「学校に行けない」「勉強が苦手」。発達障害やギフテッドの特性を持つ子どもたちは、従来の教育システムの中で様々な困難に直面しています。しかし、それは子どもたち自身の問題ではありません。むしろ、一人ひとりの特性に合わせた学びの環境を整えることで、子どもたちは大きな可能性を開花させることができます。
そんな想いから誕生したのが、発達障害・ギフテッド専門のオンラインフリースクール「Re学院」です。完全オンラインの学習環境で、一人ひとりの特性に寄り添った指導を行い、子どもたちの「できること」を伸ばすことに注力しています。
今回は代表の津嘉山氏に、Re学院の教育理念や指導方法、そして目指す未来についてお話を伺いました。
サービス概要と設立の背景
ーRe学院様のサービス概要についてお聞かせください。
津嘉山:発達障害・ギフテッド向けの中等部はフリースクール、高等部は通信制の形態をとっています。主に不登校の発達障害を抱えた子どもたちが対象です。授業は完全オンラインで行われ、1クラス10人程度の少人数制を採用しています。
基本的にはスタディサプリを使った自習がベースとなり、一般的なフリースクールと同様の形式です。高等部については八洲学園大学国際高等学校と提携しており、単位取得に必要な最低限の学習に加え、生徒の個性に合わせた学びを提供しています。
Re学院を設立したきっかけや経緯
ーRe学院の設立のきっかけや経緯について詳しくお聞かせください。
津嘉山:以前から、小中学生を対象とした学習支援事業を展開していました。その中で、多くの生徒が高校受験の壁に直面していたのですが、特に悩ましかったのは、学力はあっても不登校により内申点が取れない、または学校という刺激の多い環境に適応できないという理由で、進学を諦めてしまうケースです。
従来の教育システムに馴染めないばかりに、可能性を閉ざしてしまう生徒たちを見て、発達障害やギフテッドの特性を持つ子どもたちに特化した学びの場の必要性を強く感じるようになりました。
ーなぜオンライン形式を選ばれたのでしょうか?
津嘉山:発達障害やギフテッドの子どもたちにとって、物理的な移動や新しい環境への適応自体が大きなハードルとなることがありますが、オンラインであれば、自分の落ち着ける場所で学習を継続できます。
また、音声でのコミュニケーションが難しい生徒にはチャットを活用するなど、一人ひとりの特性に合わせた柔軟な対応が可能な点もオンラインの特徴です。
ー具体的な開校時期と形態を教えてください。
津嘉山:2024年4月の本格稼働に向けて、2023年9月からプレスタートという形でサービスを開始しています。中等部はフリースクール、高等部は通信制という形態で、子どもたちの新しい学びの場として歩み始めました。
独自の指導アプローチと専門性
ー生徒への指導において、特に意識されているポイントを教えてください。
津嘉山:特性に合わせた指導を徹底しています。
例えば、
これらの検査結果を保護者にも分かりやすく解釈し、実際の学習場面でどのような影響が出るのかを具体的に説明します。その上で、「今の状況でこういう目標であれば、このようなアプローチが効果的です」という提案を行っています。
また、特性に応じて声かけの工夫や、音声での伝達が苦手な生徒にはチャットやホワイトボードを活用するなど、個々に合わせた工夫を重ねています。
発達障害・ギフテッドの子どもたちが直面する課題
ー不登校や発達障害を抱える子どもたちの進学状況について教えてください。
津嘉山:公立高校では内申点や出席日数、提出物が重視されるため、不登校の生徒は進学が難しい状況です。私立高校は受験機会がありますが、発達障害がある場合、従来の学校システムに適応すること自体が大きな課題となります。
能力は十分にあっても、「学校に馴染めない」「勉強が上手くいかない」と諦めてしまうケースが多いのです。しかし、適切な工夫があれば学習も進み、オンラインであれば学校にも馴染める可能性が高まります。現状では多くの生徒が通信制高校に進学し、高卒資格の取得に留まっているのが実情です。
今後のビジョンと保護者へのメッセージ
ー今後の展望についてお聞かせください。
津嘉山:今後は生徒数の増加に伴い、様々なイベントを企画していきたいと考えています。例えば、言葉を巧みに操るヒップホップミュージシャンや、面白く話せる芸人さん、各業界の著名人などを招いてのオンライン講演を月1回程度実施する予定です。あくまでも楽しみながら学べる学校づくりを目指しています。
ー最後に、入会を検討されている方へメッセージをお願いします。
津嘉山:学校に行けないことは決して悪いことではありません。子どもたちには必ず理由があり、断片的な情報しか伝えられないかもしれませんが、発達検査のデータと照らし合わせることで、その原因は明確になっていきます。
ぜひ立ち止まって、お子様の特性と向き合い、今後の方向性を一緒に考えていければと思います。その受け皿として、私たちがしっかりとサポートさせていただきます。