地域と共に育む新しい子育ての未来ーー特定非営利活動法人shiningの挑戦

特定非営利活動法人shining

三重県鈴鹿市を中心に活動する特定非営利活動法人shiningは、不登校の子どもたちへの支援、子ども食堂の運営、制服のリユースや居場所づくりなど、地域全体で子どもたちとその家族を支える活動を行っています。核家族化や地域コミュニティの希薄化が進む中、「助けて」と言えるつながりを生むことを目指し、多岐にわたる取り組みを展開しています。

団体設立のきっかけには、タイでのボランティア経験や地元への恩返しの思いがあり、地域と子どもたちの未来をつなぐ挑戦を続けています。この記事では、その活動の詳細や理事長の思い、今後の目標について詳しくお伝えします。

shiningの活動地域と取り組み内容について

―まず、活動地域とshiningの取り組み内容について教えていただけますか?

特定非営利活動法人shining理事長 岡田さん(以下敬称略):活動地域は三重県北西部、特に鈴鹿市を中心に活動しています。shiningは主に子どもたちとその保護者を対象にしていて、子育て世帯を支援するいろんな取り組みをしていますね。

例えば、不登校のお子さんを対象とした支援、子ども食堂の運営、制服のリユース活動、さらには見守り活動も行っています。また、親御さん同士がつながる場を作るようなイベントも開催していて、地域全体で子どもたちを育てる環境づくりを目指しています。

―地域全体で子どもたちを支えるって素敵ですね。不登校や子ども食堂にも取り組まれているとお聞きしましたが、これらの活動にはどんな背景があるのでしょうか?

岡田さん:そうですね、子ども食堂は特に、ただ食事を提供するだけではなく、子どもたちや親御さんが安心して過ごせる場所、人と人がつながれる場所を提供することを目指しています。居場所がない子どもたちが安心できる空間を作りたいという思いが強いです。

shining設立のきっかけと背景

―shiningを立ち上げるに至ったきっかけについて、詳しく教えていただけますか?

岡田さん:もともと私、鈴鹿市の出身ではなくて、親が自営業で忙しかったんです。近所の人たちが子どもの私を育ててくれた、そんな環境で育ちました。その経験が、いつか地域に恩返ししたいという思いにつながったんです。

20代の頃にはタイの孤児院でボランティアをしていて、その時に出会った事務局長さんから「あなたの地元でもきっと何かできるはず」と言われたことがずっと心に残っていました。その言葉が大きなきっかけですね。

また、タイで出会った大学生たちとも「自分たちのような地域を支えられる活動をしたいね」って話していたんです。残念ながらその友人たちとは震災後に連絡が取れなくなってしまったんですが、彼らとの約束を胸に、鈴鹿でこの団体を立ち上げました。

解決したい社会課題とは?

―shiningの活動を通じて、どのような社会課題を解決したいと考えていますか?

岡田さん:昔は地域の中で子どもを育てるのが当たり前でしたよね。でも今は核家族化が進んで、近所付き合いも減ってきていて。それが災害時などにどう影響するのか、とても不安なんです。

例えば、鈴鹿は海と山がある地域ですが、海側で災害があった時に、山側の人たちに「助けて」と言えるような関係性があるといいなと思うんです。そんなつながりを作るために、地域での交流の場をもっと増やしていきたいですね。

それから、不登校の子どもたちが社会との接点を持てるようにすることも大切です。学校に行かないこと自体は悪いことではありませんが、社会とつながらないことで将来の選択肢が狭まってしまう。それを防ぎたいんです。

支援活動で意識していること

―shiningで支援活動を行う中で、特に意識していることは何ですか?

岡田さん:私たち、スタッフの間でよく「何も聞かないようにしよう」って話してるんです。初めて会った人に色々聞かれると、やっぱり子どもたちは心を閉ざしてしまうじゃないですか。

だから、まずは一緒に遊んだり過ごしたりする中で、子どもたちが自然と自分のことを話してくれるのを待つようにしています。信頼関係ができてからじゃないと、本音ってなかなか出てこないものですから。

今後の目標と取り組み

―これから強化していきたい点や新たに取り組みたいことについて教えてください。

岡田さん:そうですね、最近特に不登校の子どもたちが増えているので、彼らが社会とつながるきっかけをもっと作りたいと思っています。

具体的には、異年齢交流ができる居場所を提供したり、親御さんの視野を広げる活動を増やしたりしたいです。親子で抱え込んでしまう家庭が多いので、地域全体でその負担を軽くできるような仕組みを作りたいですね。

読者へのメッセージ

―最後に、支援を検討している方々へのメッセージをお願いします。

岡田さん:支援活動をしていると、私たち自身もたくさんのことを学ばせてもらっています。最初は支援を受ける側だった方も、少し余裕ができた時に活動に参加してくださることで、支援の輪が広がっていくんです。

皆さんが持っている力が少しずつ集まるだけで、地域全体が大きく変わると思います。ぜひ気軽に参加していただければ嬉しいです。