発音に特化したオンラインスクールとして、大学生以上の方を対象に指導を行っています。オンラインでの学習という特性を活かし、場所や時間の制約なく、英語発音の改善に取り組める環境を提供しています。

指導方法は大きく2つのアプローチを組み合わせています:

  1. Zoomを使用した1対1の個別レッスン
  2. Facebookグループでの動画によるフィードバック学習

特に長期コースでは、2週間に1回の1対1セッションと、録画動画によるやり取りを併用することで、継続的かつ効果的な学習を実現しています。

多彩な経験から生まれた発音指導への情熱

ー設立に至るまでの経緯を詳しく教えていただけますか?

富沢さん:私のキャリアは、実は英語ではなくフランス語から始まりました。大学でフランス語を専攻し、留学は学部時代(2ヶ月)と卒業後(1年)の2回経験。当時は英語についてはごく基本的な受験英語の知識しかありませんでした。

卒業後、外資系企業に就職したことで、英語の重要性を痛感することになります。特に印象的だったのは、書類作成や専門知識では優秀な日本人社員が、発音の問題で十分に評価されないケースを数多く目にしたことです。

その後、人生の転機となったのが配偶者と共に決断したイギリス留学でした。留学中に妊娠が判明し、帰国後は育児をしながら働ける環境を模索することに。そこで、自身の強みを活かせる道として、英語発音指導のスクール設立を決意しました。

独自の発音指導メソッド

ー具体的な指導方法について教えてください。

富沢さん:私たちの指導の特徴は、日本人講師だからこそできる理論的なアプローチにあります。ネイティブ講師は自身が発音で苦労した経験がないため、「なぜできないのか」という学習者の躓きを理解することが難しいのです。

実際の指導では

  • 日本語と英語の音声学的な違いの説明
  • なぜその発音になってしまうのかの分析
  • 改善のための具体的な方法の提示
    を段階的に行っています。

単に「この音を真似してください」では解決できない問題に、理論的な理解と実践的なトレーニングの両面からアプローチしています。

体系的な学習プログラム

ー提供されているコースについて詳しく教えていただけますか?

富沢さん:メインとなるのは、英語の音素を全て学ぶ24週間の体系的なコースです。このコースでは

【基礎学習】

  • 個々の音素の正確な発音方法
  • 日本人が苦手とする音の特定と克服
  • 実践的な発音練習

【応用学習】

  • 英語発音検定試験対策
  • 実践的なコミュニケーション練習
  • 録画による詳細なフィードバック

を提供しています。

24週間のコース修了後、多くの受講生が英語発音検定試験にチャレンジします。その際の追加指導も行っており、必要に応じて単発レッスンも活用いただいています。

学習効果と受講生の変化

ー具体的な成果について教えていただけますか?

富沢さん:最近印象的だった例として、外資系企業に勤める20代の男性の事例があります。発音指導を受けた後、同僚や上司から「聞きやすい英語だ」と評価されるようになり、本人も「発音だけでこれほどの好印象を得られるとは思わなかった」と驚いていました。

特に海外のビジネスパーソンは、聞き取りづらい英語に対して根気強く耳を傾けようとはしません。最初の印象で「理解できない」と判断すると、そこでコミュニケーションを遮断してしまう傾向が強いのです。

今後の展望:より実践的な指導へ

ー今後の展望についてお聞かせください。

富沢さん:現在は個々の音素の指導に重点を置いていますが、今後は以下の分野でのプログラム開発を計画しています

【新規開発予定の分野】

  • 長文読解時の発音指導
  • 自然なイントネーションの習得
  • 英語特有のリズムパターンの練習
  • より実践的なビジネスシーンでの発音トレーニング

発音に悩む方々へのメッセージ

ー最後に、英語発音で悩む方々へメッセージをお願いします!

富沢さん:日本の英語教育では、発音指導がほとんど行われていないのが現状です。しかし、ちょっとしたコツで英語は格段に聞き取りやすくなります。

特に以下のような場面では、発音の重要性が際立ちます

  • 国際会議やカンファレンスでのプレゼンテーション
  • 海外クライアントとのビジネスミーティング
  • 学会での研究発表
  • 日常的な英語でのコミュニケーション

発音は、あなたの持つ素晴らしい能力や考えを世界に伝えるための「入口」です。この入口をスムーズにすることで、その先にある皆さんの本来の実力をより多くの人に理解してもらえるはずです。

私自身、フランス語から始まり、社会人になってから本格的に英語を学び直した経験があります。そこで実感したのは、理論的な理解に基づいた発音改善の重要性です。

ぜひ、発音の重要性を認識し、改善に向けて一歩を踏み出していただければと思います。私たちは、皆さんの可能性を最大限に引き出せるよう、全力でサポートさせていただきます。