3Dプリンターからドローンまで ─ テクノロジーで子どもの可能性を広げる新発想フリースクール

教育現場では、不登校児童・生徒の増加が深刻な社会課題となっています。2022年度の文部科学省の調査では、全国の小中学校における不登校児童生徒数が過去最多の24万4,940人に達し、その数は年々増加傾向にあります。

そんな中、従来の教育支援の枠を超えた新しいアプローチで注目を集めているのが、2024年9月に開校したフリースクール「テックスクールチャレンジ」です。最新のデジタル技術を活用した学習環境の提供や、3Dプリンターなどの先端機器を使った創作活動など、子どもたちの「やってみたい」という気持ちに寄り添った独自の支援を展開しています。

また、従来のフリースクールにない柔軟な運営体制で、不登校児童を抱える保護者の就労支援にも力を入れています。今回は同スクールを運営する高祖琢二氏に、その革新的な取り組みについて詳しく話を伺いました。

子どもたちの可能性を広げる新しい学びの形

-対象とされている方やスクール内でどんな指導をされているのか概要を教えてください。

高祖:基本的には不登校や不登校傾向にある小学1年生から高校3年生までを対象としています。学習面では、大手塾でも導入されているMonoxer、Studyplusや小学校でも使用されているロイロ・ノート、などのデジタル教材を活用し、子どもたち一人ひとりが自分のペースで学習できる環境を整えています。また、子どもたちが「やってみたい」と思ったことを、私たちスタッフがサポートする形で活動を展開しています。

フリースクール運営への新たな挑戦

-他のフリースクールにない特徴について具体的に教えてください。

高祖:当スクールでは平日の月曜日から金曜日、朝9時〜夕方18時まで開所をしているとともにPCやタブレットなどスクールで用意をしています、また液晶タブレットやレーダー彫刻機や3Dプリンターなど普段あまり触れることのできない機材を多数取り揃えています。

-スクールを開校されたきっかけや経緯はどういったところからだったのですか?

高祖:私自身勉強が苦手で小中学の時にいじめられており学校に行くのが嫌でした、しかしフリースクールと言う言葉が浸透しておらず選択肢がなくイヤイヤ学校に行っていました。

しかし、今は多様な学びとしてフリースクールと言う選択肢があります。私自身、様々な経験や機械好きもあり今の子ども達に対して何か経験を活かしたサポートとできないかと考えフリースクールでの勤務を経験し今回立ち上げをさせていただきました。

子どもたちの夢を実現するための独自のアプローチ

-子どもたちと向き合う際に大切にされていることはどんなことでしょうか?

高祖:私たちスタッフが最も大切にしているのは、「否定しない」という姿勢です。子どもたちの「やりたい」「やってみたい」という気持ちを、どんな形であれ実現できる方法を考えます。例えば、「宇宙に行きたい」という夢に対して、ゲームソフトでシミュレーションを体験したり、実際にロケットのモデルを作ってみたりと、段階的にアプローチしています。

料金体系と充実したサポート体制

高祖:当スクールでは、月額30,000円(税込)の月謝制を採用しています。この料金には、平日9時から18時までの施設利用料、デジタル学習教材の利用料、各種体験活動の基本料金が含まれています。また1日1,500円から利用いただけるチケット制もフリースクールとして導入をさせていただいております。

サポートについては関西の全日制・通信制高校約90校の資料を取り揃えており、スクールとして通信制のマナリンク高等学院様と提携を結んでおります。

他には中学生・高校生向けにデジタル英会話プログラムやカウンセリングサポートなども充実させていただいております。

安心できる環境づくり

-保護者の方への対応で工夫されていることはありますか?

高祖:当スクールでは、完全個別対応を基本としています。入会時には保護者の方と丁寧な面談を行い、お子様の状況や目標、保護者の方のご希望などをしっかりとお伺いします。その上で、個々に合わせた支援計画を立てていきます。

特に大切にしているのは、安全で安心できる環境づくりです。スクール内では、SNSの利用や携帯電話の使用についても一定のルールを設けており、保護者の方と相談しながら適切な利用方法を定めています。

また、当スクールの特徴的な設備として、3Dプリンター、レーザーカッター、ドローンなどを完備しています。これらの機器は、子どもたちの創造性を引き出すツールとして活用しています。例えば、3Dプリンターで自分だけのオリジナル作品を作ったり、ドローンの操縦を通じて空間認識能力を養ったりすることができます。

スクールでできることをお伝えして保護者の方の意見も取り入れつつ、本人のやりたいことを探っていくスタイルでサポートを行っています。

未来に向けた新たな取り組み

高祖:現在、更なるサービス向上を目指して、新しい取り組みを計画しています。例えば、平日の放課後や土曜日を活用したプログラミング教室の開設を検討しています。また、学校との連携も強化し、より充実した支援体制を整えていきたいと考えています。

-最後に、入会を検討されている方へメッセージをお願いします。

高祖:テックスクールチャレンジは、従来のフリースクールの概念を超えた新しい学びの場を目指しています。3Dプリンター、レーザーカッター、ドローンなど、普段なかなか体験できない最新技術に触れられる環境も用意しています。またデジタル教材を活用した学習支援や在籍校・高校との連携や連携により、進学面でのサポートも充実させているので子どもたちにとって、楽しみながら成長できる場所になると確信しています。ぜひ一度、相談や見学などお気軽にお越しください。