居場所づくりから専門的支援まで 。 一般社団法人 LITTO-LABOが目指す包括的な子ども支援のあり方

「困っている子どもたちの相談ができる場所を作りたい」。そんな想いから始まった一般社団法人 LITTO-LABOは、発達障害支援と不登校支援を軸に、子どもたちの成長をサポートしています。単なる学習支援にとどまらない、包括的な支援の現場から見えてきた子どもたちの可能性と、支援のあり方について、代表の盛永氏にお話を伺いました。

一般社団法人LITTO-LABOのサービス概要

ー一般社団法人 LITTO-LABOとしての特徴を教えてください。

盛永氏:一般社団法人LITTO-LABOの最大の特徴は「地域・社会で生きていくために必要な羅針盤としての自己肯定感の維持向上」という明確な教育理念の基、これを達成するためにあらゆる方法でサポートしている点です。理念が明確であるため方向性がぶれません。

その他の特徴としては、支援の守備範囲の広さがあげられます。

具体的には、乳幼児から大人までの幅広い年齢層に対応できる体制を整えており、私自身も大学での講師として活動しています。加えて保健センターでの1歳半健診にも関わるなど、様々な場面で専門的な支援を提供しています。

部門はそれぞれ子ども支援、保護者支援、専門家支援など、複数の支援部門に分かれており、包括的なサポート体制を構築しているのが特徴です。各部門での経験や知見を相互に活かしながら、よりよい支援の実現を目指しています。

さらに研究面でも力を入れており、支援の実践から得られた知見を学術的な形でまとめ、論文として発表するなど、専門家コミュニティへの貢献も行っています。このように実践と研究の両面からアプローチすることで、より効果的な支援方法の開発と普及に努めています。

ひかり塾の概要

ーひかり塾の概要について教えてください。

盛永氏:ひかり塾は、発達障害のあるお子さんや特別支援教育の対象となるお子さん、また不登校の生徒さんを主な対象とした支援施設です。一般的な学習塾や進学塾とは異なり、子どもたち一人一人の特性に合わせた支援を行っています。

基本的な活動として、2時間のセッションを提供しており、前半1時間は軽い運動や認知トレーニングを行い、後半1時間は学習支援やコミュニケーション支援を実施しています。特に小学生向けには、修士課程・博士課程での研究成果を活かした運動・認知トレーニングプログラムを取り入れています。

保護者の方々への支援も重視しており、保護者の方のお悩みに対する解決策を提案や、指導の様子を直接見学していただける体制を整えています。

これにより、お子様の成長や課題を共有し、より効果的な支援を実現しています。

ひかりLABOについて

ーひかりLABOについて教えてください。

盛永氏:ひかりLABOは、実践研究や学術研究を行う部門として活動しています。主に、お子様への検査を実施し、その結果をもとに支援方針を立案。そして、実際の支援を行った後、その効果を検証する事例研究を行っています。

検査データを蓄積・分析し、その知見を学術論文として発表するなど、専門家の方々にも広く活用していただける情報発信も行っています。実際に今年8月にも学術論文を発表したところです。

設立の経緯きっかけ

ー設立の経緯やきっかけについて教えてください。

盛永氏:私自身が中学生の時に悩みを抱えた際に相談できる場所がなかったことから、将来は困っている子どもたちの相談ができる仕事がしたいと考えるようになりました。

大学では心理学を専攻し、卒業後は一度ハウスメーカー営業職として3年間働いたのですが、やはり教育支援の分野で働きたいという思いが強く、発達障害児を支援する教室の立ち上げに関わる機会を得て転職しました。

そこで初めて発達障害のお子さんたちと関わり、実践と独学を重ねる中で、自分が思い描く支援のあり方を実現するため、31歳の時に独立を決意し、14年前に「子どもの心理・教育研究所 ひかり塾」を開業し、その後、事業の充実を図るとともに法人化し、「一般社団法人 LITTO-LABO」を設立しました

お子様や保護者の方と関わる際に意識しているポイントを教えて下さい

ー子どもたちや保護者の方と関わる際に、意識されているポイントを教えてください。

盛永氏:子どもたちに対しては、とにかくポジティブな言葉がけを心がけています。また最近は厳しいことを言ってくれる大人が少なくなっている印象がありますが、私たちは必要な場合には「駄目なものは駄目」とはっきり伝えるようにしています。

保護者の方に対しては、実際の指導の様子を見ていただける機会を大切にしています。具体的には指導室にソファーを置き、そこから子どもたちの様子を見学していただけるようにしているのですが、どういった場面でお子様が困難を感じるのか、私たちがどのように関わっているのかを直接見ていただけます。

特に印象的なのは、見学を通じて保護者の方がお子様の能力を過小評価していたことに気づかれるケースが多いということです。「こんなことができるんですね」という気づきが、お子様への関わり方を見直すきっかけになることもあります。

このような気づきの部分以外の些細なお悩みに対しても相談に乗らせて頂きますので、お困りごとがございましたらぜひお気軽にご連絡ください。

今後の取り組みについて

ー今後の取り組みや展望についてお聞かせください。

盛永氏:正直なところ、事業を大きく拡大していこうという考えは持っていません。一般社団法人 LITTO-LABOは設立から14年目を迎えましたが、来ていただいた方々一人一人を大切にするという姿勢を今後も変わらず続けていきたいと考えています。

私たちが大切にしているのは、目の前にいる子どもたちや保護者の方々との関係性です。その中で、より良い支援の方法を模索し、実践と研究を重ねていく。それが私たちの考える成長の形です。

記事を読んでいる方に向けたメッセージ

ー最後に、この記事を読んでいる方へメッセージをお願いします。

盛永氏:どのような困り感でも構いません。また、まだ困り感が大きくない段階でも、ぜひ声をかけていただければと思います。

もし状況を説明する際に頭の中が混乱してしまうようでも、その整理をすることも私たちの仕事です。どんな些細なことでも、まずはお気軽にぶつけていただければと思います。

保護者の方々の不安や悩みに寄り添い、お子様の成長をサポートしていくこと。それが私たちの使命です。一緒により良い方向を見つけていけたらと考えています。ぜひ気軽にご相談ください。