【東灘区】早期療育で子どもの可能性を広げる – 親子に寄り添うNPO法人「発達支援教室HINATA」

2025年4月、神戸市東灘区の山手エリアで新たな発達支援施設がオープンします。

定年後にNPO法人を設立した代表が目指すのは、「発達の個性」という新しい視点からの支援。

0歳から就学前の子どもとその保護者に向けた、テーラーメード療育という独自のアプローチで、地域に根差した支援の輪をスタートする「発達支援教室HINATA」の代表、野儀優比子(のぎゆひこ)さんにお話を伺いました。

子どもと保護者、双方に寄り添う支援

ーどのような方を対象にどういった支援をスタートされますか?

野儀さん:発達が気になる未就学児、特に0歳から就学前のお子様と保護者様を対象とした個別療育を提供します。

「こどばの発達が遅いのではないか」「じっとしていられない」「一人遊びばかりしている」など、お子様の様子で気になることを気軽に相談いただける場所となるよう、準備しています。

1時間1プログラムで、単に子どもさんを預かるのではなく、子どもさんに合った療育を提供するテーラーメードスタイルが特徴です。

合わせて保護者様への相談支援も含め1回1時間のプログラムで、子どもさんの得意なところ、苦手なところを全て把握した上で、お子様だけの計画を立て、療育を提供していきます。

地域への恩返しから始まった新たな挑戦

ー このサービスを始められるきっかけについて教えてください。

野儀さん:私は長年製薬会社に勤めており、一昨年に定年を迎えました。

フルタイムで仕事をしながら2人の子どもを育てる中で、学童保育、保育所、ファミリーサポートなど、地域からの支援に助けられた経験があり、その恩返しがしたいという想いが最初にありました。

私は仕事と並行して学童保育のボランティアを続けてきました。

そこで毎年、集団に馴染めない子どもたちの存在に気づき、1対1では問題なくコミュニケーションができる子どもたちが、集団の中では困難を感じ、1、2年生で辞めてしまうケースを何度も目にしてきました。

定年後、発達障害について勉強を始め、それは「障害」というよりも「発達の個性」であり、できないこともあれば得意なこともあることを理解しました。

特に乳幼児の保護者様は、定型発達の基準と比較して悩まれることが多いのですが、発達のペースも個性も様々です。

その子らしい将来に繋げられるよう、親子をともに支援していきたいと考えています。

アクセス重視の立地選定

ー 神戸市東灘区の山手エリアを選ばれた理由についてお聞かせください。

野儀さん:東灘区の南部、海沿いには支援施設が多くありますが、山手エリアには施設が少ないことに着目しました。

そこで、アクセスの良い駅近くに新たに建物を建築することを決めました。

NPO法人として、1人でも多くの親子を支援し、笑顔にしたいという想いが第一にあります。

アクセスの良い場所を選んだのも、より多くの方に気軽に来ていただきたいという願いからです。

人を大切にする職場づくり

ー 活動を始められる中で大切にしていきたいことは何ですか?

野儀さん:スタッフが最も大切な財産だと考えています。

現在さまざまな資格を有する5名のスタッフが、この新規事業に協力してくれていますが、人生において、共に働く人々との関係は非常に重要です。

スタッフ全員が笑顔で働ける職場環境を作ることが、私たちの第一の目標です。

スタッフが元気で笑顔でいることで、初めて利用者の方々に安心して来ていただける場所になると信じています。

早期支援の重要性と未来へのビジョン

ー 未就学児支援に特化された理由と、将来のビジョンについてお聞かせください。

野儀さん:早期療育の重要性を強く感じています。

現在、小学校に上がってからの不登校や引きこもりが増加していますが、その要因の一つには集団に馴染めないという個性があると考えています。

早期から自分のことを知り、集団に馴染める支援をすることで、二次的な課題を予防できます。

また、発達に不安があるお子様も、一人ひとりに必ず得意分野があります。

それを早期に認知し、その人らしい人生を送れるようにすることで、将来的な雇用にもつながり、元気な日本の発展に寄与できると考えています。

きめ細やかな支援プログラム

ー 具体的なプログラムの内容を教えていただけますか?

野儀さん:1組の親子に1人の支援員が付き、1時間のプログラムを提供します。

事前に支援計画とプログラムを作成し、お子様の支援を行い、この間、保護者の方には観察しながら、気づいたことをメモしていただきます。

お子様が他のお子様と遊ぶ時間は保護者の方との面談時間に充てます。

日頃の悩みや保育所での様子など、保護者の方が聞きたいことについて、丁寧にアドバイスをさせていただきます。

メッセージ

ー 最後に、読者へのメッセージをお願いします。

野儀さん:保護者の方々には「一人で悩まず、誰かと一緒に子育てをしていきましょう」とお伝えしたいです。

また、地域の皆様には、発達障害への理解と支援の輪を広げていくことの大切さを知っていただきたいと思います。

これは1人や1つの施設だけでは難しく、地域全体での認識の変化と協力が必要です。

駅近くの好アクセスな場所にありますので、気になることがありましたら、どうぞお気軽にお越しください。