黒い墨と筆だけで描く伝統と現代技法の融合 – 荒井水墨画教室の荒井さんにインタビューしました!

純粋な墨のみを使う水墨画指導に特化した、荒井水墨画教室。20代から80代まで幅広い年齢層の生徒が学ぶなか、技術伝授とモチベーション管理の両面による指導を行っています。

水墨画講師として12年の実績を持つ荒井さんに、水墨画の魅力や指導方針を伺いました。

墨だけで描く純粋な水墨画の世界

ー教室の概要についてお伺いさせてください。

荒井:20代から80代くらいまでの大人を中心とした水墨画教室を運営しています。子供向けの指導も行っていますが少数のため、現在は大人向けの教室としてやっています。

ー水墨画を始めたきっかけや経緯について教えていただけますか?

荒井:大学卒業後に就職しましたが、絵を描きたいという思いがありました。30歳で会社を辞めた時、最初はお金が必要だったというのが、水墨画を始めた正直なきっかけです。

以前は掛け軸を作る会社で働いており、その頃に出会った師匠のもとで5年間水墨画を習いました。教室を始めたのは12年ほど前で、その時はまだSNSもなかっため、最初は人づての紹介が中心でした。

最初は経済的な理由でしたが、教室を続けていくうちに、人の成長を見守るのが好きだということに気づき、それが続けてこられた理由でもあります。

墨をするところから始まる本格指導

ー荒井水墨画教室ならではの特徴や、一番のアピールポイントを教えてください。

荒井:水墨画というと、彩色と墨を併用した絵をイメージする人もいますが、当教室は墨だけで描く水墨画に特化しており、シンプルに墨と筆だけを道具として使います。

生徒さんには、墨をするところから習得してもらいます。私自身、20年水墨画をやってみて、墨をすることの価値がよく分かるようになりました。

普段の生活では墨をする機会はほとんどないので、この授業の中で墨で絵を描く経験をしてもらいたいと考えています。

また、古典的な技法から現代的な技法まで、幅広く紹介するよう心がけています。まずは基本技術を身につけてもらい、最終的には自分で作品を描けるようになることを目指しています。

もう一つ大切にしているのは生徒さんのモチベーション管理です。12年指導を続けて分かったのは、教えることよりもコミュニケーションを取ることの方が生徒さんのやる気を高めるということです。

生徒さん一人ひとりの、興味や関心に合わせた話題で会話するようにしています。

一人ひとりの成長を見守る少人数制クラス

ー生徒さんに実際に指導する際に、特に意識していることや方針などがあれば教えてください。

荒井:初心者の方には、まず基本技術を覚えることに集中してもらいます。水墨画は技術の数自体はそれほど多くないので、まずは最低限の技術をマスターしてもらうよう心がけています。

教材を使って基本を学んでもらい、それができるようになったら自分の作品制作に挑戦してもらいます。さらに上達した方には公募展出品や展覧会見学、他の水墨画家との交流も促しています。

教材は私が作成したものを使い、各自のレベルに合わせた指導を行っています。経験者にはより高度なテクニックに挑戦してもらいますが、教材はあくまで手段であり、最終的には自分で描きたいものを表現できるようになることを目標としています。

また、少人数制だからこそできる、きめ細かい指導が当教室の特徴です。月謝制で固定の曜日に通っていただく形式なので、同じ時間に異なるレベルの方が学ぶ環境になります。

そこで生まれる生徒同士のコミュニケーションが、さらなる成長を促すことも多いです。

生徒同士が高め合うクラスの醸成

ー教室で提供している構成やプランについてお聞かせください。

荒井:月謝制で月に2回、決まった曜日・時間に通っていただいています。子ども向けの指導も同じ形式で行っています。

ー今後、より強化していきたい点や、新たに取り組みたいことはありますか?

荒井:これまでの12年間で気づいたのは、クラス全体が成長すると、生徒さん同士で学び合い、高め合う環境が自然と生まれることです。この現象をより意識的に作り出せるようになりたいと考えています。

技術指導のみでなく、生徒さん同士のサポートやコミュニケーションによって、より大きな成長が期待できると思います。

伝統と現代をつなぐ水墨画の魅力

ー最後に、入会を検討されている方に向けたメッセージをお願いします。

荒井:岐阜県の水墨画教室は珍しいと思います。墨だけで描く水墨画に興味のある方は、ぜひ当教室にお越しください。伝統的な技法から現代的な表現まで、幅広く学べる環境をご用意しています。