幼稚園児から80代までの幅広い年齢層に対応し、個人の希望に合わせた指導を行う琴三弦教室。日本の伝統音楽を教えながらも、外国人生徒が多く国際的な雰囲気が特徴です。オンラインレッスンで海外にも活動の場を広げる同教室の中川雅玲先生にお話を伺いました。

全世代を対象とした個人のニーズに応える教室
ー簡単にどういった方を対象とされていて、どういった指導を行っている教室なのか、教室の概要についてお伺いさせてください。
中川:対象年齢は幼稚園児から70代、80代の方まで全世代を対象としています。教える内容はもちろんご希望に応じて行っています。例えば、本格的に専門的に勉強したい方には、それに合わせた指導をしますし、単に趣味として楽しく取り組みたいという方には免状などは一切勧めず、何をどのように演奏したいかというご希望を聞きながら教えています。これは個人レッスンだからこそできることで、グループレッスンでは難しいですが、すべて生徒さんの希望に沿うように指導しています。
教室開設への思いと長年の夢
ー自身がこの教室を始められた経緯やきっかけについて教えてください。
中川:小さい頃から私は琴を習っていました。若い頃から教室をずっとやりたいと思っていて、最初はもちろん先生について習っていました。その後、一般企業にも就職し、OLをしていましたが、教室を開きたいという思いはずっとあったので、会社を辞めてから教室を始めました。
国際的な交流が魅力の琴三弦教室
ー他の教室にはない特徴や、教室としての一番のアピールポイントについて教えてください。
中川:うちの教室は英語指導が可能で、外国人の方が非常に多いのが特徴です。現在、インバウンドで多くの外国の方が日本に来られていますが、非常に国際的な教室になっています。日本人の生徒さんでも、交流演奏会などを通じて外国の方との触れ合う機会が非常に多いお教室です。
また、ITエンジニアの協力によりネットワークでの情報発信を重視しています。SNSや動画配信などでのサポートが充実しており、YouTubeやGoogleフォトへのアップロードなど、ネット技術を駆使した教室運営を行っています。
生徒一人ひとりの希望に寄り添う指導
ー現在受講されている方を指導する際に、特に意識していることがあれば教えてください。
中川:個人レッスンでは、とにかく個人のご希望に沿うように指導しています。
柔軟な回数制で生徒に負担をかけない料金システム
ー提供されているレッスンのコースや月謝制などについて教えてください。
中川:うちの教室は回数制になっていて、いわゆる月謝ではありません。月に何回受講したいかを申請していただき、その回数に応じて1回分のレッスン代に回数を掛けた金額をいただいています。受ける側としては非常に合理的だと思います。
例えば、「この月は忙しいからお休みしたい」という場合は、一切料金は発生せず、無料でお休みになります。教室の維持費として月に1,000円をいただいている場合もありますが、お休みと言われた場合は何か月休んでも0円です。また、「この月は忙しいので1回しか来られない」という場合も回数制なので、1回分の料金だけになります。
非常にフレキシブルで、振替レッスンも行っていますので、受けやすい教室だと思います。
忙しい現代こそ心のゆとりを育む音楽教育を
ー今後、より強化していきたい点があれば教えてください。
中川:現代はコストパフォーマンスやタイムパフォーマンスを求める傾向が強く、じっくりと腰を据えて何かをやることが非常に少なくなっています。日本の伝統音楽を勉強するのは長い時間がかかるため、今の時代の流れとは逆行しているかもしれません。
しかし、忙しい中でも皆さんが教室に通われる理由は、「心にゆとりができる」とおっしゃることが多いです。音楽自体が心に余裕がないと楽しめないところがありますが、忙しい中でも何も考えずに雑念を払って音楽だけに専念できる環境は、現代において必要だと思います。
ただ、課題もあります。多くの方が入会してくださるのですが、すぐに結果を求める傾向があり、長続きしない方も少なくありません。例えば、発表会に1回出ただけで「もうお腹がいっぱいです」と言われる方もいらっしゃいます。しかし、それだけではなく、その先にもっと深い世界があるのです。その深いところまでたどり着く方が非常に少ないので、どうしたらよいかを日々考えながら指導しています。
オンラインレッスンで世界へ広がる和楽器の魅力
中川:コロナ禍をきっかけにオンラインレッスンも始めました。すでに3年ほど経過し、オンラインのスキルもかなり習得しました。オンラインでは合奏は難しいですが、録音を送ったり、カメラで手元をしっかり見せたりすることができます。対面レッスンでは意外と距離があるため、細かい部分を見たい生徒さんにはオンラインが好評です。
現在では海外からも直接ホームページを通じて問い合わせがあり、世界中に生徒さんがいます。もちろん国内でもオンラインレッスンは可能ですので、距離を気にせず学んでいただけます。
伝統音楽を長く楽しむために
ー今後ご入会を考えられている生徒さんに何かメッセージがあればお願いします。
中川:先ほどもお話しましたが、私たちがお教えしている日本の伝統音楽は、習得に長い時間がかかるものです。爆発的な楽しさというよりは、じっくりと時間をかけて楽しんでいくものです。伝統芸能の習得とはそういうものだと思います。
楽しみながら少しずつ習得していっていただければと思いますので、長いスパンで考えていただくことが一番良いと思います。すぐに結果を求めるようなエンターテインメント的な消費の仕方では、日本の伝統音楽を習得するのは難しいと思います。ぜひ、長く続けることをお勧めします。