全国の子ども食堂をサポートする新しい支援の形 – NPO法人みんなの未来の小野さん・浅井さんにインタビューしました!

全国40店舗以上の子ども食堂を支援する、NPO法人みんなの未来の「全国こども食堂プロジェクト」。ITの知見を活かした運営支援や企業とのマッチングなど、独自の支援モデルで子ども食堂の継続的な運営をサポートしています。

同法人の小野さんと浅井さんに、活動への想いや今後の展望を伺いました。

コロナ禍をきっかけに始まった子ども食堂支援

ー団体の概要と、どのような活動を行っているのかを教えてください。

小野:私たちの支援活動は約5、6年前から始まりました。当初はカンボジアでの個人支援からスタートし、2020年のコロナ禍で給付された10万円を活用して、日本国内の子ども食堂支援を開始しました。

知人が運営する子ども食堂がコロナの影響で継続が困難になりそうだということを聞き、資金提供とボランティアスタッフの派遣を始めたのです。

活動を継続する中でNPO法人を設立し、知人である中小企業の経営者からの寄付金や、クラウドファンディングを通じて資金を集め、規模を拡大してきました。

浅井:現在は北海道から沖縄まで、全国約40店舗の子ども食堂を支援しています。各地域の子ども食堂が抱える課題は様々で、ボランティアの確保や運営資金の調達など、それぞれ異なるニーズがあります。

私たちは各店舗の状況をヒアリングし、必要に応じてボランティアの派遣や資金援助を行っています。

ITの知見を活かした独自の支援モデル

ー他にはない特徴や、独自の取り組みについて教えてください。

小野:私は18年ほどITウェブマーケティングの事業を運営してきた経験があり、その知見を活かして子ども食堂支援を行っています。例えば、ホームページやチラシの作成、LINEを活用した情報配信の支援など、技術的なサポートを提供しています。

また、経営者のネットワークを活かした支援モデルも特徴のひとつです。企業と子ども食堂のマッチングを行い、企業からの支援金と子ども食堂のニーズをつなぐ架け橋となっています。

このような取り組みは、子ども食堂の継続的な運営を支える重要な要素となっています。

食育と学びの機会を提供

ー活動を通じてお子さんと接する際に、特に意識していることはありますか?

浅井:私たちは単にお腹を満たすだけでなく、子どもたちに笑顔で帰ってもらいたいという想いを大切にしています。最近では食育にも注目が集まっており、食事以外にも学びの機会を提供できないかと考えています。

例えば、歯科医師の方々と連携し、歯磨きの重要性や正しい歯磨きの方法を教える取り組みを行いました。子ども食堂という場を通じて、食事だけでなく様々な学びの機会を提供することを心がけています。

地域のセーフティネットとしての価値

ー今後の展望についてお聞かせください。

浅井:支援する子ども食堂をさらに増やしていきたいと考えています。昨年の石川県での地震の際、子ども食堂が地域の避難所や炊き出しの場として機能したという事例がありました。顔見知りの場所だからこそ、支援を受けやすいという声も聞かれました。

このように子ども食堂は、日常的な食事の提供の場としてだけでなく、地域のセーフティネットとしても重要な役割を果たしています。物価上昇が続く中、より多くの子ども食堂を支援し、地域のつながりを守っていきたいと考えています。

ー最後に、読者の方に向けたメッセージをお願いします。

浅井:子ども食堂に対して「経済的に困難な方が利用する場所」というイメージを持つ方もいらっしゃいますが、実際には地域の誰もが集える交流の場として機能しています。地域食堂として、子どもからお年寄りまで無料で食事を提供している場所もあります。

まずは私たちのウェブサイトをご覧いただき、子ども食堂の新しい形を知っていただければと思います。そして、支援や実際の利用を通じて、この活動の輪を広げていただけると嬉しいです。

小野:この活動を長期的に継続していくためには、様々な方々のご協力が必要です。子ども食堂の存在を口コミで広めていただいたり、支援の輪を広げていただいたりすることで、より多くの方々に活動を知っていただければと思います。

皆様のご支援とご協力をお待ちしています。