チョークアートという言葉を聞いて、どのようなイメージを持つでしょうか?多くの方は、学校の黒板に描かれる一時的な絵を思い浮かべるかもしれません。しかし、今回ご紹介するチョークアートは、そのイメージを大きく覆すものです。
『ミュザート チョークアンドデザイン』は、消えないチョークアートの技法を教える専門教室です。オイルパステルと特殊なスプレーを使用することで、写真のような精密な絵画表現を可能にしています。しかし、この教室の真の特徴は、50代以降からでもプロとして活躍できる人材を育成できる点にあります。
代表の小松 凛氏自身、50代目前で新たなキャリアをスタートさせた経験を持ちます。「絵心がない」「年齢的に遅すぎる」という不安を抱える方に、技術と希望を与え続けています。本記事では、新しいアート分野の可能性と、人生の折り返し地点からでも夢を叶えられる理由に迫ります。
消えないアートで描く未来 – チョークアートの新しい可能性
ー小松様、本日はどうぞよろしくお願いいたします!まずは、対象とされている方々や、どのような指導を行っているのか、『ミュザート チョークアンドデザイン』の概要を教えていただけますか?
小松 凛代表(以下敬称略):基本的に大人から子供まで対象としていますが、現在は大人の方が中心です。生徒さんは、趣味で習われる方とプロを目指す方が半々くらいです。
趣味の方の中には、子育てが一段落して新しい趣味を探している方が多くいらっしゃいます。スポーツは年齢とともに体力的な限界がありますが、絵は年齢を重ねるほど上達していけるのが特徴です。実際、現在82歳でプロを目指している生徒さんもいらっしゃいます。指導は少人数制で、最大6人までのマンツーマン指導を行っています。
ーチョークアートについて詳しく教えていただけますか?非常にユニークな芸術だと感じました。
小松:一般的に想像される黒板に描く消えるチョークアートとは異なり、私たちが扱うのは消えないチョークアートです。黒い板にオイルパステルで描き、スプレーで定着させることで、油絵のような表現が可能です。29色のパステルだけで、写真のような精密な絵を描くことができます。
飲食店の看板やメニューボード、期間限定商品の告知など、様々な商業的な用途で活用されています。特に写実的な表現が得意で、食べ物や動物などのリアルな描写が可能です。
夢を諦めない選択 – 50代目前からのアーティスト人生
ー50代手前で新たな挑戦をされた小松様ですが、そもそも、チョークアートの世界に飛び込もうと思ったきっかけを教えていただけますか?
小松:幼い頃から絵を描くことが大好きでした。美大進学も考えていましたが、「就職に有利ではない」という現実的な理由で諦め、一般的な人生を選択しました。結婚して専業主婦となり、30年近く、絵筆を持つことはほぼありませんでした。
しかし、50歳が近づいてきた頃、大きな心情の転機が訪れます。「このまま自分の夢を諦めたままで良いのだろうか」という思いが、突き上げてきたのです。人生100年時代と言われる今、50歳はまだ折り返し地点。これからの人生を、本当にやりたいことに賭けてみたいと考えました。
そんな時に出会ったのが、チョークアートでした。日本にチョークアートを広めた佐藤 真理先生の存在を知り、その道に進むことを決意したのです。チョークアートは約25-30年前にオーストラリアから伝わった比較的新しいアートです。そのため、美大出身者との技術差に悩むことなく、誰もが同じスタートラインに立てる世界でした。
プロフェッショナルを育てる技術力 – 基礎から学ぶ本格指導
ー他のチョークアート教室とは一線を画す、『ミュザート チョークアンドデザイン』ならではの特徴を教えていただけますか?
小松:基礎画力を上げるコースが豊富なことが最大の特徴です。他のチョークアート教室にはないデッサンの指導や、色彩学の基礎など、しっかりとした土台作りができます。
実は、コロナ禍の休業期間中に、私自身もパーソナルカラリストの資格を取得しました。この期間を前向きに捉え、自己啓発の時間に充てたのです。その結果、色彩の専門的な指導も可能になり、生徒さんにより充実した学びを提供できるようになりました。
さらに、すでにチョークアートの指導者資格を持っている方が、さらなる技術向上のために弊校で学ばれることもあります。それだけ、弊校の基礎技術指導には定評があるということです。
ー指導する際に特に意識されていることはありますか?
小松:基礎画力の向上を重視しながらも、最も大切にしているのは生徒一人一人の個性です。上から「こうしなさい」という指導はせず、それぞれの方向性を活かした指導を心がけています。
例えば、頭の中にあるイメージを表現したいけれど、色の組み合わせで悩んでいる方には色彩理論を教え、形が気になる方にはデッサンを提案するなど、個々の課題に応じたアプローチを行っています。技術は教えられますが、個性は人それぞれ。その個性を最大限に活かせるよう、サポートしています。
29色で広がる無限の可能性 – 多彩なコース展開
ー趣味の方からプロ志望の方まで、様々な生徒さんがいらっしゃると伺いました。具体的なコース展開について詳しく教えていただけますか?
