礼儀と体力を育てる空手教室「蒼穹道場」橋口さんに聞く、これからの時代に必要な学びとは 

礼儀と体力を育てる空手教室「蒼穹道場」橋口さんに聞く、
これからの時代に必要な学びとは 礼儀作法体の強さ、そして心の余裕――


子どもから大人まで通える空手教室蒼穹道場」は、神戸市を拠点幅広い世代の心と体を鍛えています
今回は代表の橋口さんに、教室の特徴や指導への想い、そしてこれからの展望について伺いました。

空手を通じて「体力」と「礼儀」を育てる

ーまずは、教室の概要について教えてください。

橋口さん:対象は4歳から大人までで、現在は上は55歳の方も在籍しています。基本的には神戸市在住の方が多いですが、通える範囲であれば地域問わず入会いただけます。

ーどのような指導に力を入れていますか?

橋口さん:礼儀作法を身につけたい体を鍛えたいなど目的は様々ですが、私はまず「体の強さ」を大切にしています。体力があることで、自信や心の余裕、体調管理にも繋がります。そこから精神面や礼儀作法に繋げていくという順番で指導しています。

社会人や大人にも空手を

ー空手というと子どもの習い事のイメージがありますが、大人が始めても効果はありますか?

橋口さん:あります。例えば女性ならダイエット男性なら運動不足解消というきっかけも多いですが、仕事をする上で体調が安定しているとパフォーマンスも上がります。基礎体力をつけて、日々安定して働けるようになることも目指しています。

教室を始めたきっかけと師匠の想い

ー蒼穹道場を始めた経緯について教えてください。

橋口さん:私自身も4歳から空手を習っていて、師匠の息子が同級生だったこともあり、長く続けていました。20歳頃、師匠から「道場を見てくれないか」と声をかけてもらい、指導を始めました。

その後、10年ほど前に師匠が心臓を患ってしまい、師匠の息子と私で道場を引き継ぎました。そして4〜5年前に独立し、本格的に自分の道場として運営するようになりました。

ー師匠はどのような想いで教室を始められたのですか?

橋口さん:43年前、世の中に非行少年が多かった時代に、「青少年に向けて何かできないか」という想いから道場を開かれたそうです。信念を持って始められたと聞いています。

弱者を守る強さを育てたい

ー橋口さん自身が受け継ごうと思った理由は?

橋口さん:私も空手を通じて心身ともに鍛えられた経験があり、子どもの頃から「弱者を守りたい」という思いがありました。クラスに一人でもそういう存在がいることで、いじめが減っていくのではと考えています。

蒼穹道場の特徴は“体の使い方”と“チームビルディング”

ー他教室にはない特徴を教えてください。

橋口さん:私自身、陸上の経験もあるので、走り方や体の使い方の指導もしています。空手だけでなく、運動神経そのものを育てる要素を取り入れています。

また、チームビルディングとしてゲーム形式のアイスブレイクも実施しています。空手は個人競技ですが、集団での練習を通じて、仲間意識やコミュニケーション力も養います

指導方針:「褒める」「人格否定をしない」

ー指導する際に意識されていることはありますか?

橋口さん:一部(初心者や楽しむ子)と二部(試合を目指す選手)に分けており、それぞれに合った指導をしています。一部には「楽しく褒める」ことを重視し、二部には「振り返りと挑戦」の姿勢を求めます。

何よりも大事にしているのは、人格否定をしないこと。できないことは仕方がないので、「なんでできないんだ」とは絶対に言いません。変化に気づいて1つ1つ褒めて伸ばすことを意識しています。


生徒・保護者の声から見える変化

ー向いている子の特徴はありますか?

橋口さん:大きな声が苦手だったり、にぎやかな環境がストレスになる子は合わないかもしれません。でも、静かな子でも意外と黙々と続けていることも多いです。見極めは難しいですが、実際に5〜6年続けている子もいます。

ー実際に通っているお子さんの変化はありますか?

橋口さん:友達が増えた、学校でリーダーシップを取るようになった、他の習い事でも声を出せるようになった――そんな声をよくいただきます。自分で考えて動く、自主性が育っているのを感じます。

また、若い社会人の方も「大人との接し方が変わった」「上司との距離感が掴めた」と話してくれることがあり、私自身が前職で学んだコミュニケーションスキルも活かされていると感じます。

長期体験制度と料金体系について

ー教室の体験や料金について教えてください。

橋口さん:1回だけの体験ではなく、1か月間通っていただく形を取っています。習い事は生活スタイルにも影響するので、じっくり通って判断してもらいたいです

料金は、子供だと週2回、週1回高校生以上の方は、年会費でいただいてます。

神戸市の「KOBE◇KATSU(コベカツ)」参入で地域と繋がる

ー今後、強化したいことはありますか?

橋口さん:神戸市では2026年度から中学校の部活動が廃止され、「KOBE◇KATSU(コベカツ)」という制度で地域の事業者がその役割を担うようになります。蒼穹道場もそのプログラムに参入が決まっているので、空手を続けやすい環境を整えていきたいと思っています。

子どもの可能性を探る場所として

ー最後に、入会を検討している方へメッセージをお願いします!

橋口さん:空手は「体を鍛える「礼儀を学ぶ」といったイメージがありますが、それは一側面にすぎません。子どもがどんなことに興味を持ち、どんな友達を作りたいのかその可能性を探る選択肢の1つとして、気軽に来ていただければと思います。

ー特にこんな人にこそ来てほしい!というお子さんはいますか?

橋口さん:学校生活がしんどい子や友達関係に悩んでいる子。もちろんエネルギーが有り余ってる子も歓迎です。両極端なタイプ、どちらにも空手は意味があると思っています。

ー大人向けには?

橋口さん:心身のリフレッシュが目的でもOKです。実際、うちの道場に通っている大人の方々は仕事のパフォーマンスも上がったと言ってくれています。


蒼穹道場公式サイトはこちら