私の夢は「子どもたちに夢や希望を与える人」です。そのためには、プロになりテレビに映ることが最も影響を与えられる方法と感じていたのでプロを目指しました。
手法は変わりましたが、夢や希望を与えるために現場で直接指導が出来ているので、夢自体は変わっていないですし、叶えてもらっているところです。
静岡学園高校でサッカーを学び、ブラジルでプロ選手として活躍した濱田さんは、そう振り返ります。2006年の創設以来、独自の指導法で子どもたちの可能性を引き出し続けてきたFIBRAスポーツコミュニティ札幌。道内外から注目を集める、情熱的な取り組みについて代表の濱田さんにインタビューしました!
活動内容について
ーNPO法人FIBRAスポーツコミュニティ札幌の活動内容について教えていただけますでしょうか。
濱田さん:当団体は主に幼稚園生から中学生までの男女を対象にサッカーを教えている法人です。年齢や発達段階に応じて、活動頻度と内容を細かく設定しています。
幼稚園児は週1回から2回、1回あたり1時間の活動を行っています。この年代では、サッカーの基礎的な動きを楽しく学べるよう工夫しながら、ボールを使った遊びを中心に展開しています。
小学生と中学生は週4回から5回、1回あたり2時間前後の活動を実施。技術面での指導はもちろんのこと、サッカーを通じて考える力や判断力も養い、努力出来る人間になってもらえるよう、練習メニューを組み立てています。
活動開始のきっかけ
ーこの活動を始められたきっかけを教えていただけますでしょうか。
濱田さん:私は札幌出身で、中学まで札幌で過ごし、高校からは静岡県の静岡学園高校に入学し、3年間高校サッカーに打ち込みました。その後、ブラジルでプロ選手として1年間活躍しましたが、現役時代から「いつか札幌に静岡学園やブラジルのサッカーを持ち帰って子どもたちに教えたい」という夢を持っていました。
ビザの関係で帰国した際、地元の少年団の子どもたちと関わる中で、子どもたちの成長する姿を見て感動し「テレビに出ず、直接教える方法でも、子供達に影響を与える事が出来る」と確信し、2006年にクラブを設立。その後、2013年にNPO法人化しています。
独自の強みと指導方針
ー御社のアピールポイントや強みについて教えていただけますでしょうか。
濱田さん:静岡学園とブラジルのサッカーは、現在の日本のサッカーとは異なる指導スタイルで選手を育成しています。私自身が静岡学園出身でブラジルでの経験もあり、実際のプレーでも技術を見せながら指導できることが、他のサッカークラブとの大きな違いです。
特に、静岡学園で学んだ基礎技術の徹底と、ブラジルで培った創造性を重視した指導は、北海道のサッカー界では珍しい取り組みといえます。日本のサッカーは組織的な動きを重視する傾向にありますが、当クラブでは個々の選手の技術力と創造性を最大限に伸ばすことを大切にしています。
指導における意識
ー指導の際に特に意識されていることはありますか?
濱田さん:指導者という立場に囚われすぎず、「私の言う通りにやりなさい」という形式的な指導は避けています。むしろ、子どもたちに余裕を持ってチャレンジさせ、失敗を恐れない環境を作ることで、子どもたち一人一人が持っている可能性を引き出していくことを意識しています。
運営体制と特徴
ー現在の生徒数や指導体制について教えていただけますでしょうか。
現在、170名ほどの生徒を7名のコーチで指導しています。各学年に担当コーチを配置し、一貫した指導を行っています。月会費は年齢によって異なり、幼稚園児が4,000〜5,000円、低学年が7,000円、高学年・中学生が10,000円となっています。
4年生以上の生徒は、サッカー協会主催の大会に参加する機会があり、また独自の大会も開催して様々なチームとの交流を図っています。
冬場は屋内の体育館で練習を行いますが、これは戦略的な選択でもあります。狭いスペースで練習することで、実際の試合で広いスペースでプレーする際に余裕が生まれ、より効果的なプレーができるようになります。
今後の展望
ー今後の展望についてお聞かせください。
濱田さん:最大の課題は自前の施設を持つことです。現在は様々な場所で活動しているため、保護者の方の負担も大きくなっています。そのため活動拠点を1箇所に集約することで、より効率的な指導を行えると考えています。
また、当クラブの特徴的な指導方針は、道内外から注目を集めており、室蘭や岩手県からわざわざ引っ越してくる生徒もいます。このような期待に応えられるよう、さらなる指導力の向上を目指しています。
入会を検討している方へ
ー最後に、入会を検討されている方へメッセージをお願いします。
濱田さん:私はこの仕事に大きなやりがいを感じています。途中で7名しかいない時期もありましたが、一貫して子どもたちへの指導に情熱を注いできました。
現在は人数的にすでに定員で入れない年代もありますが、向上心にあふれた選手でもし興味があれば、必ず上手くなれるよう指導させていただきます。ぜひお気軽にご連絡ください。