ギリシャ料理教室サッコベルナは、本場のギリシャ料理を日本で学べる珍しい料理教室。
この教室では単にお料理を学ぶだけでなく、ギリシャの食文化や人をもてなす楽しさも伝えています。
レッスン日程は生徒さんリクエストで決定していくなど、従来の料理教室とは一線を画す特徴を持つ同教室の活動について、代表の中山紗貴子さんにお話を伺いました。
多様な世代が集うギリシャ料理教室

ーどのような方を対象にどういったレッスンをされていますか?
中山さん:中山さん:特にターゲット層は絞らず、本格的なギリシャの家庭料理をレッスンしています。
平日も行っていますが、最近では仕事をされている20代から50代と幅広い年齢層の方々が、週末に多く通われています。
やはり海外旅行好きの方や、珍しい料理を作りたいという方が多くいらっしゃいますね。
思いがけないきっかけで始まった料理教室
ー料理教室を始められたきっかけや背景について教えてください。
中山さん:実は元々『ギリシャ料理』の教室をやるつもりは全くなかったんです。
小さい頃から家族の仕事の関係で海外に住むことが多く、毎日外国料理を食べて過ごしました。
大学生時代は親元を離れ、姉妹3人暮らしをして、よく週末にパーティーを開いていて、みんな料理を喜んでくれて。
そういう場を作るのが好きだったのですが、周りに料理が苦手な多かったので、いつか皆が来やすいラフな形の料理教室ができたらいいなと、漠然とは考えていました。
社会人になってからは「40歳くらいで料理教室をやりたいな」と思っていたんですが、それが思いがけず10年早まりました。
転職の合間に訪れた料理教室で、隣の席の方に「あなたは普段どんな料理を作っているの?」と聞かれ、「ギリシャ料理です」と答えたところ、その方が「教えてほしい」と言ってくださったのが第一号の生徒さんです。
その方が周りにいた6人を誘ってくださり、偶然居合わせた方々とのご縁で、そこから会社員の傍らで半年くらい続いていきました。
そんな形で、本当にひょんなことから教室が始まったんです。
ギリシャ料理の魅力と特徴

ーギリシャ料理の特徴や魅力について教えていただけますか?
中山さん:ギリシャ料理は地中海料理の一つです。
私が幼少期を過ごしたのはキプロス共和国という小さな島国で、ギリシャ領側に居たので、3歳までほぼギリシャ料理を食べて育ちました。
父の転勤でその後ドイツに引越したのですが、ギリシャレストランはどの駅にも一軒はあるような国だったので、よく家族で訪れていました。
ギリシャ料理の特徴は、とにかくオリーブオイルとレモンと野菜をたくさん使うことです。
オイルは日本の方が想像されるよりもおそらく3、4倍使います。
日本の出汁のように、味の根本となる使い方をするのですが、料理が出来上がるとしつこくはなく、美味しさの源になっています。
お米と魚介類もよく使うので、シンプルな味わいが日本人にも馴染みやすいのではないかと思っています。
ギリシャ料理教室サッコベルナの特徴ある運営方法
ーこの教室の特徴やアピールポイントはどんなところでしょうか?
中山さん:まず、日本人に合わせたギリシャ料理は作らないようにしています。
現地そのままの味をなるべく再現したいと思っていて、「ギリシャ風」ではなく本物の「ギリシャ料理」を心掛けています。
予約システムは、普通は講師が日程やメニューを提示すると思うのですが、私の教室ではそれがありません。
一度通ってくださった方が「次に何を作りたいか」「どの日に作りたいか」をリクエストしてきて、そこに私が参加者を募る形式です。
誰かが作りたいメニューが他の方も作りたいものだったりしているので、私が提案するよりもいい感じで、毎回レッスンできています。
デザートについては、なるべくヨーグルトにハチミツとナッツをかけたような、軽めのものにしています。
ギリシャの伝統的なデザートは非常にカロリーの高いものが多いので、フルコースでは重過ぎるんです。
あくまで料理をメインにしています。
人をもてなす文化を大切にしたレッスン

ーレッスンをされる際に大切にされていること、特に意識されていることは何ですか?
中山さん:一番大切にしているのは、いずれは皆さんに、家で誰かを呼んだパーティーを気軽に開いてもらいたいなということです。日本人はあまり人を家に呼んでもてなす、という感覚が少ないように感じます。
ギリシャの人たちは気軽に人を家に招き、食事をふるまう文化があり、そういった温かさが素敵だなと思って育ちました。
料理を通じたコミュニケーションをもっと広げると、みんなが幸せになれるんじゃないかと思っています。
実際に教室に通われている方は「家をどんどん綺麗にしたくなる」といった変化も見られます。
教室の雰囲気づくりは実はレシピよりも大切だと思っていて、知らない方々同士が一期一会でも楽しめるように、講師主体にならないように心がけています。
もちろんレシピの再現性も大切にしています。
近所のスーパーで揃う材料を意識して、特殊な食材が必要な場合は私が事前にストックして、皆さんにお分けすることもあります。
最初は普通の料理から始めて、徐々にディープなギリシャ料理に挑戦していく生徒さんも多いですよ。
料理教室の今後のビジョン

ー今後強化されたいことや将来のビジョンについて教えてください。
中山さん:季節によって生徒さんの参加意欲が変わることもあるので、こちらから「今回はこれを作りませんか?」といった提示も、必要なのかなと考えています。
やはり積極的な方でないと参加しづらい教室になってしまっているのではとの心配もあるからです。
「ビギナー会」や「初めてギリシャ料理に出会う会」などがあれば、新しい方も参加しやすいかもしれません。
この教室では入りにくい雰囲気を作らず、完全にフラットな生徒さん同士の関係を一番大事にしたいと思っています。
毎月参加して頂かなくても構わないスタイルです。
長く通っている方でも3か月おきなど、「ギリシャな気分」になった時に来てほしいので、そういう方がたくさん増えると嬉しいです。
最初にやろうと思った原点を大切にしながら、これからもレッスン方法を考えていきたいと思っています。
また、定期的に20-30人規模でギリシャ料理を食べるイベントを他の料理教室や団体とコラボして開催することもあります。
こうしたイベントにも、気軽に来ていただきたいです。
親子・子供向けレッスンも、今年から始めたいと計画しています。
お子さんが作ったものを持ち帰って、家族に振る舞うスタイルも良いかもしれませんね。
興味を持たれた方へのメッセージ
ーこの記事を通じて教室に興味を持たれた方へメッセージをお願いします!
中山さん:みなさん大歓迎です!
ギリシャに興味を持った方、記事を読んで心を動かされた方ならどなたでもお越しください。
男性が料理教室に来にくいという話も聞きますが、サッコベルナはウェルカムです。
料理を通じて一緒にギリシャの素敵な食文化を楽しんでいきたいと思っています!