韓国語を使って仕事がしたい。でも、通訳や翻訳以外の選択肢が見つからない。そんなキャリアの悩みを抱える人は少なくありません。今回は、韓国語のプロフェッショナル育成に特化した「マウル塾」代表の蔡氏に、映像字幕翻訳の需要や、韓国語を活かした新しいキャリアの可能性について詳しくお話を伺いました。
マウル塾の概要と特徴
ー御社の事業概要について教えてください。
蔡氏:マウル塾は韓国語を教えるオンライン教室です。当初は韓国語を教える一般的な語学塾として、対面とオンラインの両方で展開していましたが、コロナ禍以降は完全オンライン化しました。現在は1対1の個別指導を中心に、グループレッスンも提供しています。
特徴的なのは、上級者向けの専門的な指導に特化している点です。韓国語を使って仕事をしたい方、特に通訳や翻訳、教師として活躍したい方向けのプログラムを提供しています。
創業の経緯とビジョン
ーマウル塾を始められた経緯について教えてください。
蔡氏:ーマウル塾設立のきっかけについて、詳しくお聞かせいただけますか?
蔡氏:2013年、私が講師を務めていた教育機関で大きな転機がありました。私が担当していた字幕翻訳講座が突如として閉講となったのです。しかし、熱心に学びを求める受講生たちがいる中で、その学びの場が失われることに大きな危機感を覚えました。
また設立の背景には、当時の韓流ブームという時代性も影響していました。ただし、私たちが目指したのは、一時的なブームに乗った語学教室ではありません。韓国語を使って実際に仕事をしたい、プロフェッショナルとして活躍したいという方々の「次のステップ」を支援する専門教育機関として、独自のポジションを確立することを目指しました。
こうした設立の経緯が、現在のマウル塾の特徴的な教育スタイル―上級者向けの専門教育、オーダーメード型カリキュラム、キャリアサポートの充実―につながっています。
独自の教育アプローチ
ー他の韓国語教室との違いについて教えてください。
蔡氏:最大の特徴は、カリキュラムの組み方です。一般的な語学教室のように固定のプログラムを提供するのではなく、受講者一人一人の目標に合わせてオーダーメードでカリキュラムを作成しています。
レッスン時間も柔軟で、最大2時間まで、月の受講回数も受講者の希望に応じて調整可能です。また、実力の有無に関わらず、韓国語を仕事にしたいという強い意志がある方を受け入れています。
受講者とのコミュニケーション方法
ーコミュニケーションで大切にされていることはありますか?
蔡氏:コミュニケーションを取る上で大切にしていることは、受講者一人ひとりの主体性を引き出すことです。また教える側が一方的に知識を与えるというより、受講者自身が目標に向かって自発的に、探求心を持って学んでいっていただきたいと考えています
当教室はマンツーマンのオンライン授業がメインですが、Facebook非公開グループページも活用して課題のやりとり、質疑応答、アドバイスの伝達などをひんぱんに行っています。併せて塾生全体のコミュニティーページも作成しており、塾生はそこで横のつながりを作っていただくことができます
映像字幕翻訳の需要
ー映像字幕翻訳の仕事について教えてください。
蔡氏:NetflixやDisney+などの配信サービスの普及により、映像字幕翻訳の需要は高まっています。AIの発展により通訳の需要は変化していく可能性がありますが、翻訳、特に映像字幕翻訳は今後も需要が見込まれます。
料金体系とコース設計
ー料金体系について教えてください。
蔡氏:ーコースや料金体系について、詳しくお聞かせいただけますか?
蔡氏:当塾の代表的なコースとして、語学教育ビジネスマスター講座があります。こちらの講座は受講生の人数によって金額が変わることもあり、10万円~20万円の間で開講しています。
内容は以下のとおりです。
①日本語話者と多国籍学習者にターゲットを分けた語学教育編
②先生マインドを学ぶ心理学編
③オンラインでの授業を駆使できるIT編
④独立起業を助ける経営・集客編
一般的に韓国語教師になる場合、教授法をメインに学ぶと思いますが、当塾は心理学に加え、独立起業にあたりその方の人生の棚卸しを行うため、修了生の方から、人生が変わった、受講してよかったというお声を頂いています。
このコースでは教授法の習得だけでなく、独立起業に向けたマーケティングスキルやビジネスノウハウまで、包括的に学ぶことが可能です。
さらに、将来の進路が明確に定まっていない方向けには、年間10万円からのコースもご用意しています。このコースでは、受講者の興味や適性を見極めながら、最適なキャリアパスを一緒に探っていきます。
今後の展望と母国語教育の重要性
ー今後の展望についてお聞かせください。
蔡氏:AI技術の急速な発展により、語学教育の在り方は大きく変わろうとしています。特に、旅行会話や日常会話レベルの通訳は、スマートフォンのアプリ一つで十分な時代になりつつあります。
このような変化の中で、私たちが特に注力しているのが、母国語教育の重要性です。外国語習得の土台となる母国語力を磨くことは、今後ますます重要になると考えています。言葉は単なるコミュニケーションツールではなく、思考を形成し、人生を豊かにする本質的な要素だからです。
そのため現在は、韓国語教育と並行して、日本語の文章力強化プログラムも展開しています。
入塾を検討される方へのメッセージ
ー最後に、入塾を検討されている方へメッセージをお願いします。
蔡氏:韓国語を学んでいる多くの方は、「趣味以上、仕事未満」という場所で悩んでいらっしゃるのではないでしょうか。あるいは、「仕事にしたいけれど、通訳や翻訳以外の選択肢が思いつかない」と感じている方もいらっしゃると思います。
マウル塾は、そんな皆さんの「次の一歩」を支援する場所でありたいと考えています。私たちが大切にしているのは、既存の職業カテゴリーにとらわれず、受講者一人ひとりの個性や強みを活かしたキャリアプランを共に考え、実現することです。
実力の有無は問いません。大切なのは、韓国語を活かして新しいキャリアを築きたいという意欲です。皆さんの中には、まだ自分でも気づいていない可能性が眠っているはずです。その可能性を一緒に見つけ、育てていければと思います。
「韓国語で何ができるのだろう」「自分にもできるのだろうか」。そんな迷いや不安をお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。皆さんの夢の実現に向けて、私たちができる最善のサポートをご提供いたします。