「赤ペンを使わない」革新的な指導法で世界へ広がる京都の書道教室 ー 20年前からオンライン指導を実践する「心華」の挑戦

京都で20年にわたり書道教室を運営する高岡氏。赤ペンでの添削を行わず、言葉で丁寧に指導する独自の教育方針で、世界中から生徒が集まっています。教室では「今日の良いこと」を利き手ではない手で書く時間を設けるなど、書道を通じて心の豊かさを育む取り組みを実践。コロナ禍以前からオンライン指導を行っており、現在は対面とオンラインの両方で、4歳から70代まで幅広い年齢層の生徒に書道を教えています。今回は同教室の取り組みや特徴について代表の高岡さんにインタビューしました。

サービス概要

ー御教室の概要について教えていただけますでしょうか。

高岡さん:当教室は4歳から70代まで幅広い年齢層の生徒様を受け入れている書道教室です。約20年前から運営を始め、現在は対面とオンラインの両方で指導を行っています。日本国内では東京、埼玉、神奈川、愛知、新潟、大阪など、全国各地から生徒様が参加されています。

海外からもニューヨーク、パリ、ローマ、メルボルンなど、世界中の方々にご参加いただいています。コロナ禍以前からオンライン指導を実施していた経験を活かし、2020年3月末からはスムーズにオンライン指導への移行を実現しました。現在では教室の生徒様の半数以上が、コロナ禍が落ち着いた現在でもオンラインでの受講を継続されています。

特にオンライン授業は、小さなお子様がいらっしゃる方にも好評です。お子様のそばで見守りながら学べる環境が、多くの生徒様から感謝の声をいただいております。

設立の経緯

ー教室を立ち上げられたきっかけを教えていただけますでしょうか。

高岡さん:当初は教室を開く予定は全くありませんでした。きっかけは、京都国際交流会館で書道に興味のある方々と交流を持ちたいと思い、メッセージを投稿したことでした。教室開講の告知ではなかったのですが、それを見たチェコの方が熱心に指導を希望されたのです。

その強い意志に動かされて指導を始めることにしました。その後、母の書道教室の運営方法を参考にしながらも、独自のアプローチで教室を発展させてまいりました。

特徴とアピールポイント

ー他の書道教室との違いや、特徴的な取り組みについて教えていただけますでしょうか。

高岡さん:当教室では、一般的な書道教室とは異なるアプローチを取っています。最も特徴的なのは、添削に赤ペンを使用しないことです。代わりに「シュッ」「ガッ」といった言葉で丁寧に説明することで、生徒様の理解を深めています。

また、答えをすぐに示すのではなく、ヒントを出しながら生徒様自身で気づいていただくよう心がけています。これは、講師がいなくても美しい字が書けるようになっていただくためであり、この「考える」「気づく」力は、日常生活や仕事にも活きてくると考えているからです。

授業では、まず写経を2行書くことから始めます。これは短時間で心を整える習慣を身につけていただくためです。その後、利き手ではない手で「今日の良いこと」を書く時間を設けています。ここでは上手な文字を書くことが目的ではありません。日常の小さな幸せに気づき、その感覚を共有することで、教室全体に幸せの連鎖が生まれていきます。

五感を使った学びも重視しており、お香を焚いたり音楽を流したりしながら授業を進めています。生徒様には90分という限られた授業時間以外の日常生活も大切にしていただきたいと考えています。美しい字を書くには、日常生活を整えることが大切です。心が乱れていては、美しい文字は書けません。そのため当教室では、感謝の気持ちを持ち、豊かな心で日々を過ごすことで、自然と美しい文字が書けるようになることを目指しています。

コースと料金体系

ー料金体系について教えていただけますでしょうか。

高岡さん:京都教室と天橋立教室の2拠点で、子供コース、一般コース、師範取得コース、マンツーマンの4つのコースをご用意しています。レッスンは月2回、各90分で実施しています。

料金体系は以下の通りです:

  • 子供コース:入会金5,000円、月謝5,300円、毎月お手本代700円
  • 一般コース:入会金7,000円、月謝7,300円、毎月お手本代700円
  • 師範取得コース:入会金9,000円、月謝9,300円、毎月お手本代700円(昇段により月謝変更あり)
  • マンツーマン:入会金15,000円、月謝15,000円、毎月お手本代700円

教室の定員は6名までとしています。以前は8名まで受け入れていましたが、より丁寧な指導を実現するために現在の人数に設定しています。オンラインレッスンも対面レッスンと同じ料金体系で提供しており、オンラインでも師範取得コースの合格を目指すことが可能です。

今後のビジョン

ー今後の展望についてお聞かせください。

高岡さん:「ありがとうが連鎖する心豊かな教室を世界中に作る」というビジョンを掲げています。感謝の気持ちを持つことで、自然と「ありがとう」の言葉が生まれ、それが人を思いやる心につながります。そして、その気遣いや気づきの心が、書道においても、お手本を丁寧に見て、気づいて、書けるようになることに結びついていくと考えています。

現在、弟子も育ってきており、将来的には海外にも支店を展開していきたいと考えています。場所や時間に縛られることなく、どこにいても繋がることができる教室作りを目指し、日本の書道の素晴らしさを世界中の人々に伝えていくことが私の使命だと感じています。

記事を読んでいる方へのメッセージ

ー最後に、書道を習いたいと考えている方へメッセージをお願いいたします。

高岡さん:当教室には、ご縁を感じて来られる方が多く、現在も素晴らしい生徒様に恵まれています。年齢に関係なく、学びたいという気持ちがある方はどなたでもお待ちしております。見学も可能ですので、まずは教室の雰囲気を感じていただければ幸いです。