空手を通して子どもたちの心と体を育てるTEAM座KARATE。
勝ち負けにとらわれない“楽しむ空手”を軸に、エンターテインメントの要素を取り入れたユニークなレッスンを展開しています。
今回は、代表の想いや指導の背景、そして教室に込められた理念についてお話をうかがいました。
世界を意識した名前と、空手×エンターテインメントの原点
TEAM座KARATEという名前には、私自身のこれまでの歩みと想いが詰まっています。
もともと私はエンターテインメントの世界で活動しており、第14回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで準グランプリをいただいた際には、空手の演武を披露しました。
そのときに「空手には人を魅了する力がある」と実感し、空手をもっと自由に、もっと多くの人に楽しんでもらいたいと考えるようになったのです。
2014年、地元・静岡で父が運営している道場の子どもたちと舞台に立ちました。そのときのパフォーマンスチームの名前が「TEAM座KARATE」でした。
仲間と一緒に舞台をつくりあげた経験が忘れられず、今の教室の名前にもその思いを込めています。「TEAM」はチームで協力する姿、「座」は“座組”として舞台をつくる仲間の意味を持っています。
また「KARATE」という表記は、世界中で通じる言葉としてあえて英語にしています。今や空手の競技人口は世界で1億人以上。
国際的な広がりを見据え、グローバルに活躍できる教室でありたいという想いも込めています。
現在、教室は東京・渋谷と目黒の2拠点で運営しています。周辺には感性の豊かな子どもたちや、自分を表現したいという思いを持ったご家庭が多く、そうした環境だからこそ、空手とエンタメを融合させた独自のスタイルが自然と受け入れられていると感じています。
ミュージカル「ソーォスSAUCE」より
「勝たなければ意味がない」ではない空手の在り方
私自身、2歳から空手を習い始め、小中高を通じて全国大会で優勝するなど、競技者としての経験を積んできました。
ですがその裏では、「勝たなければ意味がない」「結果を出さなければ価値がない」というプレッシャーと向き合ってきたことも事実です。
東京オリンピックで空手が正式種目になって以降、多くの道場で競技志向が強まり、勝ちにこだわった指導が主流になってきました。もちろん、努力して勝つことは素晴らしいことです。でも、それだけが空手のすべてではありません。
空手はもともと、武道として礼儀や心の在り方を学ぶものです。勝敗の結果だけでなく、人としての成長や、心身のバランスを整えることにも価値があると思っています。
だからこそ、私は「勝つ空手」だけではなく、「楽しむ空手」「表現する空手」を届けたいと考えています。
ダンスや体操とも融合。「楽しい」が原動力の空手教室
TEAM座KARATEの最大の特徴は、空手とエンターテインメントを掛け合わせたユニークなレッスンスタイルにあります。
私が主宰するパフォーマンス集団「マッスルエイト」には、さまざまな競技で活躍するアスリートが所属しており、空手のほかにもダンス、体操、バトントワリング、ダブルダッチ、跳び箱といった多様な動きを取り入れています。
教室では、空手を中心に据えながらも、こうした要素を組み合わせることで、子どもたちの運動神経や身体表現力を自然に伸ばすことができています。
最初は「ここって本当に空手教室ですか?」と驚かれることもありますが、その驚きがむしろ、私たちの目指す“新しい空手の形”であると感じています。
空手の本質である「礼儀」「挨拶」「心の強さ」といった部分はしっかりと指導しながら、より自由でのびのびとした体験を通して、子どもたち一人ひとりが自分のペースで成長できるようサポートしています。
こどもたちにはデカすぎる跳び箱。まさにモンスター。
一緒に楽しみながら、心をひらく時間を
私が指導で一番大切にしているのは、「楽しむこと」です。子どもたちと一緒に体を動かし、笑い合いながら稽古をすることで、自然と心の距離が縮まり、表情もどんどん変わっていきます。
今の子どもたちは本当に多忙で、塾や他の習い事との両立に追われている子も少なくありません。だからこそ、教室で過ごす時間は「自分を解放できる特別な時間」であってほしいと思っています。
空手は、数ある武道やスポーツの中でも、実際に相手と接触することが許されている競技です。ミットを全力で打つ、大きな声を出す、拳を交える。
そうした体験は、子どもたちの中にあるエネルギーを発散させ、自分の殻を破る大きなきっかけになるのです。
未経験の子が心も体も黒帯に!!
泣いていた子が笑顔に。変化の瞬間に立ち会う喜び
これまで指導してきた中で、たくさんの子どもたちの変化に立ち会ってきました。
最初は毎回泣いていた子が、ある日突然泣かずに道場に入ってきたり、声が出なかった子が大きな声で気合いを入れられるようになったり。その“変化の瞬間”に立ち会えたとき、この仕事のやりがいを強く感じます。
以前、両手両足の指の数が通常とは異なる子が、「強くなりたい」と教室に通ってくれたことがありました。
最初は不安そうな様子でしたが、稽古を続ける中でどんどん笑顔が増え、周りの子たちにもいい影響を与えてくれました。
親御さんから「通わせて本当によかったです」と涙ながらに感謝の言葉をいただいたときは、本当に胸が熱くなりました。
空手を通して変わるのは子どもたちだけではありません。家庭での様子が変わったことに気づいた保護者の方も、自分自身の子育てを見つめ直すきっかけになったとおっしゃってくださいます。
そうした“親子の変化”に関われることも、私たちの教室の価値だと思っています。
伝統を守りながら、時代に合わせて進化を続ける
空手は伝統を重んじる武道であり、その精神や型を大切にすることはこれからも変わりません。一方で、時代に合わせて柔軟に変化していくこともまた、必要だと感じています。
勝てる子もいれば、そうでない子もいます。でも、勝ち負けだけで空手の価値を測ってしまうのは、あまりにももったいないことです。
勝てない子たちが苦しむことなく、自分らしく輝ける場所を提供したい。そうした想いが、エンターテインメント性を取り入れたレッスンにつながっています。
今後は、さらに子どもたちが“舞台で表現できる機会”を増やしていきたいと考えています。発表会やイベントなどを通じて、自信を育み、他者と協力する経験を積んでほしいと思っています。
KARATEDO MT.FUJI JUNIOR CHANPIONSHIPでマッスルエイトと一緒にオープニングアクト
興味を持った方へ。空手は人生に役立つ力になります
空手は、自分を守る力であり、人生を豊かにしてくれるものだと私は思っています。
私自身、空手を通して人前で表現する楽しさや、自分に自信を持つことの大切さを学びました。そしてその経験が、今の活動につながっています。
現代は、自分を守る力がますます必要とされる時代です。そんな中で、空手を通して心と体を鍛え、自己表現を学ぶことは、子どもたちにとって大きな財産になるはずです。
TEAM座KARATEのレッスンは、空手が初めての子でも大丈夫です。楽しく、自然体で取り組める環境を整えていますので、少しでも興味を持たれた方は、ぜひお気軽に体験にいらしてください。