ひとり親家庭に寄り添った総合支援「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」
全国のひとり親家庭を支援するしんぐるまざあず・ふぉーらむは、1980年代から活動を続けるシングル家庭の支援団体。
現在は約1万人のメルマガ会員を抱え、北海道から沖縄まで幅広い地域で支援活動を展開しています。
今回は、同団体の活動内容や支援へかける想いについて、小森さんに詳しくお話を伺いました。
全国のひとり親家庭に寄り添う、きめ細やかな支援体制
ーどういった方を対象に、どのような支援を行っていらっしゃるのでしょうか?
小森さん:私共はひとり親家庭の支援をしている団体です。
しんぐるまざあず・ふぉーらむという名前ではありますが、シングルファーザーの会員様もいらっしゃいます。
また、まだ離婚が成立していない調停中や別居中の方も支援の対象としており、同じように登録いただいている方も多くいらっしゃいます。
現在、全国で約1万人の方にメルマガ登録をいただいており、地域的には首都圏が中心ですが、北海道から沖縄まで様々な地域の方々に情報を届けています。
ー利用者様のお子様の年齢層について教えていただけますでしょうか?
小森さん:お子様が大学生くらいまでの方が中心です。
大学入学時の奨学金情報の提供や、コロナ禍での大学生向け食料支援など、20代前半までのお子様がいらっしゃる方々への支援を行っています。
社会人になられたお子様がいる方は自然と離れていかれる傾向にありますが、それまでの期間は切れ目のない支援を心がけています。
制度改善を求めて
ー支援を提供されるに至ったきっかけや背景についてお聞かせください。
小森さん:私たちの団体は元々、1980年頃にひとり親家庭への手当制度の変更に対する反対や意見表明のために、当事者が集まって結成された団体です。
2002年にNPO法人となり、現在は支援団体として活動を展開しています。
ー児童扶養手当の制度について、今後どのような改善を期待されていますか?
小森さん:現在、私たちが主に国に要望しているのは、児童扶養手当の所得制限の緩和です。
例えば、お子様が1人の場合、収入が300万円台後半で手当の対象外となってしまいます。
これにより、正社員として働く方の多くが手当を受けられなくなってしまいます。
さらに、児童扶養手当が受けられなくなると、医療費の補助や学校での支援なども連動して受けられなくなる自治体も多く、収入を増やすことで逆に生活が苦しくなるというジレンマに陥る方が少なくありません。
選択の自由を大切に
ーご利用を検討されている方へメッセージをお願い致します。
小森さん:私たちの特徴は、それぞれのお困りごとに寄り添い、様々な支援をご紹介することです。
特に重視しているのは、ご自身で選択肢の中から選んでいただくことです。
ひとり親になることで、全てを自分で決める立場になります。
公的な制度や民間の支援を知ることで困難な状況から脱していけるようサポートしています。
新たな一歩を踏み出すために
小森さん:特にお伝えしたいのが、シングルマザーのための教育支援についてです。
統計によると、ひとり親家庭の方は一般家庭と比べて中学卒の学歴の方が多く、約1割いらっしゃいます。
そこで私たちは、高卒認定試験の受験支援を行っています。
受験料8,500円の支援や学習支援も実施しており、40代、50代の方でも少しずつ科目を取得していける制度となっています。
すべてのひとり親家庭へのメッセージ
小森さん:世間では「自己責任」という言葉でひとり親の方々を追い詰めがちですが、そこでの困難は社会全体でサポートしていく必要があります。
どうか自分を卑下したり自信を失ったりせず、必要な支援に繋がっていただきたいと思います。
私たちは、皆様の新しい一歩を全力でサポートさせていただきます。