NPO法人プラスアルファは、日本とイタリアの国際交流を通じて、若者の育成や地域農業の活性化に取り組む団体です。農業・観光・文化の融合を図り、持続可能な社会の実現を目指しています。地域と世界をつなぐその挑戦とは?
活動の概要について教えてください。
NPO法人プラスアルファは、国際文化交流や地域農業の活性化を目的とした活動を行っています。特に、イタリアとの交流を通じたインターンシッププログラムを展開し、日本の若者が海外での経験を積める機会を提供しています。伊賀地域の大手企業やレストラン、ガラス工場などと協力し、参加者が様々な業種での実践的な学びを得られる環境を整えています。
また、農業の分野にも力を入れており、地域農業の活性化を目指して高校生や専門学校生と協力しながら、新たな農業の形を模索しています。イタリアの農業技術やリサイクルシステムを学び、日本の地域農業に取り入れる試みも行っています。観光農業の推進にも取り組み、伊賀の歴史や文化を生かしながら、外国人観光客に日本の農業体験を提供することを目指しています。
さらに、地域の伝統文化を守るための活動も行っており、忍者文化や松尾芭蕉の俳句文化を学べるプログラムの開発にも力を入れています。地元の歴史や文化を若い世代に伝えることで、地域の魅力を次世代に継承することを目的としています。
立ち上げたきっかけについて教えてください。
私の出身は千葉県市川市ですが、あるきっかけで三重県の鈴鹿に移住しました。鈴鹿サーキットでF1レースの関係者と関わる機会があり、フランス人の友人が経営するパン屋で働く中で、国際的な交流の可能性を感じました。
特に印象的だったのは、レース会場でサインを求める子供たちの姿です。彼らの夢を叶える手助けができればと考え、社会貢献活動への関心が高まりました。その後、F1チームのマネジメントを学び、国際交流を通じた日本の若者の育成に貢献したいと考えるようになりました。
この経験をきっかけに、伊賀でフェラーリのイベントや忍者体験などを組み合わせた活動を展開し、さらに農業分野へと発展させることで、地域の活性化にも貢献できるのではないかと考えました。こうしてNPO法人プラスアルファを設立するに至りました。
また、日本の若者が世界に出て活躍するためには、語学だけでなく異文化理解や実践的な経験が必要だと考えています。そのため、単なる観光体験ではなく、現地での実践を伴う交流プログラムを設計し、参加者が真の国際感覚を身につけられるようにしています。
特徴・強みはどんなところでしょうか。
私たちの強みは、地域社会との深い繋がりと、企業や個人の協賛を得られるネットワークにあります。伊賀地域に移住して約48年が経ち、ようやく地域の方々との信頼関係が築けたと感じています。
他の地域活動団体と比較しても、地域の住民や企業との連携が強固であることが私たちの特色です。地元の文化や歴史を尊重しながら、国際交流を促進することで、新たな価値を生み出すことができると考えています。
また、日本とイタリアの文化的な親和性を活かし、イタリアでの経験を持ち帰った若者が地域社会で活躍できる仕組みを構築している点も、大きな強みのひとつです。
活動・指導方針について教えてください。
私たちは、単なる農業や観光の促進にとどまらず、参加者が本当に価値を感じられる活動を提供することを重視しています。
例えば、農業体験では、単に作物を育てるだけでなく、イタリアの農業技術や持続可能な農業の考え方を取り入れ、環境に配慮した生産を学ぶ機会を提供しています。
また、参加者との関わり方として、単なる指導ではなく、共に汗をかきながら学ぶ姿勢を大切にしています。地域の農家や住民と一緒に活動することで、単なる作業ではなく、人と人とのつながりを実感できる環境を作り出しています。
今後の展望についてお聞かせください。
現在、市役所から提供された古い建物を活用し、新たな活動拠点を設立しました。この場所を、地域住民や若者が集まり、交流できるコミュニティスペースとして活用したいと考えています。
また、農業や観光業をさらに発展させ、外国人観光客と地域の子供たちが交流できる場を作ることも目標のひとつです。地域の歴史や文化を学びながら、新しい価値を生み出せる仕組みを構築したいと考えています。
今後は、行政や企業との連携を強化し、より多くの人々に私たちの活動を知ってもらうことを目指しています。特に、子供たちが国際的な視野を持ち、異文化を尊重しながら成長できる環境を提供することが重要だと考えています。
メッセージ
NPO法人を運営する上で最も大切なのは、「初心を忘れないこと」です。私がこの活動を始めた理由は、未来を担う若者に夢と希望を与えることでした。その思いを忘れずに、これからも活動を続けていきます。
NPO活動は資金調達や運営の難しさもありますが、自分の信念を貫き、少しずつでも前進することが重要です。最初は一人で始めた活動でも、共感してくれる人が必ず現れます。
これから活動を始めようと考えている方へ、自分の目標を明確にし、無理のない範囲で計画を立ててください。地道な努力が、やがて大きな成果につながるはずです。私たちの活動に興味を持っていただけた方は、ぜひ一緒に何かできることを考えていきましょう。