書道と水墨画を融合させた独自の指導方法で、15年にわたり多くの生徒を魅了し続ける書画教室「嵐酔水墨画書道教室」。
中学生から80歳以上まで幅広い年齢層が集う教室の中で、伝統文化の素晴らしさを伝えながら、現代社会に生きる人々の心の癒やしの場を提供しています。
書画を指導しながら、心落ち着く空間を提供している、代表の矢形嵐酔さんにお話を伺いました。
心の癒やしと自己発見の場としての書画教室
ーどういった方を対象にどのような指導を行っていらっしゃる教室なのかについて教えてください。
書道と水墨画を基本テーマとして、一般の方々に開かれた教室として運営しています。
特に現代社会でストレスを抱える方々の心の癒やしの場として、書画を学んでいただける環境を目指しています。
中学生から80代の方まで幅広い年齢層の方々が、それぞれの目的を持って通われています。
サラリーマン経験から見出した書画の価値
ー この教室を始められたきっかけや経緯についてお伺いできますでしょうか?
私自身、6歳から書道を学んでいましたが、この教室を始める前はサラリーマンとして働いていました。
地方から東京に移り住み、都会の忙しい生活の中で感じるストレスと向き合う中で、書道が心のリセットになることを実感したんです。
仕事が終わって遅い時間でも、師匠が付き合ってくださり、書を学び、絵も描いていました。
その時間が自分の心をリセットし、また明日から新鮮な気持ちで向き合える大切なものでした。
そうして描いた作品を見た方々が少しずつ集まり始め、それが今の教室のかたちになりました。
書道と水墨画がもたらす新たな発見
ー 先生にとって書画の魅力はどういうところにありますか?
子供の頃は習字教室として友達と一緒に学ぶ場でしたが、高校生以上になると芸術としての書道、水墨画の魅力に気づきました。
日本語の美しさ、例えば『雨』一つを取っても、それに関する様々な言葉や表現があり、その背景にある日本人の感性に触れることができます。
また、水墨画を始めてからは、今まで気づかなかった自然の美しさを発見するようになりました。
人との出会いだけでなく、自然との新たな出会いを感じるようになりました。
書画同源の世界を追求する独自性
ー 他の教室にはない特徴であったり教室として一番アピールされたいポイントについて教えてください。
当教室の最大の特徴は、書道と水墨画を融合させた「書画同源」の世界を追求していることです。
書から言葉をイメージして水墨画を描いたり、逆に絵から想起される言葉を添えたりすることで、新しい表現の可能性を開いています。
恵比寿という立地を活かし、仕事帰りの方も気軽に通える環境を整えていますが、オンライン教室も展開し、海外からの参加者も多く受け入れています。
外国の方も日本人と同様に扱い、互いの文化を理解し合える場を作るなど、書画を通じて、お互いの新しい一面を発見できる、そんな異文化交流の場にもなっています。
生徒一人一人に寄り添う個別指導
ー 生徒さんをご指導される際に特に意識していらっしゃることはありますでしょうか?
毎年お正月には全生徒にアンケートを実施し、一人一人の思いや目標を丁寧に聞き取ります。
それを生徒さん一人一人のカルテのように使っていて、その人のレベルに応じた課題を探し出し、生徒さんそれぞれの心の理想に近づけるよう心がけています。
教室では最大8名まで同時に指導しますが、全員が異なる課題に取り組みます。
私は教室内を巡回し、それぞれの生徒の目線に合わせた個別指導を行います。
単に課題を出して待つのではなく、生徒の心の中に入り、その日やりたいことに寄り添うことを大切にしています。
多彩なコース展開と将来展望
ー教室ではどのようなコースを提供されていますか?
書道芸術、実用書道、かな書道の3つのコースを用意し、水墨画も初級から上級まで段階的に学べるシステムを整えています。
資格取得も支援しており、講師育成にも力を入れている中、今後は特に海外展開に注力していく予定です。
海外在住の日本人や現地の方々に向けて、単なる技術指導だけでなく、日本文化の背景も含めた本質的な書画教育を提供していきたい。
それが巡り巡って、日本人自身の文化再発見にもつながる『循環型文化教室』を目指しています。
心の扉を開く新しい一歩に
ー 最後に入会を考えていらっしゃる方にメッセージをお願いできますでしょうか?
IT化が進み、人々の心が簡素になりがちな現代社会において、書画は自分と向き合える貴重な時間を提供してくれます。
伝統的な書や墨絵に限らず、恐竜や車など現代的なモチーフも描いたりなど、イメージするのとは全く違う世界が広がっています。
少しでも興味をお持ちの方は、ぜひ新しい心の扉を開いてみてください。
きっと新たな自分との出会いがあるはずです。