小松:大きく分けて、趣味で学ぶカルチャーコースとプロを目指すプロコースがあります。カルチャーコースはビギナー、ベーシック、フリーの3種類です。
ビギナーコースは、初心者向けとなります。丸を描くところから始めるので、絵心がないと思っている方でも安心して始められます。ベーシックコースは、他の画材経験者向けで、チョークアートの特性や表現方法を学びます。フリーコースは、この2つを終えた方が自由に作品制作を行えるコースです。
プロコースでは、看板制作やレタリングなど商業デザインに必要なスキルを習得できます。さらに、プロコース修了後には、専門分野に特化したスペシャルコースも用意しています。例えば、ペットの似顔絵専門、ウェディングボード専門、スイーツ専門など、生徒さんの目指す方向性に合わせた学びが可能です。
実際、パン屋さんを経営されている生徒さんは、期間限定商品の告知などを自分で描けるようになることを目指しています。外注すると費用がかかりますし、短期の商品告知には向いていません。自分で描ければ、タイムリーな情報発信が可能になります。
アートで叶える理想の副業 – 家庭と両立できる新しい働き方
ー主婦の方でも始めやすい副業としても注目されているとか。ビジネス面での可能性について教えていただけますか?
小松:チョークアートには、副業としても非常に魅力的な特徴がたくさんあります。特に主婦の方からの支持が高いですね。
まず、初期投資が非常に少なくて済みます。必要な道具は、ルービックキューブほどの大きさの29色のパステルセットだけ。場所も取らず、高額な設備投資も必要ありません。また、オイルパステルは子供用のクレヨンと同じ素材で作られているため、小さなお子様やペットがいるご家庭でも安心して使用できます。
「空いた時間に少しずつ」という描き方も可能です。キッチンのテーブルで5分、10分の隙間時間を使って制作できるため、家事の合間でも作業が可能なんです。パートタイムのように時間に縛られることもないので、育児中の方でも始めやすいですね。
収入面でも、意外な可能性があります。プロとして活動を始めた卒業生の方々は、平均して月3万から5万円ほどの収入を得ています。例えば、パン屋さんやケーキ屋さんの経営者が自店の看板やメニューボードを自作できるようになれば、外注コストの削減にもつながります。特に期間限定商品の告知は、外注すると費用対効果が悪くなりがちですが、自分で描ければタイムリーな情報発信が可能になります。
さらに興味深いのは、手書きならではの価値です。あまりにも整いすぎた印刷物は人の目を引かない。しかし、多少荒さがあっても手書きの温かみは人の足を止めるんです。チョークアートは、そんなアナログならではの魅力も持ち合わせています。
ビジネスとしての間口は広く、店舗看板やメニューボード制作から、ウェディングボード、ペットの似顔絵まで、得意分野を活かした展開が可能です。副業として始めても、やがては独立も視野に入れられる。そんな将来の可能性も秘めています。
私の生徒さんの中には、すでに活躍されている方も多くいらっしゃいます。例えば、自身のパン屋さんで季節限定商品の告知を全て自作している方や、ペットの似顔絵制作を多数請け負っている方など、それぞれが自分らしい働き方を見つけています。チョークアートは、単なる趣味を超えて、新しいキャリアの可能性を開く扉となっているのです。
チョークアートが拓く新時代 – さらなる認知拡大へ
ー今後の展望について、お聞かせください。
小松:チョークアートの認知度をさらに高めていきたいと考えています。プロコース卒業生が増えてきており、それぞれの生徒さんにワークショップを開いていただくなど、チョークアートの魅力を広く伝えていく活動を展開していきたいですね。
チョークアートは、まだまだ一般的な認知度が低い分野です。しかし、その分だけ可能性も大きいと感じています。プロを目指す生徒さんが活躍の場を広げていくためにも、多くの方にチョークアートを知っていただきたいと思っています。
ー最後に、『ミュザート チョークアンドデザイン』に入会を考えている方へ、メッセージをお願いします!
小松:夢を諦める必要はありません。0からのスタートでも遅くありません。一緒に夢を叶えていきましょう。
絵は技術であり、センスだけの問題ではありません。基礎をしっかり学べば、誰でも上達できます。ピカソのような天才的なアーティストを目指すのではなく、自分らしい表現で生業として成り立つレベルまで、必ず到達できます。
年齢は関係ありません。むしろ、人生経験を重ねた方が、より深い表現ができる分野です。新しいことを始めるのに遅すぎることはないのです。ぜひ、チョークアートの世界で、あなたの新しい可能性を見つけてください。